カースオブダンジョン~あなたと私の心中旅行~

蛇使い座のな~が

貫くべき信念

「今頃裏切っても遅いぞ……殺し屋、」

「裏切るも何も……最初からあんたの事なんて信用しちゃいなかった……」

彼女はただ静かに……怒りに震えていた……

「何が『意思を尊重』? 何が『真意』?……死にたいなんて言葉が真意なわけないでしょ……? 自分の子供が『死にたい』って言ったら、死にたく無くなるまで説得するのが親の務めでしょ!! そんなくだらない『父親ごっこ』のために……私の守りたい人を巻き込まないでくれる!!?」

「子の行きたい道へと導いてやるのも、親の務めだ、それが例え、『逝きたい』道だったとしてもな……」

「てめェ……!!」

ネームレスは武器を展開してGENNに襲いかかった、

「ネームレス!?」

「無茶だ!! あんな刃2本で、呪いの装備相手に勝てるわけがない!!」

GENNの剣のパワーに押し負け、何本も刃が折れていく、それでもネームレスは新しい刃を展開し、何度もGENNに突っ込む、

「KUMIちゃん!! あたしは絶対に……あんたのことを死なせたりなんかしないよ!!」

ネームレス、 なんで……? なんでそこまでして、私を……?

「あんたの命は、あたしが守るんだ!! だってあんたの命は!! 1度!!」

「はァァァっ!!!」

「バキーーンッ!!!」


 

「呪われた装備は、同じ呪われた武器でしか壊せない」




GENNの呪いの剣の一振で、ネームレスは遠くまで弾き飛ばされた……そして、彼女の呪われた仮面は、GENNの呪われた剣によって粉砕された……

「……他でもない私が……奪ってしまった命だから……」

「あなたは確か……『しの』……?」




「あのさ、本当にやるつもり? どうせデマだとあたしは思うけど?」

「あのさ、しの、私がやりたいんだからわざわざ止めないでよ。」




そうだ……!! あの時、あの場にいた女子グループで唯一、リーダーに反論してくれた『しの』……

「GENN……あんたさえ……あんたさえ居なければあたしは……ッ!!」

「お前はもう用済みなんだよ!!」

「ガキーン!!」

次々と、武器が壊れていく……どんどんネームレスの身体が、ボロボロになっていく……

「ダメだよしの!! このままじゃあなたが死んじゃう!!」

「知るか!! どうでもいいんだよ!! KUMIちゃん以外の生き死になんて!!」

「バキーン!!」

また1本、刃が折れる……折れた刃は空中で回転し、地面に刺さった。

「加勢するしかないか……!!」

「私も戦います!! しのを助けないと!!」

「し……しの?」

「彼女の現世での名前です、彼女のことを知ってるんです!! だから助けないと!!」

「で、でも…… 戦えばまた剣の呪いに……」

「ファイアボール!!」

「ドグォォン!!」

「グッ……!!」

ファイアボールの爆発で、GENNにも少しダメージを与えられたようだ、

「剣を使わない魔法攻撃なら、大丈夫です、」

「……分かった、援護を頼む!!」

「ボクたちにも手伝わせてくれ!!」

いつの間にか、RAYたち、チームAのみんなも来てくれていたみたいだ。

「RAYさん……それにみんなも……!」

「チームA!! 集中砲火だ!!」

RAYさんの指示で、みんながそれぞれの得意な属性魔法を、GENNにうちはなった。

「フレイムブラスト!!」

「サンダーショット!!」

「ウォータースプラッシュ!!」

「タイフーン!!」

「ズギャァァァン!!」

みんなの力が集まって……とんでもない威力の攻撃になっている……




「一点集中…………ッ!!」

「放つ!!!」




ならもし、みんなの攻撃を私がアポルトで集めたら、どうなるんだろう……

きっと、

「ビュンッ!!」

呪いの装備の防御力にも、負けない力となるはずだ!!

「アポルト……ッ!!」

一点集中…………これは炎だけじゃない……色んな属性、それ以上にみんなの絆の力が融合した……

球破融合烈爆きゅうはゆうごうれつばく!!」

「ギュイィィィィン………ドギャァァァァン!!」




「い……今のは……!?」

「ク……KUMIちゃんがやったの……!?」

「いえ……私だけの力なんかじゃ……」

「バタッ……」

「KUMIちゃん!!?」

あまりの疲れからか、私は地面に倒れ込んでしまった。

しのが倒れている私の手を取り、両手で強く握った、

「……大丈夫? spとかスタミナとか、使いすぎてない?」

「大丈夫だよ……ちょっと……疲れちゃっただけ……」

それより、何とかGENNを倒せてよかった。

GENNは満身創痍の体で、なおも立ち上がろうとしている、そんなGENNに、Tellさんはゆっくりと近づいた、

「親父……なんで、こんなとこまで来ちまったんだ……?」

「……私には……もう……お前を救ってやれる方法が……無かった……」

「親父、やっぱり俺……」

Tellさんはゆっくりと、剣を持つ右手を上にあげ、そのまま構えた……

「俺はやっぱり、あんたに対する憎しみを、忘れることなんてできない……」

「え……Tellさん!?」

「Tell!! おい!!」

「許してやれなくてごめん、」

Tellさんが腕を振り上げ……

「くたばってくれ!! 親父ィ!!」

振り下ろす瞬間だった……

「アトラクトサイクロン!!」

「ビュオオオ!!!」

「な、なんだッ!?」

「うぉあああッ!!?」

突然、強烈な風が吹き、何かに吸い込まれそうになった。GENNの体は、その吸引力に耐えきれず、棺桶のような巨大な箱の中へと吸い込まれて行った……

「『憎き親父さんにトドメを』と言いたいところだが、そうは問屋が卸さないんだよなぁ? ケケケ……!!」

「お前たちは……!!」

目の前にいたのは、あの時、クレバスのある雪山で戦った、『HIGAN』と『AsBem』の2人だった。

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