自害阻止スキルと自然治癒スキルを与えられた少年は、異世界転生からリタイヤ出来ない!

goro

お目覚めにはまだ遠く




「「っ、疲れた〜っ!!」」


クタクタとなって、リビングのテーブル上に頭を落とすカルデラとカフォン。
修行はあれから三時間ほど続き、今では魔力がスッカラカンの状態でもあるのだ。



だがしかし、そんな彼女たちを見つめる神宿が溜息を吐く一方で


「まぁ、今のコヤツらのレベルじゃと、これぐらいが限界じゃろうな」


大賢者ファーストもまた呆れたように溜息を吐いていた。




「しかし、本当に困ったもんじゃな。アレぐらいでこんなにバテてしまうとは」
「…うーん……初めてだったら普通、あんなもんじゃ」
「馬鹿を言うな。あんなもの、ほんの序の口程度のものじゃぞ? 授業で例えるなら準備運動みたいなものじゃ」

そう軽々しく言ってくれる彼女に、流石…大賢者と思う神宿。


とはいえ、これ以上あれこれ言った所でカルデラたちはもう限界も近いのも事実。
取り敢えず何をするにも明日から、だとそう思っていた。





ーーーーーそんな時だった。





ガチャ、という扉を開ける音が聞こえ、


「「!?」」


神宿とファーストがその音に振り返った、その視線の先にーーー







「ふぁふぁふぁ〜」







間抜けな欠伸声を上げる女性。
賢者アーチェの姿がそこにはあった。




ーーー後、派手な下着姿がチラチラと見える、大胆なワンピース姿で…。



「む〜、トオルく〜ん? ご飯は〜?」
「…え、あ、ああ。も……もう少ししたら、出来るけど」
「そ〜? わかった〜? それじゃあ〜? もう少し寝るね〜?」



未だ眠たげな様子で朦朧と答えるアーチェは、そう言って再び部屋へと戻っていった。


「…………」
「…………」


神宿とファーストは、共に固まりながら、しばし沈黙してしまう。
だが、その背後にて、




「ト〜オ〜ル〜っ!!」



神宿がゆっくりと後ろに振り返った先、そこには顔を真っ赤にさせながら怒りマックスのカルデラの姿があり、


「アーチェさんっていつもあんな姿だったんですかっ!?」
「え、いや、ちが」
「……違うわけないでしょ? なんか、対応とかも慣れてたし」

そんな彼女の隣では、拗ねた様子のカフォンが半睨みでそんな事を呟いてくる。


「そうなんですか!!」
「っ!? いや、だからアレは」
「師弟関係っていうことは確かに聞いていました! でも、あんな大胆な姿でっ………あ、まさか! 二人で淫乱な」
「だから違うって!?」
「どうだか」
「って、お前も煽るなよっ!?」
「トオル!! どうなんですかっ!! はっきりさせてくださいっ!!!」



ぎゃあぎゃあぎゃあ、とさっきまでの姿はどこに行ったのやらと、カルデラとカフォンの二人に責められる神宿は、




「だから、違うって言ってんだろうがぁ!!」




そう嘆くように叫ぶのであった。


「モテモテじゃなぁ〜」

後、そんな子供たちの様子を見つめ、ニマニマ笑みを浮かべるファーストの姿もあるのであった。



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