今日から死神始めました!
第1話3. 無
榮倉命「」
琴音『』
閻魔大王【】
スイッチが押され電源がつく。
「今なんて言った?!!」
【じゃから、なんで死んだんだお主】
命(みこと)はまだ阿呆頭を隠そうとしない。だが、それも仕方ない。命の頭の中は火事が起きていて、心には津波が来ている。まるで震災の様な感情がグツグツと込み上げてきている。
「なんでって。お、俺は車にひかれて死んだんじゃないのか?!」
【ふむ、それは知っておる。儂が聞きたいのは何故寿命を後86年残して死ねたのじゃ?おまえは確か103歳までは現世に居るはずじゃが】
命にはわけがわからなかった。何か言っていて、何が言っていて、何に言っていて、何を言っているのか理解が追いついていない。今命を支配しているのは感情だけだ。
「どういうことだよ!わけわかんねーよ!!」
【まぁまぁ、落ち着け。ほら琴音、訳を話してあげなさい】
琴音はまたも冷淡に微笑み放った。
『貴方はイレギュラーなの。いい?人っていうのはね、生まれながらにして一人一人私みたいな死神が着いてるの。そしてその死神の仕事はその人の寿命がきたらその命を刈取り、あの世まで連れていくことが仕事なの。そしてその寿命は死神総会で一人一人決められてるの。前世の行いを見てね。だから人は寿命より後に生きたり、前に死んだりは出来ないのよ。絶対。でも、もしそれを実現できるとしたらあの世には3人しかいないわ。閻魔大王、死神大王、そして伊邪那岐命だけよ』
慌てて命は言う
「じゃあ、その3人の誰かがやったんじゃないのか!」
『それはないわ。3人の力はそれぞれ力を抑制しあってるの。ある方の力でね。もし3人の内誰かが力を行使したらあとの2人に力が伝わり、抑えられるはずよ』
「で、でも3人が口を合わせていたら?」
『それは無いは。さっき言ったように3人とも力を抑制し合ってるって言ったわよね?それはね、3人の力が強大すぎるからよ。もしも3人が同じところに居て会ったりすれば、あの世とこの世は疎か、六道と、高天原も消え飛ぶわ。それだけ強大なの』
一息付き、囁いた。
【だから儂はすぐお主を呼んだんじゃ。】
「じゃあ俺は死ぬべき時じゃないのに死んだのかよ。嘘だろ。なァ!嘘だろ!!」
命は動揺を隠しきれない。否、隠そうとしていない。彼にはその余力はもう底の下だ。なんの理由もなく死に、なんにも現世に残せないで17年間意味も無く生きていただけなのなだ。
気づいたら目には溢れんばかりの涙が浮かび、脳裏には溢れ、漏れ出す思い出が浮かび上がる。両親、友達、そして恋人のことを。
「じゃあ、俺はこれからどうなるんだよ!地獄行きか!?」
【それはまだ儂にも分からんしな。まぁ悪い様にはせんよ。安心せい】
今の閻魔大王には堂々さも幼さも消えている。あるのは赤子を癒す様に話し掛ける優しさだ。
そして囁いた。否、呟いた。
『貴方死神やってみない?』
と。
本が閉じられ文字を喪った。
琴音『』
閻魔大王【】
スイッチが押され電源がつく。
「今なんて言った?!!」
【じゃから、なんで死んだんだお主】
命(みこと)はまだ阿呆頭を隠そうとしない。だが、それも仕方ない。命の頭の中は火事が起きていて、心には津波が来ている。まるで震災の様な感情がグツグツと込み上げてきている。
「なんでって。お、俺は車にひかれて死んだんじゃないのか?!」
【ふむ、それは知っておる。儂が聞きたいのは何故寿命を後86年残して死ねたのじゃ?おまえは確か103歳までは現世に居るはずじゃが】
命にはわけがわからなかった。何か言っていて、何が言っていて、何に言っていて、何を言っているのか理解が追いついていない。今命を支配しているのは感情だけだ。
「どういうことだよ!わけわかんねーよ!!」
【まぁまぁ、落ち着け。ほら琴音、訳を話してあげなさい】
琴音はまたも冷淡に微笑み放った。
『貴方はイレギュラーなの。いい?人っていうのはね、生まれながらにして一人一人私みたいな死神が着いてるの。そしてその死神の仕事はその人の寿命がきたらその命を刈取り、あの世まで連れていくことが仕事なの。そしてその寿命は死神総会で一人一人決められてるの。前世の行いを見てね。だから人は寿命より後に生きたり、前に死んだりは出来ないのよ。絶対。でも、もしそれを実現できるとしたらあの世には3人しかいないわ。閻魔大王、死神大王、そして伊邪那岐命だけよ』
慌てて命は言う
「じゃあ、その3人の誰かがやったんじゃないのか!」
『それはないわ。3人の力はそれぞれ力を抑制しあってるの。ある方の力でね。もし3人の内誰かが力を行使したらあとの2人に力が伝わり、抑えられるはずよ』
「で、でも3人が口を合わせていたら?」
『それは無いは。さっき言ったように3人とも力を抑制し合ってるって言ったわよね?それはね、3人の力が強大すぎるからよ。もしも3人が同じところに居て会ったりすれば、あの世とこの世は疎か、六道と、高天原も消え飛ぶわ。それだけ強大なの』
一息付き、囁いた。
【だから儂はすぐお主を呼んだんじゃ。】
「じゃあ俺は死ぬべき時じゃないのに死んだのかよ。嘘だろ。なァ!嘘だろ!!」
命は動揺を隠しきれない。否、隠そうとしていない。彼にはその余力はもう底の下だ。なんの理由もなく死に、なんにも現世に残せないで17年間意味も無く生きていただけなのなだ。
気づいたら目には溢れんばかりの涙が浮かび、脳裏には溢れ、漏れ出す思い出が浮かび上がる。両親、友達、そして恋人のことを。
「じゃあ、俺はこれからどうなるんだよ!地獄行きか!?」
【それはまだ儂にも分からんしな。まぁ悪い様にはせんよ。安心せい】
今の閻魔大王には堂々さも幼さも消えている。あるのは赤子を癒す様に話し掛ける優しさだ。
そして囁いた。否、呟いた。
『貴方死神やってみない?』
と。
本が閉じられ文字を喪った。
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