能無しの俺は魔王さんの幹部〜魔王さんは優しい〜

冬 真白

8日目“優しい魔王様”

俺が目覚めた時既に魔王は足を組んで座っていた。
魔王は立派な2本のツノを生やしていて、黒いマントを羽織っている。
顔立ちが良く、ショートの髪型をしている。

「魔王さん、今日は魔物を仲間にしてこようと思います」

「良かろう。我はいつでもここに居るぞ」

「分かりました」

俺は魔王城を出て近くの森の中に入る。
その森は、周りの枯地とは違い腐敗が進んでいないようだった。
つまり、何者かが森の腐敗を止めているという事だ。
俺はその森の中心までやってくると誰か居ないか辺りをウロチョロする。

「あの〜。誰かいませんか〜」

「な、何の用ですか」

俺の前に現れたのは、簡単に手で握りつぶせる大きさのフェアリーだった。

「あ、フェアリーさんですか。おはようございます」

「はい、おはようございます」

「それでですが、仲間を探してるんですよ」

「死神さんがですか?も、もしかして私たちを」

「あ、俺人間だよ!ほらっ」

俺は死神の装備を不可視にして、フェアリーに顔を見せた。

「人間さんだったんですか!それで仲間ってのは何するんですか?」

「えと〜、服を作って欲しいかな?確か、フェアリーは服作り得意だよね?」

「はい!得意ですよ」

「それなら、魔王の敷地に移動してもらいたいんだけど」

「魔王さん最近見かけなかったんですよね、大丈夫なんですか?魔王さん?」

「まぁ、ピンピンしてたよ。多分」

「魔王さんが優しい人ってことは知ってるので、敷地に移動するのはいいんですけど、あの敷地毒に侵されてるんですよ」

「確かに枯れてたな。それどうすればいいの?」

「このすぐ近くで暴れている邪龍なら出来ると思いますけど、すごい横暴な方ですよ」

「魔王さんに相談してみます」

「毒が消えたら私が木々をはやすこと出来るので終わったら言ってくださいね〜」

「分かりました」

俺は森を出て、魔王室に入る。

「魔王さ〜ん」

「なんだ?」

「邪龍って仲間に出来ますかね?」

「力を見せつけるれば良いのではないか?」

「なら魔王さんも行きましょうよ」

「はぁ〜、仕方ない。場所はどこだ?」

「このすぐ近くだそうです」

「曖昧だな。まぁ良い。“魔力探知”」

魔王が、使った魔法に俺の魔力が微かに反応した。

「その魔法なんですか?」

「これはだな、魔力を感知する魔法だ。邪龍の場所は洞窟の中だ」

「聞いたことない魔法ですね」

「我のオリジナルだ」

「オリジナルなんて作れるんですか?」

「神から貰ったのさ」

「もし良ければステータス見せてもらっても?」

「良いぞ」

『ナカザワ・ハルキ』Lv999
種族:魔王
年齢:15歳
性別: 

職業:魔王
称号:魔王の加護“全ステータス+100000”
          慈愛神ヴィーナスの加護“全ステータス+5000”

体力:10000(+105000)
魔力:10000(+105000)
筋力:10000(+105000)
耐久:10000(+105000)
俊敏:10000(+105000)

技能:スキル創造/武器創造/破滅/擬人化/転移/転送/地雷/時空移動/時間操作/反射/吸収/威圧/殺気/召喚/魔法創造
         印術Lvmax/暗術Lvmax/剣術Lvmax

──────────────────
「え?強すぎません?世界破壊できますよ?これ?」

「世界破壊なんてめんどくさいことはせんよ。それでは邪龍の元にゆくぞ」

「あ、はい」

「“転移”」

瞬きする間もなく魔王室からジメジメした洞窟の中に来た。
鍾乳洞が数多く垂れている。

「何者だァァァ!」

「“擬人化”」

魔王は邪龍の問いに間髪入れずに擬人化を使い、黒髪のツインテールの少女に変えた。

「きゃぁぁあ!何すんだァー!!」

「我の配下になれ」

「断る!!」

「なれ!!!」

「はい」

魔王のあまりの迫力に邪龍も、返事をせざるおえなかった。
魔王に直接言われたわけではないのに、俺はすくんで足が動かなくなる。

「“転移”」

俺がすくんでいる間に魔王は邪龍も連れて、魔王室に戻ってきた。

「ところで邪龍よ、名はなんと申す」

「私はハクディオス・メンネール。ネルとでも呼んでちょうだい」

「そうか、ネル。今日から死神に従え。我はここで寛ぎたいのでな」

「死神?もしかしてあのモヤシ?」

「そのモヤシって俺の事言ってるんじゃないよね?」

「そうに決まってるでしょ。他に誰がいるのよ」

「そうだ。そのモヤシに従え」

「魔王さんまで〜!!」

「分かったよ。死神に従えば良んだろ」

「ありがと、じゃあ先ず魔王城の周りの毒を抜いてほしんだけど」

「腐敗の毒か?」

「うん」

「仕方ねーなぁ。やってくる」

「うん、分かった」

ネルは俺と魔王をあとにして、魔王室を出ていった。

「あの、魔王さん」

「なんだ?」

「魔王さんはどうして魔王なんかしてるんですか?」

「成り行きだ」

「魔王さんって優しい感じがあるから魔王なんて似合わないですよ」

「俺だってなりたくてなった訳じゃねえーよ」

「俺?」

「…我だって」

「それが魔王さんの素ですか?」

「チッ。文句あんのか?」

「ないです。魔王さんの素が知れてよかったです!」

「ったく」

「ところで魔王さんが使う変なスキルどうやって手に入れたんですか?特に創造なんたらってやつ気になります」

「はぁ〜。しゃあねーな……」

俺はその後魔王から、これまでの経緯を聞いた。
まとめると─

日本という国で育った魔王、ハルキはトラックに轢かれそうになった少女を身を呈して助けた。
トラックに撥ねられ意識をだんだんと失っていくハルキ。
次にハルキが目覚めたのは白い空間だった。
中央に無造作に置かれた噴水の前に、1人の女性が立っていた。
その女性の名は、創造神メリオダス。
メリオダスは少女を庇って死んだ俺に哀れみをかけ、日本とは違う国に転生してやると言われた。
その時に好きなスキルを最初にあげるよと言われたのでハルキはスキル創造と武器創造を貰い転生をした。
転移先は魔王城で、普通ならどこかの街に転移されるのに魔王がその魔法を介して自らの城によんだ。
ハルキは今の魔王の惨状を見て、魔王を継ぐことを決意して、魔王の加護と共に魔王を継いだ。
だが、魔王は意外と大変で、人間からは懸賞金をかけられるし、仲間もやられちゃうし、平和に生きようとしていたハルキは人間達に1度も手を出していないのに。
そんなこんなでメイビスと魔王だけとなった魔王軍は、息を潜めていたが、ゼスがやって来て、メイビスを瞬殺してしまった。

との事だ。

「あぁ、なんかすいません。魔王さんっていい人なんですね」

「いい人ってのはあれだけどな。まぁ、戦争は嫌いだ」

「戻ったぞ〜」

俺と魔王が話していると、魔王室のドアを勢いよく開けたネルがドヤ顔で立っていた。

「簡単すぎたな」

「ありがとう!助かったよ」

「あ、そうだフェアリー達がなんか近くに木を生やし始めたがほっといて良いのか?」

「うん、フェアリーさんはもう仲間だからね」

「そうか、仲間がおったのか」

「そうそう!てわけで、フェアリーさんに挨拶してくるから」

俺は魔王室を飛び出てフェアリーの元へ向かった。

「フェアリーさ〜ん!」

「人間さんですか?」

「一応死神で通ってるからそっちでよろしく」

「分かりました。死神さん」

「それでなんだけどフェアリーさんの名前は?」

「私はアルです」

「アルね。分かった。ところでほかのフェアリーは居ないの?」

「私一人です。木々が増えれば自然に増えていくので寂しくはないですかね」

「そうか。早く増えるといいね」

「はい」

俺はフェアリーとの話を終えて魔王室に入る。
魔王室はやたらと殺気が漂っていた。

「どうしたんですか?」

「いや〜ネルがよ。殺気を放ってるんだよ」

「魔王が私をネルちゃんとか呼ぶからだよ!」

「仲居んですね」

「そーそー」

「良くないー!」

「あ、そうだ!明日はオークを仲間にしたいと思います!」

「オークか。あの豚は嫌いなんだよね」

「あははっ、豚って」

「豚でしょ」

「まぁ、オーク達に新しい魔王城やフェアリーの家を作ってもらいたいんだよね」

「豚は建築が得意らしいからね」

「日本では豚は四足歩行だぞ」

「何その豚?使えないじゃん?」

「豚じゃなくてオークの話なんですけど」

「あ、そうだったな」

「オーク=豚よ」

「よし、死神、ネル。俺は寝る」

魔王はそう言ってまた玉座から降りて床で寝転がった。

「床で寝る魔王がいるか?!」

「ここにいるが」

「ネルも早く寝よ?」

俺も魔王の横に移動する。

「はぁ〜」

ネルも仕方なく俺の隣に来て、男二人と女一人が川の字に並んで寝ることになった。

布団とかも作った方がいいのかな。

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