悪役令嬢、家継ぎます!
やって来ました!王子の誕生日
!っくりしたぁ。なんだ王子か……は?王子⁈
「リアトリス王子、ご機嫌よう」
とっさに挨拶をした私を誰か褒めて下さい…
「リアトリス王子、良いのですかこんなところに来て」
そう質問してくれたのはゼフィだった。
私もきになるからそれは是非知りたいです。
「中央にいては息が詰まりそうでしたからね」
まぁ確かに令嬢達に囲まれていたら息が詰まりそうだけどなんでここに来たんだよ……
「あぁ、そうだ。ゼフィ、この後の予定なんだけど……」
「えぇ、そのことですか……」
あー、なんか私そっちのけで業務連絡始まったよ。そうですよね、女なんかどうせ…とか思ってるんですよね。いいよ、人間観察という名の現実逃避してやる!いいもん、二十歳になる頃には女性当主になって見返してやるんだから!
あれ?そういえば今日って王子の誕生日だよな。なんかゲームの中に幼少期の思い出の中に幼少期の王子の誕生日があったような……王子は絶対に関わってた。確かスチルは眉毛下げて心配そうに手を差し伸べとる王子と誰かを睨んでるゼフィ。
ゼフィが睨んでるのは………私っ!あぁ、そっか小さい頃から我儘娘で自分より地位の低い人を馬鹿にしてたんだ。そうなるとこのイベントは私が行動しなければ大丈夫。でも、念の為ゲームの主人公を探しとくか。
確か、淡い桃色のフワフワした髪にキラキラした黄緑色の目、肌は陶器のような滑らかな肌だったはず。思いだせ!思い出せ!ヒロインはどんなドレスを着ていた⁈いや、まぁドレスが思い出せなくてもこれだけ覚えていれば見つけられるはず!
あの令嬢は目は黄緑だけと髪が金だから違う、こっちの令嬢は髪がピンクだけど赤に近い色だから違う。あっ!いた、そうだよ、ヒロインはピンクのドレスを着てだんだ!
ガシャァァン
えっ!嘘……
「どうかしましたか!」
真っ先に動いたのはリアトリス王子だった。次いでゼフィが王子を追いホールへ行った。そして、少し遅れて私も動き出した。
「どうかしましたか?」
もう一度、今度は落ち着いた声色で王子は言った。
「あ、あの方が私のような身分の者はパーティに参加する資格がないと」
そう言って体を震わせながら泣き始めたヒロイン。
「なっ!私、そのような事は申しておりません!」
そう言うのはヒロインが証言したあの方。
「だが、この状況を見る限り貴方が言っていないと言っても信じる人間は何人でしょか?」
そう言い放ったのはゼフィだった。確かに床に倒れて泣いているのはヒロインだが、彼女の腕や手には痣などはない。逆にこちらの令嬢はドレスの端にジュースが溢れている位置的に見ても溢したものとは思えない。よし、いけるな。
「お待ち下さい、ゼフィランサス様。私はこの方の証言を信じます。事の一部を見ていましたので。初めまして、アイビー様。私、ファセリア・アベリアスと申します。まずはこれをどうぞ。素敵なドレスにシミがついてしまいますよ」
「あ、ありがとうございます。ファセリア様」
私が差し出したハンカチを受け取りシミを取り始めた。
「事の一部を見ていたとはどうゆう事ですか?」
と、王子が言う。
「そのままの意味ですよ。私はどちらが悪いかしっかり見ましたので」
「では、見たものを説明してもらえますか?」
リアトリス王子がそう言ったので、薄ら笑いのような笑みを浮かべながら事の一部と悪がどちらなのか話始めた。
「私にはアイビー様の罵声は聞こえてきませんでした。ですが、アイビー様がジュースをかけられたところは見ました」
「ちょっと!私はジュースなんかかけてない!」
と、ヒロインが叫んだ。
「あら?誰が貴方のことと言いました。まぁ、いいでしょう続けます。ジュースはドレスの左端に溢れています。アイビー様は先程私のハンカチを受け取りましたが、それは右手でした。アイビー様は右利きなのでしょう。なのでアイビー様本人がジュースを溢したのなら右端に汚れが付きますよね?次に不慮の事故でジュースがかかった場合ですがそれもないでしょう。その場合は近くのウエイターがすぐに動くはずです。このような事態になる直前にアイビー様の近くにいたのは貴方だけですよ……ローズ・ブルーメンブラット男爵令嬢様」
「本当なのですか?」
「え、あ……そう、そうよ!私、突き飛ばされた拍子に持っていたジュースを溢しちゃったのよ!」
リアトリス王子に詰め寄られヒロインことローズは言い訳を始めた。
「そうですか……ローズ・ブルーメンブラット様、1つ聞いてもよろしいですか?」
「何によ?」
「アイビー様に突き飛ばされてローズ・ブルーメンブラット様は倒れたのですか?」
「えぇ、そうよ!思いっきり」
「可笑しいですね……思いきり倒れたのならば何故、腕や手に痣が1つもないのですか?」
「確かに不思議ですね。それに今聞かされたことは証拠はないですが、筋は通っています。どうなのですか?」
そう、言ったのは信じる人間がいないと言い放ったゼフィだった。これぞまさに掌返し!ってこんなこと思ってる場合じゃないわ。
「な…何よ、何よ!この世界は私が主人公なの!全てを手に入れて幸せになるのは私なのよ!」
と、主人公ことローズはそんな捨て台詞を残して帰って行った。てか、主人公は私ってなんなの?普通に痛い子なだけ、それとも私と同じ転生者?なんにせよ要注意人物だな。
「あの、ファセリア様!ありがとうございます。ハンカチは洗ってお返しします」
「あら、ハンカチは差し上げますわ。災難でしたね、アイビー様。私、少し疲れてしまいましたので、お父様が戻り次第帰りますわ。皆様は引き続きパーティを楽しん下さい」
いや〜、完璧!令嬢への対応も野次馬への言葉も大人顔負けでしょ。さて、帰るか。
「リアトリス王子、ご機嫌よう」
とっさに挨拶をした私を誰か褒めて下さい…
「リアトリス王子、良いのですかこんなところに来て」
そう質問してくれたのはゼフィだった。
私もきになるからそれは是非知りたいです。
「中央にいては息が詰まりそうでしたからね」
まぁ確かに令嬢達に囲まれていたら息が詰まりそうだけどなんでここに来たんだよ……
「あぁ、そうだ。ゼフィ、この後の予定なんだけど……」
「えぇ、そのことですか……」
あー、なんか私そっちのけで業務連絡始まったよ。そうですよね、女なんかどうせ…とか思ってるんですよね。いいよ、人間観察という名の現実逃避してやる!いいもん、二十歳になる頃には女性当主になって見返してやるんだから!
あれ?そういえば今日って王子の誕生日だよな。なんかゲームの中に幼少期の思い出の中に幼少期の王子の誕生日があったような……王子は絶対に関わってた。確かスチルは眉毛下げて心配そうに手を差し伸べとる王子と誰かを睨んでるゼフィ。
ゼフィが睨んでるのは………私っ!あぁ、そっか小さい頃から我儘娘で自分より地位の低い人を馬鹿にしてたんだ。そうなるとこのイベントは私が行動しなければ大丈夫。でも、念の為ゲームの主人公を探しとくか。
確か、淡い桃色のフワフワした髪にキラキラした黄緑色の目、肌は陶器のような滑らかな肌だったはず。思いだせ!思い出せ!ヒロインはどんなドレスを着ていた⁈いや、まぁドレスが思い出せなくてもこれだけ覚えていれば見つけられるはず!
あの令嬢は目は黄緑だけと髪が金だから違う、こっちの令嬢は髪がピンクだけど赤に近い色だから違う。あっ!いた、そうだよ、ヒロインはピンクのドレスを着てだんだ!
ガシャァァン
えっ!嘘……
「どうかしましたか!」
真っ先に動いたのはリアトリス王子だった。次いでゼフィが王子を追いホールへ行った。そして、少し遅れて私も動き出した。
「どうかしましたか?」
もう一度、今度は落ち着いた声色で王子は言った。
「あ、あの方が私のような身分の者はパーティに参加する資格がないと」
そう言って体を震わせながら泣き始めたヒロイン。
「なっ!私、そのような事は申しておりません!」
そう言うのはヒロインが証言したあの方。
「だが、この状況を見る限り貴方が言っていないと言っても信じる人間は何人でしょか?」
そう言い放ったのはゼフィだった。確かに床に倒れて泣いているのはヒロインだが、彼女の腕や手には痣などはない。逆にこちらの令嬢はドレスの端にジュースが溢れている位置的に見ても溢したものとは思えない。よし、いけるな。
「お待ち下さい、ゼフィランサス様。私はこの方の証言を信じます。事の一部を見ていましたので。初めまして、アイビー様。私、ファセリア・アベリアスと申します。まずはこれをどうぞ。素敵なドレスにシミがついてしまいますよ」
「あ、ありがとうございます。ファセリア様」
私が差し出したハンカチを受け取りシミを取り始めた。
「事の一部を見ていたとはどうゆう事ですか?」
と、王子が言う。
「そのままの意味ですよ。私はどちらが悪いかしっかり見ましたので」
「では、見たものを説明してもらえますか?」
リアトリス王子がそう言ったので、薄ら笑いのような笑みを浮かべながら事の一部と悪がどちらなのか話始めた。
「私にはアイビー様の罵声は聞こえてきませんでした。ですが、アイビー様がジュースをかけられたところは見ました」
「ちょっと!私はジュースなんかかけてない!」
と、ヒロインが叫んだ。
「あら?誰が貴方のことと言いました。まぁ、いいでしょう続けます。ジュースはドレスの左端に溢れています。アイビー様は先程私のハンカチを受け取りましたが、それは右手でした。アイビー様は右利きなのでしょう。なのでアイビー様本人がジュースを溢したのなら右端に汚れが付きますよね?次に不慮の事故でジュースがかかった場合ですがそれもないでしょう。その場合は近くのウエイターがすぐに動くはずです。このような事態になる直前にアイビー様の近くにいたのは貴方だけですよ……ローズ・ブルーメンブラット男爵令嬢様」
「本当なのですか?」
「え、あ……そう、そうよ!私、突き飛ばされた拍子に持っていたジュースを溢しちゃったのよ!」
リアトリス王子に詰め寄られヒロインことローズは言い訳を始めた。
「そうですか……ローズ・ブルーメンブラット様、1つ聞いてもよろしいですか?」
「何によ?」
「アイビー様に突き飛ばされてローズ・ブルーメンブラット様は倒れたのですか?」
「えぇ、そうよ!思いっきり」
「可笑しいですね……思いきり倒れたのならば何故、腕や手に痣が1つもないのですか?」
「確かに不思議ですね。それに今聞かされたことは証拠はないですが、筋は通っています。どうなのですか?」
そう、言ったのは信じる人間がいないと言い放ったゼフィだった。これぞまさに掌返し!ってこんなこと思ってる場合じゃないわ。
「な…何よ、何よ!この世界は私が主人公なの!全てを手に入れて幸せになるのは私なのよ!」
と、主人公ことローズはそんな捨て台詞を残して帰って行った。てか、主人公は私ってなんなの?普通に痛い子なだけ、それとも私と同じ転生者?なんにせよ要注意人物だな。
「あの、ファセリア様!ありがとうございます。ハンカチは洗ってお返しします」
「あら、ハンカチは差し上げますわ。災難でしたね、アイビー様。私、少し疲れてしまいましたので、お父様が戻り次第帰りますわ。皆様は引き続きパーティを楽しん下さい」
いや〜、完璧!令嬢への対応も野次馬への言葉も大人顔負けでしょ。さて、帰るか。
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