俺の得能は「平凡」だった。
三話 得能を極める会
「えーっと、白鳥伊織っていいます。得能は「平凡」です。よろしくお願いします。」
パチパチパチ
いつもならここでクスクス笑われるタイミングだったがそういうことは一切なかった。
「よーし!後輩君入部おめでとー会の開幕だー!みんなー!コップ持ってー!乾杯だー!」
「待て待て、陽子。俺たちの得能も紹介した方がいいだろ?」
「お!そうだねー!後輩君!私の得能は「能天気」だー!よろしくねー!」
なんかそんな感じだと思った。
「よろしくお願いします。南鳥さん。」
「んー?後輩君!私のことは陽子って呼んで!そうじゃなきゃダメだよ!」
「わ、分かりました。陽子さん。」
この人は苦手だ。
「じゃー、俺だな。俺の得能は「介護」だ。よろしくな。」
「はい。よろしくお願いします。近藤さん。」
この人は落ち着いていてまだ話しやすいな。
「で、おれっちの得能が「分析」っす。ちなみに今の会話を分析すると、陽子ちゃんのことを苦手意識してるって分かるっすね。」
「げっ、い、いや。そんなことないけどな〜。」
「むむむー!後輩君!私のことが嫌いなのかー!だったら好きになるまで鬼ごっこだー!おー!」
「ほら、陽子さん。白鳥君は「平凡」だからついていけないのよ。」
「そうなの?なら、もうちょっとゆっくりお話しするねー!」
「あ、ありがとう。黒姫。」
「いいのよ。では、この人たちのことは大体わかったわね。」
「あ、ああ。」
「この人たちの「本当」の得能を知りたいかしら?」
「は?なんのことだ?」
「この人たちも得能を変えたのよ。」
「は?まじかよ。」
「ほんとだよー!私の得能はね、昔は「陰気」って得能だったんだー!」
え?こんなうるさい陽子さんが陰気?
「俺の得能は「暴走」だったんだ。」
「おれっちは「鈍感」っすねー。」
「それで私は「無能」よ。分かるわね。ここにいる人は自分のコンプレックスである得能を変えたのよ。」
「嘘だろ…だったらどうやって俺は。」
「そのためのこの部活よ。」
「そうだよー!私たちもついてる!だから安心して!」
「無理そうなことだったら俺たちに頼ればいい。」
「そうっすよ。シラッチのことはおれっちたちがサポートするっす。」
その時僕の中で何かが抜けるような感覚があった。
「ここの人たちは、あなたを笑わない。だから白鳥君。ここの部員になってくれる?」
「本当に「平凡」な俺でも変われるかな。」
「変われるよー!」
「今まで適当に生きてきたけど頑張れるかな?」
「ああ。できるさ。」
「みんなからバカにされてきた。挫けるかもしれない。」
「おれっち達がついてるっすよ。」
「めちゃくちゃ悔しかったんだ。バカにされてハブられて。」
「私たちも同じ思いをしたわ。だからあなたも変わるの。変われるの。」
今日からでも変われる。僕はこの部活に入部を決めた。
入部を決めた俺は歓迎会ということで、陽子さん達と話していた。まあ、まだ入るとは決めていなかった時に陽子さんが先走って準備を始めていたらしいけど。そんな中陽子さん達と話していると面白いことを聞いてしまった。
「え?陽子さんと近藤さんって幼馴染だったんですか?」
「そうだぞー、後輩君!私と忠は幼稚園からの仲なのだー!」
「ま、家が隣だったから小さい時からの仲ってやつだよ。」
「へー。」
陽子さんと近藤さんは今年で3年生。
この人たちは、幼稚園から高校までずっと同じ学校だったらしい。
「花垣さんは何年生なんですか?」
「おれっちすか?おれっちはシラッチと同い年っすよ。」
「え?同い年!?」
花垣は細っそりとした体系で身長も地味に高いので年上だと思っていたんだけど。
「お前のことなんて言えばいいかな?」
「なんでもいいっすよー。」
「じゃー、花垣でいいか。よろしくな。」
「よろしくっすー。」
「って、さっきから何してるんだ?」
花垣は教室から入ってくる時からずっとパソコンを触っていたのだ。さっきから何をしてたのか気になっていて仕方がなかった。
「ん?これっすか?ただギャルゲーしてるだけっすよ。」
「ギャルゲー!?」
「そうっす。面白いっすよ?」
「そ、そうか。」
なんか書き物でもしてるのかっと思っていたら思いっきり萌え系のギャルゲーをしていたらしい。
「白鳥君ちょっといいかしら?」
「なんだ?」
「あなたはどんな風になりたいのかしら?」
「ん?どんな風か。普通ではない普通の学生?みたいな?」
何言ってんだ俺。
「わかったわ。」
「わかったの!?」
「あなたテストは毎回何点くらいなの?」
「60点だ。全教科な。」
「「「「普通だ。そして逆にすごい。」」」
全員揃ってなんだよ。
「こ、こほん。それは勉強してその点数なのかしら?狙ってはないのよね?」
「ああ。もともとこの点数しか取ったことない。小学から今まで。」
他の点数も取ってみてーな。ずっと同じ点数は面白くないしな。
「では、白鳥君。私と一緒に勉強をしましょう。」
「勉強?だからやっても無駄...」
「それはあなたが「平凡」なテスト勉強をしているからよ。私と一緒に同じ勉強をすれば点数は上がるはず。なぜならあなたは理解力も「平凡」だから遅くもないし速くもない。覚えないわけではないからよ。」
「なるほど!わかった。じゃー明日からお願いするよ。」
「ええ。次のテストは2ヶ月後よ。それまでに私が徹底的にしごいてあげるわ。」
「お、お手柔らかに。」
こうして俺は黒姫の地獄の勉強塾に通うことになった。
パチパチパチ
いつもならここでクスクス笑われるタイミングだったがそういうことは一切なかった。
「よーし!後輩君入部おめでとー会の開幕だー!みんなー!コップ持ってー!乾杯だー!」
「待て待て、陽子。俺たちの得能も紹介した方がいいだろ?」
「お!そうだねー!後輩君!私の得能は「能天気」だー!よろしくねー!」
なんかそんな感じだと思った。
「よろしくお願いします。南鳥さん。」
「んー?後輩君!私のことは陽子って呼んで!そうじゃなきゃダメだよ!」
「わ、分かりました。陽子さん。」
この人は苦手だ。
「じゃー、俺だな。俺の得能は「介護」だ。よろしくな。」
「はい。よろしくお願いします。近藤さん。」
この人は落ち着いていてまだ話しやすいな。
「で、おれっちの得能が「分析」っす。ちなみに今の会話を分析すると、陽子ちゃんのことを苦手意識してるって分かるっすね。」
「げっ、い、いや。そんなことないけどな〜。」
「むむむー!後輩君!私のことが嫌いなのかー!だったら好きになるまで鬼ごっこだー!おー!」
「ほら、陽子さん。白鳥君は「平凡」だからついていけないのよ。」
「そうなの?なら、もうちょっとゆっくりお話しするねー!」
「あ、ありがとう。黒姫。」
「いいのよ。では、この人たちのことは大体わかったわね。」
「あ、ああ。」
「この人たちの「本当」の得能を知りたいかしら?」
「は?なんのことだ?」
「この人たちも得能を変えたのよ。」
「は?まじかよ。」
「ほんとだよー!私の得能はね、昔は「陰気」って得能だったんだー!」
え?こんなうるさい陽子さんが陰気?
「俺の得能は「暴走」だったんだ。」
「おれっちは「鈍感」っすねー。」
「それで私は「無能」よ。分かるわね。ここにいる人は自分のコンプレックスである得能を変えたのよ。」
「嘘だろ…だったらどうやって俺は。」
「そのためのこの部活よ。」
「そうだよー!私たちもついてる!だから安心して!」
「無理そうなことだったら俺たちに頼ればいい。」
「そうっすよ。シラッチのことはおれっちたちがサポートするっす。」
その時僕の中で何かが抜けるような感覚があった。
「ここの人たちは、あなたを笑わない。だから白鳥君。ここの部員になってくれる?」
「本当に「平凡」な俺でも変われるかな。」
「変われるよー!」
「今まで適当に生きてきたけど頑張れるかな?」
「ああ。できるさ。」
「みんなからバカにされてきた。挫けるかもしれない。」
「おれっち達がついてるっすよ。」
「めちゃくちゃ悔しかったんだ。バカにされてハブられて。」
「私たちも同じ思いをしたわ。だからあなたも変わるの。変われるの。」
今日からでも変われる。僕はこの部活に入部を決めた。
入部を決めた俺は歓迎会ということで、陽子さん達と話していた。まあ、まだ入るとは決めていなかった時に陽子さんが先走って準備を始めていたらしいけど。そんな中陽子さん達と話していると面白いことを聞いてしまった。
「え?陽子さんと近藤さんって幼馴染だったんですか?」
「そうだぞー、後輩君!私と忠は幼稚園からの仲なのだー!」
「ま、家が隣だったから小さい時からの仲ってやつだよ。」
「へー。」
陽子さんと近藤さんは今年で3年生。
この人たちは、幼稚園から高校までずっと同じ学校だったらしい。
「花垣さんは何年生なんですか?」
「おれっちすか?おれっちはシラッチと同い年っすよ。」
「え?同い年!?」
花垣は細っそりとした体系で身長も地味に高いので年上だと思っていたんだけど。
「お前のことなんて言えばいいかな?」
「なんでもいいっすよー。」
「じゃー、花垣でいいか。よろしくな。」
「よろしくっすー。」
「って、さっきから何してるんだ?」
花垣は教室から入ってくる時からずっとパソコンを触っていたのだ。さっきから何をしてたのか気になっていて仕方がなかった。
「ん?これっすか?ただギャルゲーしてるだけっすよ。」
「ギャルゲー!?」
「そうっす。面白いっすよ?」
「そ、そうか。」
なんか書き物でもしてるのかっと思っていたら思いっきり萌え系のギャルゲーをしていたらしい。
「白鳥君ちょっといいかしら?」
「なんだ?」
「あなたはどんな風になりたいのかしら?」
「ん?どんな風か。普通ではない普通の学生?みたいな?」
何言ってんだ俺。
「わかったわ。」
「わかったの!?」
「あなたテストは毎回何点くらいなの?」
「60点だ。全教科な。」
「「「「普通だ。そして逆にすごい。」」」
全員揃ってなんだよ。
「こ、こほん。それは勉強してその点数なのかしら?狙ってはないのよね?」
「ああ。もともとこの点数しか取ったことない。小学から今まで。」
他の点数も取ってみてーな。ずっと同じ点数は面白くないしな。
「では、白鳥君。私と一緒に勉強をしましょう。」
「勉強?だからやっても無駄...」
「それはあなたが「平凡」なテスト勉強をしているからよ。私と一緒に同じ勉強をすれば点数は上がるはず。なぜならあなたは理解力も「平凡」だから遅くもないし速くもない。覚えないわけではないからよ。」
「なるほど!わかった。じゃー明日からお願いするよ。」
「ええ。次のテストは2ヶ月後よ。それまでに私が徹底的にしごいてあげるわ。」
「お、お手柔らかに。」
こうして俺は黒姫の地獄の勉強塾に通うことになった。
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