東のマジア

ノベルバユーザー286206

〈第3話〉ミッドベル通りの時計屋さん

「ミッドベルの6から10までの聞き込みをお願いします、アブリーとバーミン。」
「はい!」
「シャルロッテさん、僕達はミッドベル7のエナギアの少年を逃した所で彼の痕跡を調査してきます。」
「お願いするわ。ブレダンも連れて行くといいわ、彼、そういうの得意だから。」
「はい!」
「これで後はアフォートだけね。アフォートは送還班の様子を見てきて、もしかしたら魔力が足りないかもしれないから。」
「了解です。」

おや、まだ彼女はこの事件のリーダーを降ろされてなかったようですね。
彼女はミスも多いですが、優しく、努力家で頭も良い方なので信頼も厚い様ですね。
ところで少年は、時計屋でココアを飲んでいるみたいですね…。




「あの、ここは、どこですか…?」
「時計屋じゃよ」
「いや、そうじゃなくて、この、場所…」

奇妙な人達ばかりの人混みに流されていたら、突然このお爺さんに手を掴まれて、この店に連れてこられた。
手を振り切ろうとしたけど、あんな人混みの中だったし、しかも、お爺さんのくせに凄く力が強くて、ろくな抵抗も出来ないまま、ここにきた。
でも、この人はどこか、すごく安心できる謎のオーラがあって、今はこうやってココアを飲んでいる。

この店は個性的な時計が壁を埋め尽くし、そこに収まりきらなかった時計がふわふわと宙を泳いでいる、不思議な時計屋だった。本当にここは、異世界…なんだろうか。

「まあ、ここは安全じゃ。安心せい。お前を政府に引き渡したりもせんよ。
……お前さん、孤独じゃろう。」
「…。」
「孤独な奴は、この世界に連れてこられやすいんじゃよ。」
「この世界って…?」
「この世界じゃよ、お前さんの世界の裏側じゃ。」
「裏側?」
「表があれば必ず裏もある。そうじゃろ?」
「…そう、ですね。」
「お前さん、目の色が黒いな。」
「え?」
「それじゃあ、目立つだろう。」

目?目の色?

そこで僕は気づいた。

「えっ…青い…!?」
「お前さん、今さら気づきおったか」

そのお爺さんの目はとてもとても鮮やかな青色だった。
人間の眼とは思えない鮮やかな青。
それは、まるで宝石のような美しい色だった。

「いやそのすごい混乱しててしかも人の目なんてあんまみないからその…」
「君らの世界にこんな目の色をしてる人はおらんのだろ?」
「え、えぇ見たことないです。外国人が目が青かったりとかはするけど、こんな、まるで、宝石のような、色は、カラコンでも、できないです…。」
「カラコン?なんじゃそれは?」
「え?」
「いやすまぬの、若い頃、エナギア学を専攻しておって。エナギアの文化に凄く興味があるんじゃ。」
「エナギア?って、なんですか?」
「まずは、カラなんとかについてが先じゃ、」




時計屋のお爺さん。
あんなに逃げ回ってた彼をこんなに大人しくさせるなんて、あのお爺さんはなにか魔法でも使ったんでしょうかね。
おや、時計屋に誰かやってきましたね。
アルロッテの部下でしょうか、それとも…、ギャングでしょうか。

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