東のマジア

ノベルバユーザー286206

〈第2話〉魔法界東部日本課犯罪取り締まり局

あの少年のような、魔法を使わない世界の人間のような人のことを、この世界ではエナギアというそうですね。魔法を使うこっちの世界の人間のことはエナマジアというそうで。
エナマジアが魔法を自由に使えるようにするには魔法腕輪、マジアブレスレットというのを右腕にはめて、そこから体内の魔力をうまく調節して使うみたいで…。
今、怒られている彼女はさっき少年の見た、空飛ぶ数十人の中心にいた女性みたいですね……。




私は魔法界東部日本課犯罪取り締まり局のいろいろな仕事をやる、雑用的な班の班長をしているアレクシス・V・シャルロッテ。
今はエナギアの少年を逃したことについて、めちゃめちゃ怒られています。


「誘拐犯のギャングが自殺!?しかも、エナギアを逃しただと!?お前!!!自分がなにをしたかわかってるのか!!!」
「はい…本当に申し訳ございません…」


そんな怒らなくてもいいじゃない…。もう私だって十分ショックなのよ……。


「居住世界送還の準備をしておけ!!さっさと奴を捕まえて、さっさと記憶を消し、さっさと家に帰してやるぞ!」
「かしこまりました…。」


エナギアは魔法腕輪マジアブレスレットをつけてないからそんな簡単に捕まえられるわけないじゃない…。これは大変な仕事よ…。


「さっさと捕まえないとエナギアの少年がまたギャングに捕まってしまうぞ!奴らに捕まったらお終いだ!わかってるな!」
「はい…!」


彼は私の上司、魔法界東部日本課犯罪取り締まり局ギャング対策班長のジャスティン・G・ジェイデン。
娘さんがいて、奥さんは何年も前に亡くなってるみたい。娘さん育てるのも大変だろうに彼は仕事も沢山で凄い人なの。


さぁ、お昼の時間ね…。30分の休憩の後は捜索の準備をしなくちゃ…。
自分の机に戻り、お弁当を食べていたら、後ろの席の友人の送還班のジェームズ・R・トリスタンが小声で喋りかけてきた。


「…おい、お前またやっちゃったな〜…」
「ちょっとジェスタン…今は喋りかけないで。」


イラッときたので、彼の顔の前で指を鳴らし、ボンッと、小さい爆発のようなのを起こしてみる。


「あっつ!おいおい、そんな怒るなって、アルロッテ。安心しろよ、前回だってなんとかなっただろ?」
「前回の誘拐はそもそもギャングじゃなかったし、誘拐されたのだって、エナマジアだったじゃない!一回逃げられちゃって現行犯逮捕とは行かなかったけど、魔法腕輪マジアブレスレットをつけてるから捜索班のおかげで一瞬で見つかった。でも今回は?あのギャングが誘拐の犯人!エナマジアじゃなくて魔法の使えないエナギア!しかも別世界の住人!もちろん魔法腕輪マジアブレスレットなんてつけてないから一瞬でみつかるはずもない!どうすればいいのよ…。」
「ん〜…たしかにそれは絶望的な状況だな、いや、そんな状況だったとは。でもなんでギャングは異世界から誘拐なんてできたんだ?」
「それがわかんないのよ、12人の悪魔だって7年前に滅びたはずでしょう?まあ、だからその超魔法を持ってる人がいるってわけじゃなさそうなのよね…。だから、なにか異世界移動装置を持ってるってことなんだろうけど、魔法界の全ての部で回収しているはずなのよ。装置があれば強い魔力ですぐにわかるから、もうないはずなんだけど…。」
「おい、もうそろそろ時間だぞ、」
「やばっ、まだ食べ終わってないのに…!」
「じゃ、がんばれよ、」
「送還の準備もがんばってね、」
「装置の起動するために2ヶ月分の魔力を使わなきゃなんねぇんだよぉ〜…。」
「えっそれは大変ね、」
「そうなんだよ…って時間!!」
「!あと30秒!!?」
お弁当まだ半分以上あるのにぃ…。また話に夢中になっちゃった。
うぅ、これじゃあ仕事に集中できないわ…ってそんなこと言ってる場合じゃない!
はぁ、私向いてないのかも…。


「おい!休憩時間は終わりだぞ!アルロッテ!!」
「!!ジェイデンさん…!す、すいません!!」




走り続け、少年の行き着いた先はまるで賑やかな商店街のような場所。沢山の行き交う人々は見たことのない服装の人ばかり。身長が小さめの少年がそんな人の中にはいってしまえば、少年がどこにいるか、私でも分からなくなってしまいます。人混みに流されていく少年。辛いことがあったというのに、こんなになってもう今にも泣きそうでしょう。
人混みの中から少年にシワシワの手が伸びていきます。少年の腕は掴まれたようです。
引っ張られ、一軒の店に少年は入っていったようですね…。

「少年よ…。お前、この世界のやつじゃないな?」

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