元賢者の最強剣士 〜二度目の人生は自由に冒険者ライフを送る〜
第9話 戦う理由は、いつだっていくつも落ちている
「どうした?ノア。いきなり逃げろって叫んで」
アルレが不思議そうな顔をしながら首を捻らせている。
そうなるのは無理もないが、無駄な説明をしている時間はない。
コボルト共が俺たちを囲む前に逃げることが先決だ。
「コボルトが俺たちを囲もうとしている。無事に街に帰りたかったら、黙って俺についてこい」
そう言って走り出そうとしたところ、誰かが俺の腕を掴んだ。
「ちょっと、アンタ様子がおかしいわよ。第一、コボルトが私たちを囲むわけないじゃない。コボルトは単独で行動する魔物なのよ」
……リリアか。
まずいな、コイツがこうなっては説明しない限りここを動くとは思えない。
めんどくさいことになったな。
それに加えて、今さっき姿を見せたコボルトが俺たちに向かって突進してきてきた。
「とりあえず、あのコボルトを倒してから一旦退くとしよう。今度はパーティの連携を意識して倒そう」
アルレの指示を聞いて、皆はコボルトを倒そうと戦闘態勢に入る。
今、そんな悠長に戦っている時間はない。
悪いが、とっとと倒させてもらうぜ。
瞬歩。
剣士は、接近戦を主体とした戦いをするため素早い身のこなしが要求される。
その技術の一つである瞬歩は、一瞬のうちに相手に近づくテクニックだ。
俺は瞬歩を使い、コボルトの目の前に一瞬で移動する。
そして、同時にコボルトの首を刎ねる。
リリアが行った瞬殺とは比べ物にならないぐらい早い瞬殺。
「お前ら逃げるぞ。走れ!」
俺に驚愕し固まったままのパーティメンバーを怒鳴る。
「……分かった!走ろう!みんな」
ようやく事態の深刻さを理解したアルレとみんなは、走り出した。
索敵魔法を使うと、コボルト共が既に俺たちを囲み終わっていた。
囲まれる前に逃げてしまいたかったが、仕方ない。
敵に囲まれたときの対処法は、いつの時代だって一点突破だ。
やはりと言うべきか、走る俺たちの前にコボルトの集団が現れた。
俺たちを囲むコボルトの総数は約200。
目の前にいるコボルト達でさえ、十数体いるようだな。
「えー、これちょっとかなりやばいんじゃないの!?」
「レン、大丈夫だ。コイツらを速攻で片付けて突破すれば逃げ切ることが出来る」
「この数を一気に片付けるのは大変そうですね……キャッ!」
「どうした!」
走っている最中にスズナが倒れこんだ。
スズナの脚の脹脛に矢が刺さっており、ドクドクと血が流れている。
スズナは、それを両腕で抱え痛みに表情を歪ませている。
「「スズナ!!!」」
アルレとレンが引き返し、スズナに駆け寄る。
二人はしゃがみ、不安そうな顔をしながらスズナに
「大丈夫か!?」
と叫んでいる。
どう見ても走れそうには見えない。
そう思ったから二人は駆け寄って来たのだろう。
「皆、私の事は良いから先に行って!皆まで死んじゃうよ!」
スズナは泣きながら、皆に訴えかける。
「バカ、お前を置いて逃げれるか!冒険者になろうって誘ったのは俺だ!絶対にお前を連れて帰る!」
「アルレの言う通りだよ!僕だってスズナを見捨てるなんて出来ないよ!」
「でも……それだと……みんな……」
ぽろぽろと大きい雨粒のような涙がスズナの瞳から零れ落ち、地面を濡らす。
呼吸は乱れ、うまく話せない様子だ。
しかし、こうしてる間にもコボルト達は俺たちに近づいてきている。
「もうこうなったらアタシが……」
リリアは覚悟を決めたような顔をして細剣を抜き、構える。
リリアは確かにそこらの冒険者より強いだろうが、このコボルトの軍勢を相手に一人で勝てるとは思えない。
いや、コボルトだけならまだ何とかなるかもしれない。
だが、生憎と厄介な奴らも混ざっているようだ。
……仕方ない…か。
「悪いな、お前は邪魔だ」
リリアの首筋に手刀を叩き込む。
「うっ……」
リリアの意識は失い、地面に倒れそうになるところを手で支える。
「アルレとレン、リリアを頼む。スズナは回復魔法使えるんだったら、出来るだけ回復に努めてくれ」
結界魔法
アルレ達の安全を考え、結界を張る。
結界は、半透明で少し青みを帯びており、中の奴は外に出ることが出来ない様にしておいた。
中の奴が出れるようにしたら、もしリリアが目を覚ましたときに間違いなく出てくるだろうからな。
この結界は、俺の魔力の2割を消費して作られた物で伝説級の攻撃魔法ぐらいじゃないと、この結界は破れない。
コボルト程度なら傷一つつけられないだろうさ。
「お、おいノア……お前何する気だ?」
アルレは、状況に戸惑いながらも口を開いた。
「何って、片付けだが?」
俺は、いつもと変わらない口調でそう言った。
200体ともなると、大片付けになりそうだな。
意識していなかったが、コボルト達はもう直ぐの距離に近づいて来ていた。
この距離ならば、次の瞬間には攻撃を仕掛けて来るだろう。
近づく手間が省けたな。
さて……と。
始めるか。
アルレが不思議そうな顔をしながら首を捻らせている。
そうなるのは無理もないが、無駄な説明をしている時間はない。
コボルト共が俺たちを囲む前に逃げることが先決だ。
「コボルトが俺たちを囲もうとしている。無事に街に帰りたかったら、黙って俺についてこい」
そう言って走り出そうとしたところ、誰かが俺の腕を掴んだ。
「ちょっと、アンタ様子がおかしいわよ。第一、コボルトが私たちを囲むわけないじゃない。コボルトは単独で行動する魔物なのよ」
……リリアか。
まずいな、コイツがこうなっては説明しない限りここを動くとは思えない。
めんどくさいことになったな。
それに加えて、今さっき姿を見せたコボルトが俺たちに向かって突進してきてきた。
「とりあえず、あのコボルトを倒してから一旦退くとしよう。今度はパーティの連携を意識して倒そう」
アルレの指示を聞いて、皆はコボルトを倒そうと戦闘態勢に入る。
今、そんな悠長に戦っている時間はない。
悪いが、とっとと倒させてもらうぜ。
瞬歩。
剣士は、接近戦を主体とした戦いをするため素早い身のこなしが要求される。
その技術の一つである瞬歩は、一瞬のうちに相手に近づくテクニックだ。
俺は瞬歩を使い、コボルトの目の前に一瞬で移動する。
そして、同時にコボルトの首を刎ねる。
リリアが行った瞬殺とは比べ物にならないぐらい早い瞬殺。
「お前ら逃げるぞ。走れ!」
俺に驚愕し固まったままのパーティメンバーを怒鳴る。
「……分かった!走ろう!みんな」
ようやく事態の深刻さを理解したアルレとみんなは、走り出した。
索敵魔法を使うと、コボルト共が既に俺たちを囲み終わっていた。
囲まれる前に逃げてしまいたかったが、仕方ない。
敵に囲まれたときの対処法は、いつの時代だって一点突破だ。
やはりと言うべきか、走る俺たちの前にコボルトの集団が現れた。
俺たちを囲むコボルトの総数は約200。
目の前にいるコボルト達でさえ、十数体いるようだな。
「えー、これちょっとかなりやばいんじゃないの!?」
「レン、大丈夫だ。コイツらを速攻で片付けて突破すれば逃げ切ることが出来る」
「この数を一気に片付けるのは大変そうですね……キャッ!」
「どうした!」
走っている最中にスズナが倒れこんだ。
スズナの脚の脹脛に矢が刺さっており、ドクドクと血が流れている。
スズナは、それを両腕で抱え痛みに表情を歪ませている。
「「スズナ!!!」」
アルレとレンが引き返し、スズナに駆け寄る。
二人はしゃがみ、不安そうな顔をしながらスズナに
「大丈夫か!?」
と叫んでいる。
どう見ても走れそうには見えない。
そう思ったから二人は駆け寄って来たのだろう。
「皆、私の事は良いから先に行って!皆まで死んじゃうよ!」
スズナは泣きながら、皆に訴えかける。
「バカ、お前を置いて逃げれるか!冒険者になろうって誘ったのは俺だ!絶対にお前を連れて帰る!」
「アルレの言う通りだよ!僕だってスズナを見捨てるなんて出来ないよ!」
「でも……それだと……みんな……」
ぽろぽろと大きい雨粒のような涙がスズナの瞳から零れ落ち、地面を濡らす。
呼吸は乱れ、うまく話せない様子だ。
しかし、こうしてる間にもコボルト達は俺たちに近づいてきている。
「もうこうなったらアタシが……」
リリアは覚悟を決めたような顔をして細剣を抜き、構える。
リリアは確かにそこらの冒険者より強いだろうが、このコボルトの軍勢を相手に一人で勝てるとは思えない。
いや、コボルトだけならまだ何とかなるかもしれない。
だが、生憎と厄介な奴らも混ざっているようだ。
……仕方ない…か。
「悪いな、お前は邪魔だ」
リリアの首筋に手刀を叩き込む。
「うっ……」
リリアの意識は失い、地面に倒れそうになるところを手で支える。
「アルレとレン、リリアを頼む。スズナは回復魔法使えるんだったら、出来るだけ回復に努めてくれ」
結界魔法
アルレ達の安全を考え、結界を張る。
結界は、半透明で少し青みを帯びており、中の奴は外に出ることが出来ない様にしておいた。
中の奴が出れるようにしたら、もしリリアが目を覚ましたときに間違いなく出てくるだろうからな。
この結界は、俺の魔力の2割を消費して作られた物で伝説級の攻撃魔法ぐらいじゃないと、この結界は破れない。
コボルト程度なら傷一つつけられないだろうさ。
「お、おいノア……お前何する気だ?」
アルレは、状況に戸惑いながらも口を開いた。
「何って、片付けだが?」
俺は、いつもと変わらない口調でそう言った。
200体ともなると、大片付けになりそうだな。
意識していなかったが、コボルト達はもう直ぐの距離に近づいて来ていた。
この距離ならば、次の瞬間には攻撃を仕掛けて来るだろう。
近づく手間が省けたな。
さて……と。
始めるか。
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