ハズレ勇者はユニーク魔法と固有スキルで無双する?

ゆう

奈落で

ふぁぁ~
今日も良い朝日だ
もう7時過ぎだがな...


あ、昨日のお風呂の件は一応浴場前まで行ってみたけどやっぱり男湯と女湯別れてて、どっちに行こうか迷ったけど自分の部屋のお風呂に入ることにしました
大きいお風呂...入ってみたかった


まぁ部屋のお風呂も十分に広かったんだけど
とても気持ちよかったです
あと本当に性転換してるんだなって実感しました
あ、変なことはしてませんよ?


てか、治らないと私、結構困るじゃん!
早く治らないかな?
てか、どうやったら治るんだ?
顔とか体とかあんまり変わってないけどやっぱ元の体が恋しいよ


あ、それに今日からは本格的に訓練が始まるって...やっぱ騎士さんとかと模擬戦とかするのかな?
それに何とかスキルを使えるようにならなくては...
頑張ろ!


取り敢えず朝食食べてこよう








今日も神薔薇とも会わず平和に食べれました
今日の朝食はサンドイッチとスープとサラダでした
とても美味しかったです




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朝食を食べたあとはしばらくは自由時間だ
そして朝食を食べたあとは何と言うか予想通りと言うか...


「優すまんな」
「優くん~私も手伝おうか?」


柚葉さんと刀夜が私の部屋に来ていた
何故私の部屋に来るんだ?
しかも二人揃ってだからなぁ
仲いいね~


「いえ、私1人で事足りるので大丈夫です」


それに楽しいからね


さて、切り終えて皿に盛り付けて...よし出来た


「はい、お待たせ~」


「ありがとー。
あ、これさっき食べたものだね」


そうこれはナパの実ではなく先ほど朝食で食べたラクトの実だ
見た目も味も完全にリンゴだ
メイドさんに持ってきてもらった
念のために切り方も聞いておいたがやっぱり向こう(地球)と同じだった


「こんな物しか用意できないけど、まぁゆっくりしていってね」


こんな物とか言ってるけどもしかしたら高級品かもしれないけど
...てか、ここはお城なんだから高級品しかないんじゃ?


と、考えながら二人にラクトの実盛り付けたお皿を手渡す


「いや、普通にケーキとか作るお前がおかしいだけでフルーツでも十分だと思うぞ?」


「そうか?」


う~ん、私が楽しいし美味しいから作ってるんだけど...美味しいし...私は出されたら喜ぶ...美味しいし
甘いものは正義


「え?優くんってケーキとか作るの?」


「うん、作るよ。まぁ趣味みたいな物かな?」


「へぇ、じゃあ休みの日とかに作ってるの?」


「休みの日はまぁおやつとか作ったり裁縫したり家の掃除とか洗濯とか...
あれ?二人ともどうしたの?何か変なものでも見たの?」


(ねぇ、刀夜...優くんって元から女の子だったの?)
(いや、それはない...はずだ...)
((......))


と、今度は二人から元の性別を疑われていた優だった...


「おーい?二人とも?」


あれ?どうしたんだろ?


「あ、あぁ。何でもない」
「何でもないよ~」



まぁ、いいか


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そして、しばらくは話しているとノックがなった


「優様、刀夜様、柚葉様、訓練のお時間です。ご案内いたします」


あれ?もうそんな時間?


「話してると時間って短いな」


ほんとだな


「そうだね~、あ、二人とも行くよ!」


そう言って私たちは部屋を出る


さて、今日から何をするのかな?


「ねぇねぇ優くん、今日はなにすると思う?」


柚葉さんも同じ事を考えていたようだ


「本格的に訓練を開始するって言ってたから魔法を教えてくれたり武器の使い方を教えてくれるんじゃないかな?」


だと、思うけどな




そんな事を話しつつメイドさんについていくと
メイドさんがドアの前で立ち止まった
この部屋が目的地?


「まずは優様と柚葉様にはこの部屋で動きやすい服に着替えていただきます」


動きやすい服ってことは...
やっぱ実戦練習?


「刀夜様はこちらのお部屋へどうぞ」


ん?あれなんで...分けられ...


あっ━━━






あの後は何とか理由をつけて別の部屋にしてもらった
案内された部屋に女子が数人着替えていたそうだ
あのまま入らなくて良かった...
あっ服は普通に迷彩服みたいな服でした
動きやすい


そして今は外の訓練所みたいなところにいる
学校の運動場みたいに平らではなくちょっとデコボコだったり普通に大きめの石まで落ちている
一応戦うと言ったクラスメイトは皆いるみたいだ


そして姫さんと騎士さん達が立っている


「よし全員集まったね」


始まるみたいだ


「まず皆様には魔法グループとと戦闘グループに別れていただきます。それを凡そ1週間で使えるようになってもらいます」


一週間か...短いのか長いのか分からないな


「グループはこちらから指定させていただきます」


まぁ、仕方ないね
それから魔法が使えるものは魔法グループに魔法が使えない又は魔法は使えるけどスキルやステータスが高い人は戦闘グループに別れた


「じゃあ、優くん待たね~」


と、言って柚葉さんは魔法グループの方に歩いていった
まぁ珍しい3属性持ちで魔力も高いらしいからね。くぅ~羨ましい
私も魔法使いたい


私と刀夜と神薔薇は特別メニューらしい
勇者特別仕様みたいだ
ありがたいけど迷惑じゃないかな?


「お前達が勇者か?俺は騎士団団長のネルベだ」
「私は王国魔術師隊隊長のレーンよ。よろしく。1人は女の子なのね、珍しいわね。
そしてこの子ね」


と、挨拶してきた
そこら辺に居そうなおじさん(剣を持ってるけど)とこっちも杖を持った普通のお姉さんぽい人だ


あと私は男なんだけどな...
説明してもな納得してもらえないだろうし...まぁ、仕方ない
てか勇者のために団長さんと隊長さんが教えてくれるのか...頑張らないと


「「宜しくおねがいします」」


刀夜と私は挨拶する


「......早くしてくれないか?」


神薔薇は変わらねぇ


「おぉ~お、そんなにガッツクと女に逃げられるぞ?」


団長さんが神薔薇に笑いながらそんな事を言う


っ?一瞬だが神薔薇がこっちを見た気が...気のせいか?


「まぁ、えぇーと神薔薇くんもこう言ってるわけだし、まぁ始めようか」


団長さんはもうやる気らしい
始まるのか...頑張らなくちゃ


「まず君たちには魔力を感じ取ってもらうよ」


魔力か...魔法を使うのか?


「魔力はスキルにも使うからな魔法だけじゃないぞ」 


え?私の心を読んだのか?


「ここからは私が説明するわ」


レーンさんが出てきた
それと入れ違うようにネルベさんは練習場から出ていった
あれ?挨拶だけ?
まぁあの人は思いっきり剣を持ってたから武器の扱いを教えてくれるみたいだし今日は魔法を教えてくれるってことかな?


「まぁ細かいことは後々言っていくわ、取り敢えず魔力操作位は出来るようになって欲しいわ」


魔力操作...確か柚葉さんが持っていたな
魔法の威力が上がったり消費魔力が少なくなったり体から離れた魔力を操れるんだっけ?


「これは魔法の威力も上がるし魔法やスキルを使うときに消費魔力が少なくなるわ」


あれ?


「あのー、すみません。確か体から離れた魔力も操れるって聞いたのですが」


「確かに魔力を操って離れたとこから魔法を放つ事も出来るわ。けどしっかり計算しておかないと自分に当たるし魔族や魔獣は魔力を感知できるから不意打ちも出来ないからあんまり意味はないわ」


なるほど
てか、さらっと出たけど離れたところからも魔法を打てるんだ


「じゃあ早速...と行きたいところなんだけど貴女でしょ?魔法もスキルも使えないのは?」


ですよねー、そりゃあしっかりと情報は聞きますよね


「悪いことは言わないわ、貴方は大人しく待ってなさい」


確かに私は今のままだと足手まといだ
自覚はある


けど、強くなれる可能性がまだある


「死ぬわよ?
もう一度言うわ悪いことは言わないわ皆を待っときなさい」


「...嫌です」


「理由は?」


「確かに私は足手まといです、けど今なら強くなれるかもしれない!それに皆が戦っているのに逃げれません」


「...もしダメだった場合は?」


「その場合は素直に待とうかと思います」


「そう、じゃあいいわ
ただ1つ言っておくわ。魔法は先天的に使えるもので後天的に使えるようになることはほとんど無いわ」


「ほとんどって事は使えるようになるわけですね?」


「確率はゼロに近いわよ?」


「分かりました、頑張ります」


私がそう言うと、隊長さんは私を見つめていたが、すぐ


「分かったわ、私もできる限り応援するわ」


と、言ってくれた
良かった、無理やり帰らされるとかはなかった


「じゃあ早速だけど。
まず、魔力の感じ方だけど目をつぶって体の中を調べてみて体の中心くらいに何か無い?」


わぁ~凄っごく抽象的
まぁやってみようか


むむ...


あっ、あった!
何かこう...胸のとこが暖かい...
結構簡単に見つかったな


「その様子だと全員見つけれたみたいだね。早いわね」


そう言われ2人を見てみると2人とも胸を押さえて顔に笑顔を浮かべていた
恐らく私も二人と同じように笑みを浮かべていただろう


「で、それをそうね...右腕の方に動かせるかしら?」


むむ...


こ、こうか...
イメージはお湯みたいな感じかな?...


「出来たみたいね」


そう言ってレーネさんは神薔薇に方に向く
神薔薇はもうできたのか?


「これを殴ってごらんなさい?」


そう言って太っとい丸太を取り出した
...どっから取り出した!?


そして神薔薇は「は?」見たいな顔をしている、皆そうする


「まぁまぁ騙されたと思って」


そう言いつつレーネさんは、太っとい丸太を神薔薇の前に置いた
太い絶対に直径1メートルはあるよ
殴ったら手がイっちゃうよ


そして神薔薇は覚悟を決めたのかてを振りかぶって...
え?まじで殴るの?


バキッ


木にクレーターが出来た


...嘘だろ?


刀夜も私も殴った本人ですらマジかよ?って顔をしている


「うーん、最初にしては筋は良いけどまだまだね」


こ、これで?


「まぁ体に魔力を通すと身体強化にも及ばないけど中々に体を強化できるはずよ」


マジか...けどこれで武器を使えるようになったらまぁまぁ戦えるのでは?


「魔力操作は練習あるのみだからね、空き時間にしっかりと練習するのよ?」


少しでも寝る前にでも練習をしておこう


「じゃあ早速だけど、魔法を使ってみようかしら」


詠唱とか覚えなきゃいけないのかな?


「さて、まずは魔法の発動方法について簡単には説明するわね。
そうね、貴方たちの世界にはパズルってあったのかしら?」


パ、パズル?


「えぇ、まぁありました」


そう困惑ぎみに答えると


「それじゃあ説明が省けるわね」


魔法を使うのにパズル?


「まぁ、覚えやすいようにするためのイメージだから、後から自分の思うようにしてくれたらいいわ」


「分かりました」


なるほど、確かに何事も最初イメージしにくいもんね
分かりやすく教えてくれるのならありがたい


「そうね、まず魔法を使おうと思ったら頭の中にある本棚から使いたい魔法を取り出して本を広げる
すると、ぐちゃぐちゃになったパズルみたいなものが出てくるわ
そこに頭の中に詠唱する言葉が出てくるわ、詠唱をするとどんどんピースがはまってパズルが完成する。するとそこに魔法名が現れて、その魔法名を読むと魔法が発動する。みたいな感じよ」


なるほど、確かに分かりやすい
まぁ、イメージらしいし魔法の発動方法は他にもあるのだろう


「すみません質問です」


刀夜がレーネさんに質問をする


「何かしら?坊や」


ぼ、坊や?


「確か詠唱破棄とか詠唱短縮みたいなやつがあったはずですが具体的にはどんな効果があるんですか?」


確かに気になる


「そうね、詠唱短縮はパズルをはめるスピードが上がる。
詠唱破棄は本を開いたときから元からパズルが完成している。
無詠唱は本を手に取りその魔法を発動するかイエスかノーで発動みたいな感じよ」


なるほど意外と簡単?


「じゃあやってみましょうか!
えっと刀夜くんは光魔法が使えるんだっけ?
それと神薔薇くんは光魔法と火魔法だったけ?」


良く覚えてるな


「まず私がお手本を見せるわ」


おぉ、隊長さんの魔法!


「少し離れてなさい」


そう言われ隊長さんとの距離をとる


「そこでいいわ
我が身を巡りし魔力よ!我が右腕に集まりて敵を討て!ファイアーボール!」


手に火の玉ができそれが目標まで飛んでいき爆発した
魔法すげぇ...とはならなかった
理由は簡単......想像以上に詠唱が厨二だった
2人とも同じ考えみたいで顔をしかめている
魔法を使えても唱えたくないなぁ...


「今のが魔法よ、火魔法LV1で覚えられるファイアーボールよ。
貴方達二人は魔法は使えるんだからしっかりと使いこなせるようになりなさいよ。
あとほんとは呪文を唱えるには杖とかの魔力媒体があれば魔法を打つ時に魔力の消費をほんの少し抑えることができるわ」


再度思うけどな、覚えたいけど使いたくねぇ...


「じゃあ神薔薇くんやってみようか」


「...っち」


舌打ちしつつも唱えようとするんだな
私だったらやだな


「...我が体を巡りし魔力よ!我が右腕に集まりて敵を討て!ファイアーボール」


すげぇ言った
そして隊長さんのと比べると小規模な爆発が起きた


「あら?やっぱり貴方は中々筋がいいわね?鍛えがいがありそうだわ」


「...自分でやる」


「連れないわねぇ」


「じゃあ次は刀夜くんよ」


「あっ、はい!」


刀夜...元気だな


「貴方は光魔法だから...そうね」


隊長さんはそういうと急にナイフを取り出して手のひらを薄くなぞった
少しだが血が滴る


「な、何をしてるんです!?」


刀夜が声を荒げる


「私に向かって呪文を発動しなさい。光魔法は回復がメインよ」


「え?あっはい」


そう隊長さんに言われ刀夜が呪文を唱えようとする


「...えぇーと
我が身を巡りし魔力よ!その者の傷を癒したまえ!キュア!」


と、刀夜が言うとみるみる隊長さんの手の傷が消えていく
凄い...


「貴方も中々筋がいいわね?期待できそうだわ、見て分かる通り光魔法は回復と浄化に特化してるわ」


魔法...やっぱり便利だな
まぁ魔法は才能みたいなものらしい私は魔力操作やスキルを使ってせめて戦えるようにはなりたい


「後、1つ言っておくわ、魔力を使いすぎて魔力がゼロになると気絶するわ。これからの訓練の時も気を付けなさい。後、今ステータスプレート持ってるかしら?持ってたら出してみなさい」


そう言ってポケットに入っていたステータスプレートをレーネさんに手渡そうとした


「渡さなくていいわ、自分でご覧なさい」


そう言って刀夜がステータスプレートに目を落とす


ついでに私も見せてもらおう


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名前:夜桜 刀夜
年齢:17
性別:男
レベル:1


体力:148/148
スタミナ:115/109
魔力:95/85


力:120
防御182
素早さ86


固有スキル
・勇者


ユニークスキル
・限界突破


エクストラスキル
・剣技LV2・自動回復LV1


ノーマルスキル
・剣術LV2・気配探知LV2・魔力探知LV2・言語理解


魔法
・光魔法


称号
・異世界人・選ばれし者


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あ、魔力が10も減ってる
それにスタミナも5減ってる


結構、減るんだな~


「今日はこれでおしまいね、もし魔力操作の練習をするのなら体の中で循環させるように練習するといいわ。それなら魔力は減らないわ。魔力を体の外に出したら魔力は減るから気を付けるのよ」


よし、私も頑張って練習しよう


「午後から自由時間にするわ、しっかりと回復しておくのよ。
あと、私の許可なく魔法を使うのは禁止するわ、覚えたての魔法でも人を殺せる威力があるわ。絶対に気を付けなさい、この訓練所なら魔法の自主練してくれて構わないわ。
じゃあまた明日の10時の鐘までに集合ね」


そう言ってレーネさんは去っていった
神薔薇も私を一別して歩いていった


...魔法を私に向かって放ってこないよな?


「優はこれからどうするんだ?」


「私は魔力操作の練習をして午後からはちょっと図書室みたいなところがないか教えてもらってあれば勉強でもしようかな?刀夜はどうするんだ?」


「勉強って...優らしいな。で、俺の予定か?俺は部屋で少し休憩してご飯食ったあとはここで自主練かな?」


「そうか、じゃあまた後でね」


「おう、待たな!」


そう言って元気に走っていった


さて、私は少しだけ魔力操作の練習を...私も魔法を使ってみたいな


確か...頭の中に本棚があるイメージで...
って出るわけ...






あれ?




何か出てきたんだけど?




あれ?




...念のため私のステータスプレートも持ってきとこ━━━━


大急ぎで部屋にダッシュだ




はーはー
着いたぁ、でステータスプレートはどこにやったっけ?
あったあった


あれ?やっぱり何も変化がない


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名前:一 優
年齢:18
性別:女
レベル:1


体力:60/60
スタミナ:50/47
魔力:60/60
力40
防御45
素早さ40


固有スキル
・勇者


ノーマルスキル
・言語理解


称号
・異世界人・選ばれし者


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大急ぎで自分の部屋に戻ってステータスプレートを確認してみたが変化なし...


けど頭の中に本棚みたいなものがついでにそこに一冊本が入っている
つまり魔法が使える!?
それともただ単に私の妄想?


...試してみますか


すぐさま訓練所にトンボ帰りだ




着いた、地味に部屋から遠いの何とかしてほしい
まぁそれよりは魔法が使えるかだ
よし、では早速...
本を開いて見ると教えられたようにパズルのピースみたいなものが出てきた
イメージイメージ...


詠唱する言葉みたいなのか頭の中に出てきた...
こ、これを詠唱するのか...
......二人ともよく言えたな...恥ずかしい


まぁ、そう言っても仕方ない
じゃあ、的は...
あったあったあのちょっと大きめな石に向かってぇ...


「我が身を巡りし魔力よ、眼前にある物質を消失させよ!ヌラム!」


......


音もなく石が消えた!?
もしかして私も魔法が使える!?


けどステータスプレートは...


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名前:一 優
年齢:18
性別:女
レベル:1


体力:60/60
スタミナ:50/43
魔力:60/20
力40
防御45
素早さ40


固有スキル
・勇者


ノーマルスキル
・言語理解


称号
・異世界人・選ばれし者


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魔力が20まで減っている
やっぱり魔法!?


けど、魔法の欄には魔法の魔の文字すらない...ステータスプレートのバグ?


...もう1回唱えてみたいけど魔力が尽きると気絶するって言ってたし...
てか、もし魔法なら1回40も魔力使うのか...てか、体が重い、魔力が少なくなるるのもダメなのかな




色々分からないことだらけだな
調べるか━━━




その前にご飯食べて寝よう...
体がダルい...
そうと決めたら早速食堂にGO






食堂に行くと訓練を終えたのかほとんどのクラスメイトがいた
てか神薔薇が居ない
てか食堂で神薔薇を見た気がしないんだが...どこにいるんだ?そしていつご飯を食べているんだ?


まぁ、私もなるべく会いたくないけど


さて、今日のご飯は...
パンとお肉とサラダとスープ...そしてフルーツ!
普通だね
フルーツいっつもあるね
いや、ここはお城だ。普通に見えて値段を聞くとやべぇ値段だったりするかも...
てか、絶対そうだ




考えるのは止めておこう...


まぁさっさと食べて調べ事をしよう






あの後、柚葉さんが私の隣の席に来て食堂が針のむしろになるのは最早テンプレと化していた
てか何で私の隣にくるんだ
分からないことばっかりだなぁ


そしてご飯を食べたあと一時間ほど仮眠をとった


さて、午後からは自由時間だ
図書室みたいな部屋はあるかな


「メイドさんいらっしゃいますか?」


「お呼びですか?」


...えぇ、ホントに居たよ
アザレアさん...怖いよ


「え、えっと何か調べ事が出来る部屋と言うか図書室みたいな部屋はありますか?」


「はい、ではこちらへどうぞ」


そう言って歩いて行く
途中メイドさんについていくクラスメイトとすれ違った。
お城が広いからか全然会わないんだよね
てか、メイドさんの顔レベル高いな


そんな事を考えていたらもうついたようだ


「こちらが図書室でございます」


「有難うございます」




さて、調べますか...
扉を開けるとそこはかなりの広さだったしかし本しかなかった


それも大量に...ぱっと見て500万冊くらいはありそう


...こうゆうときは無理して探さずに司書さんに聞きましょう


どこにいるのかな?


居た居た、少女がカウンターみたいなところに座って本を読んでいる
多分司書さんだと思う
けど司書さんにしては少し若い気がするけど、私たちと同じくらいの年齢かな
眼鏡に白衣の三つ編み少女だ


それよりこっちの世界の図書室もあんまり変わらないんだね
こっちの世界は本当に科学の代わりに魔法が発達しただけみたいだ


「すみません、この図書室の司書さんですか?」


「................(コクッ)」


そう声をかけると本を読むのをやめて頷いた


「ではすみません、魔法に関する本とかありませんか」


「....................こっち、着いてきて」


そういって着いていく
...なんか私って着いていくことが多い気がする
まぁ、分からないことだから仕方ない


そして着いたみたいだ


「...ここの区画が全部」


....ゑ?


なんか本棚が30列位並んで1列に本棚が10個くらい並んでるんですけど...まさかこれ全部?


「.......これ全部が魔法に関する本がおいてある本棚」


.....うそん


「えぇーと、因みに何冊あるのでしょうか?」


「953,502冊」


.....探すのは無理だね


「あのー、もし良ければ素人でも読めて魔法について理解できる本をを10冊位、厳選していただけないでしょうか?」


あ、流石に司書さんでも953,502冊何て覚えてないかな?


「.............分かった、あそこの机で待ってて」


そう言って部屋の中心にある机を指差す


「分かりました」


仕方ない任せよう


てか、本当に本しかないな
全部で何冊あるんだ?
...てかあの司書さん
まさかここにある本全部覚えてるのか?
ま、まさかね




そうして待つこと2分ほどすると司書さんが分厚い本を10冊持ってきた


「有難うございます」


「........返すときは私がいるカウンターに置いてくれればいい」


「分かりました、あの質問なんですが、ここには何冊の本があるのでしょうか?」


「6,138,992冊」


..........6,138,992冊?


「ぜ、全部覚えてるのですか?」


「.............(コク)」


ま、まじかよ...禁書○録もビックリだ


「それを、全部覚えてるのですか。凄いですね」


私がそう言うと、司書さんは小声で「ありがとう」と言って、元のカウンターの方に歩いていった


6,138,992冊かぁ~全部覚えるなんて私には30年かけても無理だと思う


だから、私は誰せめてこの10冊は覚えたいね


さて、早速




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見つからない
魔法については色々分かったけど、物を消すみたいな魔法については無いみたい


ま、まぁ色々なことが分かったし。ざっくり新しくわかったことは下位魔法と上位魔法には絶対的に差があったりするらしい、例えば火魔法はホントにただの火だけど上位の炎魔法になると炎が青くなったり炎が質量を持ったりするらしい
炎が青く..つまりかなりの高温になるのか...それに質量まで...つまり火魔法で槍を作って敵に投げても相手は燃えるだけだが炎魔法で槍をつくって投げたら本物の槍みたいに刺さるって事か?


なにそれ怖い
質量保存の法則を完全に無視してるよ


あとは魔法のレベルが上がると魔法を覚えるのと別に魔法は自分で創造した固有魔法って物があるらしい
オリジナル魔法とも言うらしい(こっちの呼び名の方が有名みたい?)


あとは一応今分かってる魔法の詠唱もしっかりと覚えたし


私の唱えた魔法なんだったんだろ?


とりあえずこの本たちを返すか


「あ、有り難うございました」


「............魔法についてはわかった?」


「はい、よく分かりました」


「......そう、なら良かった」


そう言って私は図書室から出た


司書さんは無愛想ながら中々良い人だったな
10冊厳選っていう無茶振りも聞いてもらえたし


さて、もう六時の鐘がなったし今日はご飯食べて魔力操作の練習をして風呂入って寝ようかな?


本読んで結構疲れたからよく寝れそうだ




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あれから1週間たった、神薔薇にも暴力は振るわれず比較的に平和な1週間だった
一応図書室で調べ事(この1週間の内、空いた時間があればスキルとかこの世界の魔道具など色々調べたりした)をした次の日は予想通り武器の練習だった
団長さんに色々手解きして貰ってそして見習い用の剣も渡してもらった(刃を潰してある)
因みに私も刀夜も神薔薇も剣を選んだ、槍とかあったけどやっぱり男なら剣でしょう


え?今は女だろって?
知らんな


そこからみっちり武器の扱い方や魔法の操り方、スキルなど教えてもらって何とか使いこなせるようになって、そして一昨日からスライムやゴブリンを倒すようになった、武器とか魔法の反復練習も良いけど、この世界で強くなるならやっぱりレベルを上げることらしい


ゴブリンについては人形ひとがたで皆、1週間たったとはいえいままで平和な世界で血とは関係ない生活をしていたか、殺人への忌避で中々倒せなかった


まぁ、お前やれよとか言ってる内に神薔薇が魔法で倒したんだけど...今のところは見たモンスターはスライムとゴブリンだけでゴブリンを倒したことがあるのは神薔薇だけだ


私も頑張ってスライムを倒してレベルを上げてみた


その結果がこれだ


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名前:一 優
年齢:18
性別:女
レベル:7


体力:80/80
スタミナ:62/62
魔力:90/90
力62
防御58
素早さ50


固有スキル
・勇者


エキストラスキル
・魔力操作LV1


ノーマルスキル
・剣術LV2・魔力感知LV1・言語理解


称号
・異世界人・選ばれし者


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レベルも7まで上がってちょっと強くなった
でも、性別はそのままだった
早く治ってくれ!
それと、魔力操作の練習をしていたせいか魔力もまぁまぁ高くなった
それに一応隠れて謎の魔法を練習していたからかなり使いこなせるようになった1回の発動魔力も30まで減ったから今は3回まで使えるけど魔力が無くなったら気絶するから2回が限度か...
練習して分かった事は私の魔法は物質を消せるみたい
そして隊長さんにそんな魔法が無いか聞いてみたけどやっぱりそんな魔法は無いみたいだ


何故、今そんな事を考えているのか


理由は今、正に神薔薇と模擬戦をする前だからだ




Q...どうしてこうなった


A,団長さんと隊長さんが模擬戦しようといったから


確かにモンスター(スライム)になら勝てるようになったけど人との模擬戦は早い気がするよ


もう、竹刀受け取っちゃて神薔薇と対面して、団長さんと隊長さんが見ている前で「あ、まだ早いと思うので止めます」なんて言えないよ


くそぅ、それに試合前に神薔薇のステータスプレート見せてもらったけどあれだぞ




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名前:神薔薇 明光
年齢:18
性別:男
レベル:9


体力:480/480
スタミナ:500/500
魔力:469/469
力:283
防御:235
素早さ:209


固有スキル
・勇者


ユニークスキル
・瞬光


エクストラスキル
・身体強化LV2・鑑定LV3・剣技LV2・魔力操作LV2


ノーマルスキル
・剣術LV3・体術LV4・物理耐性LV2・魔法耐性LV1・威圧LV4・言語理解


魔法
・火魔法LV2
・光魔法LV2


称号
・異世界人・選ばれし者


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こんなんチートや、チーターや!
勝てる未来が見えないんですが、ステータスの成長率おかしいでしょ
それにスキルのレベル高ぇまさか、食堂で見なかったのは隠れて練習してた!?
以外と努力家なの!?


いや、まだ慌てるような時間じゃない
ステータスプレートのバグか知らないけど私のステータスプレートにはあの謎の魔法が表示されてない。つまり私が魔法を使えるとは思ってないはず


そう思っているとに団長さんがルール説明を始めた
「どんな手を使ってもいいから相手に1回の攻撃を当てた方が勝ち
魔法の使用は相手を殺さないようになら使用可能」
っ言った
絶対、神薔薇は私を殺す気で魔法打ってくる


さて、作戦だか多分神薔薇は初めから魔法を打ってくるだろう
てか、打ってこなければ負ける
打ってくるであろう魔法を私の魔法で消す
そこで特効で仕掛ける


「じゃあ始めるぞ...両者準備、始め!」


今、私と神薔薇の距離は凡そ10m、私は初めの合図と共に詠唱を開始しつつダッシュ!


「我が身を巡りし魔力よ!火の槍を作りて敵を貫きたまえ!」


これはファイアーランスか、槍の形をした火ってだけだ


上位の炎魔法になると質量を持って青い炎になるらしい
怖すぎる


「ファイアーランス!」


「我が身を巡りし魔力よ!眼前にある物質を消失させよ!無」


ここで消えるはずのファイアーランスは消えずにそのまま私に向かって飛んできた


なっ!


魔法が発動してない!?


ヤバイ


ここで止まるのはマズイ
こうゆうときは斜め前に飛ぶ!


何とかファイアーランスはかわせた、けど何で魔法が発動しなかった?


いや、そんな事を考えている暇はない
素早く剣を構えて正面を向く
その瞬間右から(・・・)手に向かって竹刀が振り下ろされるのが見えた


や、やばい!


そう思ったときには腕に激痛が走っていた


っ...腕が


前に居たはずなのに、瞬光か?...そう考えながら痛みで手を押さえていると


「ハズレはハズレらしく、おとなしくしていろ」


神薔薇がそう小声で呟いた
くっ...神薔薇は自身は太陽の影で見えないが、その影の形で今、竹刀を振りかぶってるのが見える


殺られる...


「はい、そこまで」


いつの間にか団長さんが神薔薇の後ろにいて肩を掴んでいた


よ、よかった


「1発入れた方が勝ちっていうルールだ、お前はもうすでに1発入れた、それ以上追撃するならお前は反則敗けだ」


そう団長さんが言うと神薔薇はこっちを睨み付けて待機席の方に戻っていった


「腕は大丈夫か?」


「だ、大丈夫じゃないです」


「どれ見せてみろ
ふむ、こいつは折れているな」


くそぅ、神薔薇め!ちょっとは手加減しろよ!殺されるかと思ったよ
いや、実際あの目は本気だった


「トウヤくんちょっと来なさい」


団長さんが大きい声で刀夜を呼ぶ
因みに刀夜は既に神薔薇と戦って負けている


「何ですか?」


「優ちゃんの傷を治してあげなさい」


団長さんも隊長さんもちゃん付けで呼ぶの止めて欲しいなぁ


「え?あ、分かりました」


「我が身を巡りし魔力よ!その者の傷を癒したまえ!キュア」


「ふむ、中々魔法も操れるようになってきたな」


あ、そういえば私の魔法...発動しなかった...


「あ、有難うございます」


「神薔薇くんは性格に難が有るが実力では中々筋が良い」


隊長さんも同じ事を言ってたな
てか、性格が悪いってバレてるのか


「これなら奈落に行っても1階でなら練習ができるな」


とんでもない爆弾発言だった


「奈落ってあの奈落ですか?」


奈落とは迷宮の名前だ


迷宮について説明すると魔力を持つ生物が死んだときは魔力は霧散し魔素に戻り空気中を漂うが、たまに霧散せずに回りの魔素を取り込み魔力の塊が出来ることがあるそれが風などで漂い偶然洞窟などに入る。
普通ならそこに魔力に反応した魔獣などが来て魔素を吸いとったりするのだが運が悪く魔獣などに吸い込まれずにそのまま、ほっといとくと意思と言うか思考力が芽生え今まで吸いとった魔力などを使い、自分が成長するために魔獣などを生み出し中に入ったものを殺すモンスターを生み出し。殺した者の魔力を自分の物にするダンジョンになる
それにダンジョンが洞窟そのものを改造しトラップなどが設置されるらしい


そして、奈落は吸いとった魔力が多いのか、かなりの強敵が出てくるらしい


ダンジョンにもランクがあって低い順にE,D,C,B,A,Sとなっている


奈落はS、かなりの達人でも油断すると簡単に死ねるレベルだ
後、奈落は二つ名みたいな物で普通迷宮に名前は無い、本当に脅威となると迷宮に名前がつけられるらしい
他には終焉エンドとか欺瞞ディセェプティヴ
by図書室の本の知識より


そこに練習として行くだと?
確か5ヶ月程前に出来て、まだ全然攻略されてなくて今は14層までしか解ってないって...


それに今の模擬戦を見てその結論!?


「危なくないんですか」


刀夜の質問もよく分かる
達人でも油断すると簡単に死ねるレベルの強さのモンスターが出てきて、まだ完全に中が解明されて無い迷宮にバリバリの初心者が行くんだからね


「連携の練習もしたしこの国の騎士団も一緒に行くから第1層なら大丈夫だ」


団長さん...大丈夫じゃないです


「もっとレベルの低い迷宮に行かないのですか?」


「マージンは十分すぎるほど取らせる、騎士団の精鋭もつかせる」


「それでも大丈夫なんですか?」


刀夜の言うとおりだ
てか、なぜ奈落なんだ?
ちょっと遠出すれば確かCランクの迷宮ががあったはずだけど


「安心しろ、俺も着いていく、それにS級迷宮でもしっかりと連携を取ればお前たちだけでも一回層なら十分勝てる
お前らの仲間には俺から言っておこう」


もう決定済み!?しかも明日!?


「お前らは今日は休んでおけ」


そう言って団長さんは歩いていった


まぁもう5時の鐘がなると思うし、よしご飯食べようかな


「刀夜、私はもうご飯食べるけど」


「おう、じゃあ俺も一緒に食べるよ」


ご飯を食べた後はなぜ魔法が発動しなかったかの検証だな
 

そうして食堂に向かう


まだ、人はあんまりいないみたいだ


あっ!神薔薇が居る
食堂で初めて見た


取り敢えず端っこの方で食べよう


今日は麺だった
こちらの世界にもうどんとラーメンはあるみたい
今日はうどん、やっぱり美味しい


神薔薇が居るけどけど今のところは平和だ


けど、こうゆうときに限って...


「あ、優くん一緒に食べよう」


やっぱ...っ!?今までとは比較にならない視線と言うか殺気みたいなのが...


神薔薇か!?
と、視線を神薔薇に向けると





目に光がなかった


「あ、ごめんなさい柚葉さん、私はもう食べてしまったので部屋に戻りますね」


「あ、うん分かった」


取り敢えず部屋に戻ろう


━━━━━━━━━━━━━━━━━━




はぁはぁ...
なんとか部屋に着けた
あれは、本物の殺意だった
本気で私を殺す目だった...


私の謎の魔法の事も調べたかったが
き、今日は部屋でゆっくりしよう








ふぅ~


神薔薇...あの目はヤバイ
なぜ、あんなにも私に敵意を?


取り敢えず関わらないようにしないと


それにしても私の魔法なぜ発動しなかったんだろ?
やっぱり私は魔法が使えない?
いや前に使ったときは物が消えたのは事実だし
ステータスプレート見て見るか


あ、食堂に忘れた...


......もうあれから2時間くらいたってるし神薔薇ももう居ないよね


警戒しながら行こう
それに警戒しといて損はない


食堂は1階だ


さて、早速食堂に向かうか
流石にもう居ないと思いつつも中を覗く
さすがに居ないか


食堂に入ると騎士さん達がご飯を食べていた


今は8時くらいだけどこんな時間に食べているんだ


「お疲れ様です」


「お、お疲れさん、優ちゃんは何しにここに?もうごはんは食べたんだろ?」


団長さんや隊長さんが優ちゃんなんて言うから団員さんと隊員さん...皆さんから、てかお城に居る人ほとんどの人にそう呼ばれるようになってしまった


「いえ、忘れ物を取りに来ました」


「そうか、そういえば明日は奈落にいくんだって?」


情報早いなぁ


「はい」


「まぁ今の君たちならしっかり警戒して本気を出せばとりあえず1層くらいのモンスターなら倒せるだろ。気を付けろよ」


「忠告有難うございます」


さて、ステータスプレートは...あったあった
一番端の机の下の物を置くとこみたいなところに置いてあった


確かめてみたけど相変わらず魔法の欄は無し魔力も減ってない
やっぱりあの時発動出来てなかったのか...
ちゃんと詠唱も魔法名も言ったはずなのに


...何なのかな?


それとも私の思い違い?


まぁ、良い部屋に帰ってから考えよう
さて、部屋に戻ろう


私の部屋は階段を登って廊下を右に曲がって真っ直ぐその後は...長い


階段も無駄に長いし...
やっと上り終えた...ふぅ


上り終えたとたんに後ろに衝撃が
何とか受け身を取ってすぐ後ろに振り向く


「よう、ハズレ、待ってたぜ」


か、神薔薇!?


「なっ!」


マズイ前回ですら蹴られて骨が折れたたり今日も模擬戦で腕を折られたり...
あれ?あんまり変わってない?


「言ったよなぁ?ハズレ、近づくなって痛め付けてもご飯を一緒に食べたり部屋に連れ込んだりするなんて余裕だなぁ?」



なぜそこまで知ってる
それにそこまで分かってるならなぜ今日まで手を出さなかった?


「まったくなんで、柚葉様は俺じゃなくてこんなハズレの側にいるんだ?」


それは私が聞きたいんだけど
なんて、場違いに考えていると


「けど、現実世界から脱出させてしまえば会えなくなるよな?」


ゑ?嘘だろ?


「我が身を巡りし魔力よ!」


は?詠唱?


「ちょっと、嘘だろ?おい」


「火の槍を作りて敵を貫きたまえ!」


や、やばい、こいつはガチだ
間に合え


「我が身を巡りし魔力よ!眼前にある物質を消失させよ!」


頼む、今発動してくれ!


「ファイアーランス!」


くそ!発動してくれ!


「無!」


私が魔法名を唱えるとなんの音もなくファイアーランスが消失した


よ、良かった
発動してくれた


「......おい、貴様、今何をした?」


私がファイアーランスを消して少しどうようしてるのか?
それに魔法だとは気づかれてないか


「我が身を巡りし魔力よ!我が右腕に集まりて敵を討て!」


くそ、今度はファイアーボールかよ


「我が身を巡りし魔力よ!眼前にある物質を消失させよ!」


「ファイアーボール!」


「無!」


ファイアーボールもファイアーランスと同じ結果になった


「貴様!いったい何をした!」


くそっ、魔法とは気づかれてはないが私もこれ以上発動できないこれ以上は発動できない


ゴハッ!


くそ魔法が聞かないと思って物理攻撃か
痛ってぇ


ウグッ


「ハズレのお前が俺に勝てるわけないだろ、どんなトリックを使って魔法を消したのかは知らんがステータスなら勝負にならねぇよ」


神薔薇の拳が容赦なく私の体にダメージを与えてくる


「そこで何をしている?」


「チッ...またか...」


良かった
神薔薇が走っていってしまった
なんかデジャウだけど


「魔法を発動した事を察知したから来たのだが、何もないみたいだな。俺の勘違いか?」


そう言ってきたのは魔法師隊の隊員さん
キョロキョロ回りを見回しながらやって来た
まぁ、魔法は神薔薇も発動してるから間違いではないけど




「えぇーと、ユウちゃんのだっけ?大丈夫かい?おや?怪我してるのかい?治してあげよう
その者の傷を癒したまえ!キュア」


「あ、有難うございます。大丈夫です」


「良かったら部屋まで送ろうかい?」


「いえ、大丈夫です。お気遣い有難うございます」


「ははは、そんなに固い言葉使いじゃなくて良いよ。何があったか知らないけど1人で戻れるんだね?気を付けて戻るんだよ」


お城の中とはいえあいつが居るからなぁ


「有難うございます。では、お休みなさい」


「うん、お休み」


その後はなんとか無事に部屋まで戻れた
ふぅ、あの時私の魔法が発動してなかったら私は死んでいた...
なぜ、さっき発動して模擬戦の時は発動しなかったんだろ?
けど、今は助かったんだから良いか...


ベッド最高...




━━━━━━━━━━━━━━━━━━






昨日は部屋に入った直前からの記憶が曖昧だ
よっぽど眠かったんだろう
それに今日は結構早く起きれたなぁ
目覚めは良好


さて、目覚めは良くても今日は奈落に行く日
本当に大丈夫かな?


まだ、私たちはゴブリンかスライムか騎士さんとクラスメイトの模擬戦しか戦闘経験が無い...


私が読んだ本では、奈落に出てくるモンスターはスライムなども居るらしいがスライムだと舐めているといけない
スライムはスライムだけど超高速で動き魔法も使う。防御面では魔法はあまり効かず物理攻撃に至っては完全に無効化するらしい(普通のスライムは物理攻撃も効くしもちろん魔法も通用する。そしてスライムを倒すには、そのモンスターのコアつまり魔石を破壊すると倒せる)


もうここまでくると、このモンスターはスライムと呼べるのだろうか?


そんなモンスター相手に闘って勝つ?
勝てるのだろうか?
スライムでもチートなのに?


そう、このスライムでも奈落のモンスターの中での最弱らしい


まぁ、経験値は美味しいらしい




おっと色んな事を考えていたら7時の鐘だ


さっそくご飯を...と、行きたいところだが。神薔薇が居たらどうしよう?


う~ん
行き帰りを最大限警戒して行こう
流石に食堂の中、皆の目がある前では手は出さないだろう


...一応何時でも私の魔法(?)の詠唱が出きるように準備しとこう


良し、行こう


ドアを開けて廊下を見渡す
居ないよね?居ないよね?


味方に問答無用で魔法ぶっぱなされるとか恐怖だよ


さて、無事に食堂まで無事に...


居る...


ま、まぁ皆も居るし大丈夫かな?


......こっちを睨んでる?
気のせい?


「どけ、ハズレ」


え!?


「じゃまだ」


あれ?こいつは「白川しらかわ 疾風はやて」クラスの中ではいつも本を一人で本を読んでいたりする
至っては普通の男子生徒
ステータスは特に特質した能力は持っていないが平均的な能力の持ってたはず...


たしかにあんまり話したこともなかったけどいきなりハズレ呼ばわり!?


「なんだ?文句でもあんのか?」


「いや、なんでもないよ」


「だったらじゃまだ、どけ」



彼はもっと優しい性格だったはず
どうしたんだろ


と、とりあえずごはん食べよう
今日はサンドイッチか


取り敢えず席に座ろう


あ、奥の席が空いてる
じゃあ早速


「ねぇ、そこ私たちが目をつけてたんだから役立たずは退いて」


え?


「べ、別に良いけど」


「じゃあ、さっさと退いて」


何だ?
急に私への風当たりが強くなった気がする


私、何かしたっけ?


んー、全く心当たりがない










サンドイッチは美味しかったです...




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あれから度々何人かに何か絡まれたりしたけど、流石に神薔薇みたいに殴ったりはしてこなかった


でも何で、急に?


「おい、ゆう?どうした?行くぞ」


そんなことを考えていたら、そう刀夜が話しかけてきた


ただいつもみたいに過ごしやすい服ではなくで、剣を腰に下げて鎧を着て武装している
そう、今から奈落に行くのである


「ん?何でもない」


「そうか、じゃあさっそく馬車に乗ろうぜ」


「そうだな、まぁ別々だけどな」


「そうだな、じゃあ、また後でな」


「後でな」


奈落は今いる王都を出て馬車で三時間くらい走ったところにあるらしい
時間的には新幹線で東京から大阪に行くより少し長いくらいかな?


因みに王都は中世のヨーロッパみたいな建物が多くかなりの人で賑わっていた


奈落では2つのグループに別れて行動するらしい


全員で行くと人が多過ぎて連携が上手く取れなくなる可能性があるし、少なすぎるとモンスターに殺られる可能性があるからちょうどいい2つのグループに別れるわけだ


私はAグループで柚葉さんや神薔薇と一緒だ
刀夜はBグループだ


「優くん優くん」


そんな事を考えていると柚葉さんが話しかけてきた
と、同時に馬車の中の空気が重くなった気がした
視線が...


「柚葉さん?どうしたんですか?」


「優くんのステータスはどうなったの?」


むむ...どう答えよう...


「取り敢えず強くはにはなりましたよ」


取り敢えずこの答えで...


「優くん、本当に?」


え?


「私、昨日の模擬戦見てたんだからね」


むむ...あれを見られてたのか...


「私は神薔薇君みたいに武器と魔法両方は使えないし体力とかも無いなけど、魔法は使えるよ。だから私に頼ってくれても良いんだよ?
私は誰も怪我をすることなく皆で帰りたいんだから」
 

まぁ、実際レベルは上がって最初よりマシになったってだけで確かに強いとは言い切れないけど
てか、言外に私は弱いって言われてる気が...
...いや、まぁその通りなんだけどね


「大丈夫ですよ、団長さんに隊長さんも居るし、最大限警戒するから」


「本当だよ?」


そういって小指を出す


指切りとか懐かしい


「約束は守ります」


「柚葉様、大丈夫です。この俺がこのバ...こいつの面倒をしっかり見ましょう」


そんな話し合いをしていると神薔薇こんなことを言ってきた


...........安心できねぇ
あとハズレって言いかけただろ!


「神薔薇くん、優くんをよろしくね」


「お任せください」


なにこの茶番


それより、モンスターと同レベルで神薔薇を警戒しておこう


そんな、会話を馬車内でしつつ無事に奈落に着くことが出来た
道中モンスターが出てきたがスライムやゴブリンばかりだった、オークも出てきたが団長さんの指揮通りに戦闘して、かなり余裕で勝つことが出来た
オークは二足歩行の豚みたいなモンスターで武器を使ってくるが足はあまり早くなく知能も低い
分類敵には魔族だ


奈落の回りでは柵が敷かれてあってその回りには警備?の為に兵士さんが10人程居る
もし、奈落からモンスターが出てきたら近くの町に連絡をして出てきたモンスターを倒すらしい
ここに居る人だけで倒せれば良いけど侮って連絡をせずに闘ってもし全滅してしまえば世間に知られないままになってしまう
だからどんなに弱くて倒せる敵が出て来ても絶対に連絡はするらしい


連絡と言っても勿論メールとか電話は無いから、1人が馬に乗って町に報告に行くらしい


てか、奈落の見た目って本当に洞窟みたいだ
ぱっと見てもただの洞穴にしか見えない


そんなことを考えていると後ろから声がかけられた


「何、ボーッとしてるんだよ。ステータスも低い、スキルも魔法も使えないハズレは俺たちに飲み物でも出しときゃいいんだよ」


「そうだよ、お前は俺たちより下なんだから俺たちに言うことを聞けよ」


...クラスの全員から言われるようになってしまってる


もはや雑用、奴隷みたいな扱いになりかけている
どうしてこうなった?


そんな事を考えていると団長さんが集合をかけた


「では、これから奈落に入る。まずはAグループから、その1時間後Aグループと交代でBグループが入る」


おっともう入るらしい


「これだけは言っておく、奈落にはスライムやゴブリンも出てくるが絶対に舐めてかかるな奈落のスライムは1匹でも先ほど出てきたオークを10同時に相手取り勝つことが出来る、舐めてかかるとその先に待ってる未来は死だ、絶対に集団行動をとり、指揮には従うこと」


...勝てるの?


普通のスライムは10匹集まっても1体のオークに勝つことが出来ない
それを考えると私たちが奈落のモンスターに勝てるのかは甚だ疑問だ


他のクラスメイトも数人を覗き顔を青くしている


「だが、しっかりと指揮を聞いて油断しなければ例え奈落のモンスターと言ってもお前達ならば勝てるはずだ」


疑問系じゃないですか...


「では、行くぞ」


そういって、Aグループの皆も着いていく
私も行くか...


「優くん頑張ろうね」


「そうですね」


「優、何かあったら全速力で逃げろよ」


刀夜がそう言ってくる


「生きれるように頑張るよ」


そう言って奈落に入る


奈落の内部はかなり広い
横幅5メートル高さも5メートル位かな?
地面は以外とたいら
そして、魔法か何か知らないけどうっすらと壁が光っている


「良し、隊列を組んで行くぞ、絶対に油断するな」


さて、私も頑張りますか


━━━━━━━━━━━━━━━━━━


つ、強い...


あれから皆、警戒して進んで行くと早速スライムが現れた


普通なら私でも倒せるモンスターだがやはりここは奈落、事前情報の通りに物理攻撃が聞かないらしい
神薔薇の剣での攻撃が受け止められてしまった
すぐさま神薔薇が火魔法を放ったがそれもあまり効かなかったみたいだ
そのあとも剣や槍で攻撃を試してみたがやはり受け止められてしまった(刺さるのだけどすぐに瞬間接着剤みたいに固まって抜けなくなってしまう)
その後は団長さんの指示で柚葉さんや神薔薇みたいに魔法を使える人で一斉攻撃をし足止めをしたところに騎士さんや剣や槍のスキルを持つ人たちの一斉攻撃で何とか倒せた


しかも早いのなんので全然魔法が当たらなかった


そのあとも何体か出て来てゴブリンや高速狼シュネールウルフなど出てきたりしてかなりの苦戦を強いられたが何とか倒して今は休憩ゾーンみたいなところで休憩中だ


ちょいちょい魔法が完全に私を殺す気で放たれていた気がするが...まぁいいや...
一応魔力探知があるから不意打ちは聞かないはず


てか、遂に神薔薇以外の生徒にも暴言だけでなく直接叩かれたりし始めた
どうしよう...


「すみません」


男子生徒が団長さんに質問してるみたいだ


「何だ?」


「ここに来る途中に凄くデカイ大穴があったじゃないですか、あれはなんですか?」


「あれか?まだ詳しく解ってないがあそこは下層部に繋がっていてあそこから敵が出てきていると睨んでいる。
報告ではどこの階層でもあの大穴は見つかっている事からおそらく全部の階に繋がっているのだろう」


あれか、めっちゃデカかったやつだな
直径25メートルくらいあったんじゃないかな?しかもそこの方見えなかったし


「それと、この後はどうするんですか?」


「もう、時間だしお前達も体力とかも消耗しているだろう、だからもう出ようと思う」


そんな話を遠くから聞いていると


「優くんお疲れ様、優くんは体力とか大丈夫?」


柚葉さんが気楽に話しかけてきたが、柚葉さんもやっぱり疲れてるんだろう、肩で息をしてる


「柚葉さんの方が魔法とか使って疲れてるでしょ?取り敢えず座って」


そして、自分のステータスプレートを確認する


━━━━━━━━━━━━━━━━━━


名前:一 優
年齢:18
性別:女
レベル:15


体力:156/57
スタミナ:142/72
魔力:180/160
力122
防御138
素早さ123


固有スキル
・勇者


エキストラスキル
・魔力操作LV4


ノーマルスキル
・剣術LV3・魔力感知LV5・言語理解


称号
・異世界人・選ばれし者


━━━━━━━━━━━━━━━━━━


おお、大分上がってる、けど神薔薇には届かないな


けど、大分強くなったな


そういえば隠れて1回あの魔法?を使ってみたら
1発でスライムが死んでった
死んだというか消えてしまった


もしかして、めっちゃ強い?


「私はまだ大丈夫です、柚葉さんこそ大丈夫ですか?」


「私もまだ大丈夫よ」


...大丈夫には見えないけど


「よし、そろそろいい頃合いだろう外に出るぞ」


おっともう...!?


「優くん!」


「うん、これは...団長さん!隊長さん!」


「分かってる!まさかこっちに来るとはな」
「分かってるわ!」


魔力関知などモンスターを察知できる人たちには分かった
私達じゃ勝てないと


私の魔力関知に今までとは比較できないほど強大な魔力を持つものが引っ掛かってる


「おい、俺たちが時間を稼いどくから勇者様方はその間に逃げろ」


「この魔力...オーガ?いや、オーガの上位種ね?
戦うにはこの子達にはまだ早いわね」


「この魔力はおそらくキングオーガだな、おい、お前ら!勇者様方を無事に外までお連れしろ!」


恐らくこの二人なら倒せるだろうが私達がここに居たら危険なうえ、隊長さんも団長さんも私達に気を使って戦わないといけない


「ハッ!」


団長さんが団員さんにそう命令すると同時に...


っ!?......来た...
 

ドラク○のギカンテスを更に強化したみたいなやつが3メートル位の剣を持って来た
凄い威圧感だ
恐怖で気が狂いそうになる


次の瞬間


「GOOOOO」


な?体がっ?体が動かない!?


それを狙ってキングオーガが攻撃を仕掛けてきた


神雷しんらい!」


あ、あれは雷魔法!?


「GAAAAA」


隊長さんの魔法がキングオーガに見事に直撃し怯んでる


「お前達早く行け!死にたくなければ逃げろ!」


けど、体が...動く!


ここは団長さんと隊長さんに逃げようとしたときに


「ふん、俺はここのスライムを倒せたんだ。この程度俺1人で倒せる」


青空が剣を持ってキングオーガに向かって走り出した


「おい、馬鹿よせ、まだお前達が敵う相手じゃない!指示に従え!それにスライムとは格が違う!」


団長さんが止めようと声をかけるがそれを聞かずに攻撃しようとした


「くらえぇぇぇ、疾風切り!」


それをキングオーガは何もせず足で受け止めた


「え?」


私は戦いに素人だけども素人にも分かる、一瞬の隙が命取りになるということが


キングオーガはゆっくりな動作で足を振り上げた


「...あ...あ」


ドカン!!


凄まじい音を立ててキングオーガが足を振り抜いた
地面が少し抉れている


いや、それより青空は!?


良く見ると少し離れたところに団長さんが青空を抱えて立っている


「バカ野郎!死にてぇのか!?」


良かった、助かったのか


「うわぁぁぁぁ」
「死にたくない!」


けど、今のキングオーガの破壊力を見て皆、パニックになって一斉に走り出した


ここに居たら...
それに私たちも逃げないと


そう思い隣に居た柚葉さんを見ると震えていた


「柚葉さん、逃げますよ」


「....う、うん」


「柚葉さん私の前に」


後ろからモンスターが来たら私の魔法で倒す
キングオーガには効くかは分からないけどスライムとかなら効くのは検証済みだ
前には騎士団の団員さんが居るから大丈夫なはず


最後に残ってるのは私と柚葉さんだけか?
素早く回りを見渡して見ても誰も居ない
よし行こう


「勇者様方こちらです」


団員さんが誘導してくれる
取り敢えず私も付いて行かなくちゃ━━━━━






ハァハァ
結構走って来た


おっとあの大穴が見えてきた
大穴が見えたらあと少し


よし、このままみんな無事に...


「じゃあな」


ゑ?


気づいたときは私は何者かに押されて大穴に落とされていた


「優くん?優くん!?」


遠くで私を呼ぶ声が聞こえるけど今の私にはどうすることも出来ない


あ、皆で無事に帰るって言う約束破っちゃったな


許してくれるかな......?





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