カースオブダンジョン~あなたと私の心中旅行~
秘密の通路
まりちゃん、どうなっただろうか? 今頃、ポケットに忍ばせたタバコに火をつけている頃だと思うが……
「こっち、」
「……!」
遠くの方でしのが手を振っているのが見える。
「ピロリロリン……」
メールが来ている、しのからだ。
『サポートに行く、あとは任せて』
どうやらしのが助けに行ってくれるらしい、殺し屋なら裏口の通路がどうなっているかをよく知っているから安心だ、
VIPルームの中の様子はどうなっているだろうか……
「お客様、いま、お嬢様を探しております。待機室でお待ちください。」
そう言ってセキュリティは私たちを一般客用のギャンブルルームに案内し始めた。
ギャンブルルームのゲーム会場を通り抜け、待合室のような場所に連れてこられた。
「こちらの方でお待ちください。」
セキュリティは出ていった。
「……行ったかな?」
「よし、戻って来ないだろう、」
「ピロリロリン……」
しのからのメールだ、地図が同封されている。
『地下の脱出経路は、地上のこの地点に繋がってる、ここに来て』
「Tellさん、ここだそうです。」
「よし、変装を解いて出よう、そのままゲートカードを使ってエントランスを通れば外に出れるはずだ。」
VIPルームでの騒ぎを知らないエントランスの人たちは私たちを快く通してくれた。
「セキュリティ問題、また起こしちゃいましたね、」
「次、Xekioに捕まったら何言われるかな?」
お~こわ、どうなるかわかったもんじゃないや、
「Tell、KUMIちゃん、おふたりとも無事だったみたいですわね、」
「ええ、なんとか、」
あとはあっちが成功してくれればいいんだけど……
「……何してるんですか?」
「いや、メールをしとこうと思って、」
こんな時に誰にメールを……?
「ピロリロリン」
「あ! しのからのメールだ、」
何が起きたんだろう……メールボックスを開いてみる。
『捕まった、たすけて、』
「え…………?」
「失敗したのか?」
「そうみたいです………」
マジか……助けに行かなきゃ、
しのいわく、VIPルームに、王の部下たちがいたようだ。ネームレスとしての暗殺の腕を買われ、王の陣営にネームレスを引き入れようと画策していたらしい。
そんな奴がたまたま、ネームレスがVIPルームに侵入するのを見かけたもんだから、一気に囲まれてしまったらしい。
王とは、このギャンブル施設を牛耳っている輩のことである。
「地下のリーダーの座を巡り争いが起こった。地下の王は代わる代わる変わっていく。色々な立場の人間が王の座が欲しくて血を流す、」
crallessさんはそう言っていた。きっとそうやって争いの果てに王の座を手にした人なんだろう。
その人が自分の部下を使って、こんな手荒な真似をしてまで仲間に引き入れたいのがネームレスなのだ。
「事態はかなり深刻なようです。王の陣営がVIPルームに立てこもり、セキュリティも逆らえない状態だそうで、」
「でも、どうやって助けるんだ?」
「この付近に、隠し通路への入口があるそうです。」
探すと、確かに人が入れそうな程の穴があった。奥に続いているみたいだ。
「よし、助けに行くぞ、」
「はい!」
狭い隠し通路を歩いていくと、だんだんVIPルームの壁に近づいてきたのか、立てこもり犯たちの声が聞こえてきた。
「いいか、妙な真似すんじゃねぇぞ、王に逆らった奴がどうなるかわかってんだろうな!!」
人質に囚われている人達の泣いている声が聞こえる。
「にしてもとんだ災難だったな、ネームレスさんよぉ、なんのミッションだったんだか知らんが、そのガキを庇って、簡単に捕まりやがって!!」
「それもこれも、お前が隠し通路を発見してくれたからできたことだけどなぁ!!ガキがよォ!!」
「HAHAHA!!!」
彼らが居なければ作戦は成功していたかもしれない。……こればっかりは運が悪かったと言うしかないか……
「これで俺たちも出世出来るぜ!!」
「きっと王のやつ! 俺たちにかなりの地位を与えてくれるぞ!! ……そしたら!!」
「王の首にも手が届く!」
「やっぱ、次の王は俺しか有り得ねぇ!!」
「俺達もあんたしかいないと思ってるぜ!!なぁ兄弟!!」
「HAHAHA!!!」
VIPの地位まで上り詰めて、さらなる出世をめざして、最後には王の首までこの人たちが取ろうとしていた訳か……
他の客はパニックでほとんど逃げ出したが、逃げ遅れた数人がまだ人質として囚われている。
その中にはまりちゃんの姿もあった。
「バギュン!!」
壁に向けた威嚇射撃、壁の向こうに、私たちがいることはもうバレていたようだ。
「後から来たお仲間さんたちも、妙なまねすんじゃねぇぞ、こいつは王に献上する。ネームレスは王の配下となるのさ! そして、その王は殺され、今度は俺が王になる。そしたらネームレスは俺の部下だ!!」
分が悪い……ここからじゃ助けられない……
「だからメールしたんだよ、」
「え?」
そ、そういえば、Tellさんさっき、誰かにメールをしていた……
「誰にメールを?」
「同じ殺し屋仲間のcrallessとPhovia」
「バゴーーン!!」
急に私たちの真向かいにある壁が壊され、crallessさんとPhoviaさんが突撃してきた。
「ドギャンッドギャンッドギャンッ!!!」
crallessさんは華麗な動きで手に持った2丁の銃を操り、弾丸を3発放った。立てこもり犯のメンバー3人がヘッドショットを食らい、そのまま動かなくなった。
「な、ナニィ!!? 反対側にも隠し通路が!!?」
「誰が王の配下になるかってんだ!! 暗殺者舐めんじゃないよォ!!」
「君たちには王になる代わりに、『仏』になって頂きましょう!!」
Phoviaさんが一瞬消えたかと思うと、
「ザシュッ!!」
リーダー格と思われる最後の一人が、首から大量の血を流して倒れた。
「グフぁッ!!?」
「ドタッ!!」
「闇医者に……殺人修道女……何故……てめぇらまで……」
VIPルームは、一瞬にして地獄絵図と化した……
「こっち、」
「……!」
遠くの方でしのが手を振っているのが見える。
「ピロリロリン……」
メールが来ている、しのからだ。
『サポートに行く、あとは任せて』
どうやらしのが助けに行ってくれるらしい、殺し屋なら裏口の通路がどうなっているかをよく知っているから安心だ、
VIPルームの中の様子はどうなっているだろうか……
「お客様、いま、お嬢様を探しております。待機室でお待ちください。」
そう言ってセキュリティは私たちを一般客用のギャンブルルームに案内し始めた。
ギャンブルルームのゲーム会場を通り抜け、待合室のような場所に連れてこられた。
「こちらの方でお待ちください。」
セキュリティは出ていった。
「……行ったかな?」
「よし、戻って来ないだろう、」
「ピロリロリン……」
しのからのメールだ、地図が同封されている。
『地下の脱出経路は、地上のこの地点に繋がってる、ここに来て』
「Tellさん、ここだそうです。」
「よし、変装を解いて出よう、そのままゲートカードを使ってエントランスを通れば外に出れるはずだ。」
VIPルームでの騒ぎを知らないエントランスの人たちは私たちを快く通してくれた。
「セキュリティ問題、また起こしちゃいましたね、」
「次、Xekioに捕まったら何言われるかな?」
お~こわ、どうなるかわかったもんじゃないや、
「Tell、KUMIちゃん、おふたりとも無事だったみたいですわね、」
「ええ、なんとか、」
あとはあっちが成功してくれればいいんだけど……
「……何してるんですか?」
「いや、メールをしとこうと思って、」
こんな時に誰にメールを……?
「ピロリロリン」
「あ! しのからのメールだ、」
何が起きたんだろう……メールボックスを開いてみる。
『捕まった、たすけて、』
「え…………?」
「失敗したのか?」
「そうみたいです………」
マジか……助けに行かなきゃ、
しのいわく、VIPルームに、王の部下たちがいたようだ。ネームレスとしての暗殺の腕を買われ、王の陣営にネームレスを引き入れようと画策していたらしい。
そんな奴がたまたま、ネームレスがVIPルームに侵入するのを見かけたもんだから、一気に囲まれてしまったらしい。
王とは、このギャンブル施設を牛耳っている輩のことである。
「地下のリーダーの座を巡り争いが起こった。地下の王は代わる代わる変わっていく。色々な立場の人間が王の座が欲しくて血を流す、」
crallessさんはそう言っていた。きっとそうやって争いの果てに王の座を手にした人なんだろう。
その人が自分の部下を使って、こんな手荒な真似をしてまで仲間に引き入れたいのがネームレスなのだ。
「事態はかなり深刻なようです。王の陣営がVIPルームに立てこもり、セキュリティも逆らえない状態だそうで、」
「でも、どうやって助けるんだ?」
「この付近に、隠し通路への入口があるそうです。」
探すと、確かに人が入れそうな程の穴があった。奥に続いているみたいだ。
「よし、助けに行くぞ、」
「はい!」
狭い隠し通路を歩いていくと、だんだんVIPルームの壁に近づいてきたのか、立てこもり犯たちの声が聞こえてきた。
「いいか、妙な真似すんじゃねぇぞ、王に逆らった奴がどうなるかわかってんだろうな!!」
人質に囚われている人達の泣いている声が聞こえる。
「にしてもとんだ災難だったな、ネームレスさんよぉ、なんのミッションだったんだか知らんが、そのガキを庇って、簡単に捕まりやがって!!」
「それもこれも、お前が隠し通路を発見してくれたからできたことだけどなぁ!!ガキがよォ!!」
「HAHAHA!!!」
彼らが居なければ作戦は成功していたかもしれない。……こればっかりは運が悪かったと言うしかないか……
「これで俺たちも出世出来るぜ!!」
「きっと王のやつ! 俺たちにかなりの地位を与えてくれるぞ!! ……そしたら!!」
「王の首にも手が届く!」
「やっぱ、次の王は俺しか有り得ねぇ!!」
「俺達もあんたしかいないと思ってるぜ!!なぁ兄弟!!」
「HAHAHA!!!」
VIPの地位まで上り詰めて、さらなる出世をめざして、最後には王の首までこの人たちが取ろうとしていた訳か……
他の客はパニックでほとんど逃げ出したが、逃げ遅れた数人がまだ人質として囚われている。
その中にはまりちゃんの姿もあった。
「バギュン!!」
壁に向けた威嚇射撃、壁の向こうに、私たちがいることはもうバレていたようだ。
「後から来たお仲間さんたちも、妙なまねすんじゃねぇぞ、こいつは王に献上する。ネームレスは王の配下となるのさ! そして、その王は殺され、今度は俺が王になる。そしたらネームレスは俺の部下だ!!」
分が悪い……ここからじゃ助けられない……
「だからメールしたんだよ、」
「え?」
そ、そういえば、Tellさんさっき、誰かにメールをしていた……
「誰にメールを?」
「同じ殺し屋仲間のcrallessとPhovia」
「バゴーーン!!」
急に私たちの真向かいにある壁が壊され、crallessさんとPhoviaさんが突撃してきた。
「ドギャンッドギャンッドギャンッ!!!」
crallessさんは華麗な動きで手に持った2丁の銃を操り、弾丸を3発放った。立てこもり犯のメンバー3人がヘッドショットを食らい、そのまま動かなくなった。
「な、ナニィ!!? 反対側にも隠し通路が!!?」
「誰が王の配下になるかってんだ!! 暗殺者舐めんじゃないよォ!!」
「君たちには王になる代わりに、『仏』になって頂きましょう!!」
Phoviaさんが一瞬消えたかと思うと、
「ザシュッ!!」
リーダー格と思われる最後の一人が、首から大量の血を流して倒れた。
「グフぁッ!!?」
「ドタッ!!」
「闇医者に……殺人修道女……何故……てめぇらまで……」
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