悪役令嬢、家継ぎます!

朝水夜火

おぉ、神よ!1

御報告いたします。私、ファセリア・アベリアス、大型犬に飛びつかれ石畳に頭を打った痛みで前世の記憶を思い出しました。って誰に報告してんだろ。

兎に角、寝よう。私の体は5歳児の体で膨大な情報は処理できないらしく知恵熱を出しました。知恵熱の割に体温が高すぎる、意識が朦朧とする。



 
と、いう記憶が新しい知恵熱を出した翌日です!時計の針はまだ4時を指してる。とりあえず、部屋を探索しようと思う。

天蓋付きのベッド、猫足の椅子、テーブル、机、ドレッサーにソファ。ソファの上にはふかふかのクッション。クローゼットの中には無駄に煌びやかなドレス。そしてドレッサーには前世では絶対に手にできなかったであろう、宝石がついたアクセサリーの品々。

部屋全体はロココ調だし、身につけるものは無駄にたかそうだし。ま、また倒れそう。

ん?これは、この世界の地図か。ブルーメ王国とヴァッサー王国、フォーコ王国。この世界には国が3つしかないんだな。私の住んでいる国はどれだ?

この地図には国旗が乗ってるから何処に国旗があればいいんだけど。にしても此処はファンタジーの世界なのか?国旗に描かれてる動物どう見ても空想世界動物図鑑に出てくる奴らだよな。

ブルーメ王国は背景が赤色で金色のドラゴンが描かれていて、ヴァッサー王国は背景が青色で銀色の一角獣、フォーコ王国は背景が紫色で黒色のフェンリルかな、これは。

小さい頃読んだ空想世界動物図鑑に出てきた動物ばかり国旗に描かれてる。可愛い、空想世界動物って本当に可愛い。じゃなかった、此処は本当になんという国なんだよ!

今、話す事じゃないんだけどさ。この国の名前とこの国旗、前世唯一プレーした乙女ゲームに出てきた国名と国旗が一致してるんだよね。しかも私の名前もその乙女ゲームのキャラとおんなじ名前。まぁ悪役令嬢なんだけどね。

なんだか嫌な予感がするんだけど気のせいだよね。今流行りの悪役令嬢に転生する系のアレじゃないよね。あぁまた倒れそう。

そうこうしているうちに時計の針が6時を指しました。

コンコン、ガチャ

あの、私まだ返事してませんよ?ノックの意味とは。

「おはようござい、ま、す」

「おはよう、スターチス」

「旦那様を読んで参ります」

そういうと彼女は逃げるよに部屋から出て行ってしまった。たしかに何時もこの時間は寝ている私が起きてたらビックリするとは思うけど、だからって逃げることないじゃない!

とりあえず、ベッドにでも座っているか。お父様か、確かこっちの記憶だと明るい茶髪に琥珀色の目の整った顔立ち、程よく鍛えられた筋肉を持つイケメン。




「セリア!よかった、起きたんだね」

噂をすればなんとやら、とはまさにこのこと。あ、ちなみに私はファセリアは長いからセリアと呼ばれているます!ってまた誰に報告してんだろ。

あぁ、見れば見る程パパさんイケメン。ムダ毛なんて一つもないきめ細やかな肌、高い身長にハスキーボイス。こんなイケメンパパの元に生まれるなんて幸せ。

「セリア、体調はもう大丈夫かい?念の為医者を呼ぼうか?」

「え、はい!お医者様は呼ばなくて大丈夫です。ですがまだ少し本調子ではないので今日1日は部屋にいますね」

「あぁ、わかった。あとでお腹に優しい朝食を持って来させるよ」

そう言うとメイドを引き連れお父様は去っていった。

しまった!此処がなんと言う国か聞き忘れた!

まぁとりあえず、髪だけはとかそう。今日1日部屋にいるって言ったから寝巻きのままだけど髪の毛だけはちゃんとしなきゃ。

そう思いドレッサーの前にきて鏡を見て私は息を呑んだ。腰まであるサラサラの銀髪、琥珀色の吊り上がった猫目、ピンク色の唇。この姿は前世唯一プレーした乙女ゲームの悪役令嬢を幼く小さくした姿じゃない!

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