【コミカライズ配信中!】消しゴムで始まる制御不能彼女との日常-さっちゃんなんしよ~と?(原題:ボクの彼女は頭がおかしい。)

来世ピッチャー

11月5日

金曜日。

運命って、あるのかな?

真面目にそういうことを考え始めた自分。

終末(週末)は近い。


何事も無く全ての授業が終わり、今日は五月見かけなかったな、なんて思いながら昇降口に向かった。

珍しく誰もいないその空間で靴に履き替える。


外に一歩出て、初めて雨が降っていることに気が付いた。

どんだけボーッとしてたんだよ!

自分で自分にツッコミをいれ、鞄の中に入れてあるはずの折り畳み傘を探す。


…しかし、見つからないというお約束のパターン。

朝は降ってなかったのに。


とりあえず空を見上げながらカッコつけていると、なんとなく視線を感じた。

なんとなく振り向いた。



――五月が僕を見ていた。


――というのは幻だった。


視線の先に本当にいたのは、数人のクラスメートたち。

考えてみれば当然のことか。

同じクラスの人間が同じタイミングで放課後になる。

うん、当たり前だ。

その集団が僕の横を通り過ぎて行く。

すれ違いざまに、色々と声をかけられた。


「さっさと仲直りしろよな」

「五月ちゃん突き放すなんてどうかしてるぜ!」

「ヒーハー!!」

「冷静に考えてみろよ。あんな可愛い子を抱けるのはこの学校でお前だけなんだぜ?」

「学校どころか世界中探してもお前だけだ。うらやましすぎて鼻血出そう」

「言ったな?出せよほら。早く鼻血出せよ!!」

「バカ野郎、出るわけねぇだろ」

「おい!そんな簡単に諦めるなよ!」

「す、すまない…オレが間違っていた……」

「分かってくれればいいんだ……さぁ、お前の本気、おれに見せてみろ!!」

「おう…いくぜ……うぉぉぉぉおお!!!」



ありがとうみんな。

ずぶ濡れで帰る決心ついたよ。

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