モブ貴族は我が道を行く。

シュリ

完璧貴族、悪役令嬢の見舞いに行く

ある日の夜。
アリシア「レオン!とうとう分身魔法が出来たわ!」
レオン「もう!?随分早いね。」
アリシア「フラムの為だもの!性能もバッチリよ!」

分身魔法の性能について
·本体とは別々に動くことができる
·本体に戻ると、その記憶を取り込める
·術者の意識が無くなると消える

レオン「凄いな。」
アリシア「これでフラムのお見舞いに行けるわ!」
レオン「じゃあ、明日早速行ってくるよ。」

翌日。レオンはフラムとラックの邸宅に来ていた。
既に二人は結婚している。フラムは、フラム·ヴィトンになったのだ。
ラック「よく来たなレオン。フラムの部屋はこっちだ。」
レオン「ありがとな。」
ラックは気を利かせたのか、二人きりにしてくれた。
フラム「お兄様!」
レオン「久し振り、フラム。少しやつれたな。」
フラム「大丈夫ですわ。
    それより、アリシアとは上手くいっていますの?
    存分にのろけて下さいな。」
レオン「それなんだが少し相談があるんだ。」
フラム「アリシアに何か不満でもありますの!?
    これ以上は贅沢ですわよ!」
レオン「いや、アリシアが悪いんじゃなくて、
    本当に素晴らしい妻なんだが…」
フラム「歯切れが悪いですわよ。」
レオン「ワガママを言ってくれないんだ。」
フラム「?」
レオン「正直僕は仕事が忙しくてあまりアリシアと一緒にいられないんだ。
    そんな僕に遠慮してかなにも頼んでくれない。
    だから、何をすればアリシアが喜んでくれるのかが分からないんだ。」
フラム「…。愛されてますわね。嫉妬してしまいますわ。」
レオン「フラムの方が愛されてるよ。初めてワガママを言ってきたと思ったら、
    フラムの見舞いに行って欲しいって言われたんだよ?」
フラム「それは、同情しますわ。」
レオン「しかも、行けるようにって、新しい魔法まで開発したんだから。」
フラム「…流石アリシアですわ。」
レオン「僕はアリシアに魔法作って貰ったこと無いのに。」
フラム「今度、アリシアに言ってみますわ。」
レオン「でも、アリシアに迷惑じゃないかな」
フラム「何を言っていますの?アリシアなら喜んで開発するに決まっていますわ。」
レオン「そうだね。あっ、そろそろ日が暮れるから帰るよ。また来る。」
フラム「また相談に乗ってあげますわ。」
レオンはフラムの部屋を出ていった。
ラック「レオン、ちょっといいか?」
レオン「なんだ?」
ラック「実はな…」

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