カースオブダンジョン~あなたと私の心中旅行~

蛇使い座のな~が

炎と氷

「よし、まずはどこから攻める?」

「とりあえず相手の出方を伺おう、アミカは今のうちに、攻撃に出せそうなモンスターを召喚しておいてくれ、」

「了解、じゃあまずはこの子をサモン!!」

「ボフンッ!!」

「ガァァウ!!」

アミカの前に現れたのは紅いドラゴンだった、炎属性のようだ、

「頼んだよ! エンジ君!!」

「ガウッ!!」

ボスはまず、マグマを固めた巨大な隕石のようなものをこちらに向けて飛ばしてきた、

「ギャウッ!! ゴォォォォ!!」

「ボシュウ……!!」

しかし、全ての隕石は、エンジの吐く強力な炎に溶かされ、再び溶岩へと逆戻りしそのままマグマ溜りへと落ちていった。

「さすがはファイアドラゴン、ブレス攻撃の威力が半端じゃないな……」

「ファイアドラゴンの炎は、他のドラゴンより高火力だからね、」

「貴様ガ炎ヲ使ウトイウノナラ、私モ炎ダ!! 実力ノ差ヲ思イ知ルガヨイ!!」

ボスが攻撃の構えに入る……

「飲ミ込メ!! 灼熱ノ波ヨ!!」

「ボジュゥゥ!!」

ボスは溶岩に向かって拳を振り下ろし、溶岩の波を発生させた、

「まずい!  逃げ場が!?」

「ギャオウ!!」

エンジが俺たちを翼で覆い隠し、溶岩のダメージから守ってくれた、

「大丈夫!? エンジ君!!」

「ギャオオ!!」

ダメージは負っているようだが、まだまだ元気のようだ、

「拡ガレ!! 白銀ノ世界ヨ!!」

「ビュオオオ!!」

「なっ!?  冷気が!?」

足場を冷気が包んだ、これは、まずい!!

「みんな!! 敵の攻撃に合わせて後ろに避けるんだ!!」

「貫ケ!! 氷ノ槍ヨ!!」

「ガキーン!!」

やはり案の定、俺たちのいる場所に直接攻撃するタイプの全体攻撃だったようだ、地面から出現した巨大な氷の柱を、なんとか全員避けられたみたいだ、

「燃ヤセ!! 豪熱ノ刃ヨ!!」

「ドジュゥゥ!!!」

溶岩がレーザー光線のように一直線に射出される。やつの目から放たれているようだ、

「なっ!? まさかこれって!?」

「Tell!! 危ないよ!!」

間一髪でかわす、しかし、本当に危ないのは俺なんかではなく……

「お前ら、氷の柱から離れろ!!」

「えっ!?」

溶岩のレーザーにより、先程出現した、氷の柱が焼き切られ、倒れて来る……!!

「ギャウッ!!」

「バキィ……!! ドゴォォォン!!」

エンジが氷の柱を頭突きで粉々にしてしまった。アミカさんもNARIELさんも無事だったが……エンジは大丈夫だろうか……?

「ガァァウ!!!」

「エンジ君、大丈夫!?」

「ギャウッ!!」

このボス、今までのボスとは攻撃の性能が違いすぎる……まさか繰り出す攻撃のほとんどが全体攻撃とは……

「かなり分が悪いですわね、こちらの足場は限られているのに、ボスが繰り出すのは、逃げ道のない広範囲攻撃ばかり……」

「このままじゃまずいな……」

このまま耐えるだけでは敵のライフは減らない、突っ込んで見るか……!!

「行けっ!!」

「ギュウウン! カッ!」

クローショットに持ち替え、ボスの周りを浮遊する氷の塊に引っ掛けた、

「食らえっ!!」

「ドジュゥゥ!!」

「グッ!!」

「ギュウウン! カッ!」

こ、こいつ……まさか……!?

「Tell、ダメージは与えられたんですの!? 」

「いや、むしろこっちが喰らった……攻撃するとマグマが吹き出るようになってるみたいだ……」

「そ、それって……!?」

「通常攻撃では倒せないってことだ……」

やはり、なにか策を講じなければ……

「飲ミ込メ!! 灼熱ノ波ヨ!!」

「ボシュウゥ!!」

「こ、この攻撃はまずい!!」

「エンジ君!! 守って!!」

「あれ……?」

溶岩の波の攻撃をエンジが肩代わりする、

「グルル…………」

「ごめんね、痛かったよね、これ飲んで!」

アミカさんはポーションを取り出し、蓋を開けた、エンジは蓋の空いたポーションの瓶の口を器用にくわえ、そのまま中のポーションを流し込んだ。

「ギャウッ!!」

「ごめんね、もう少しだけ頑張って!! 私たちが作戦を思いつくまでの辛抱だから!!」

そういえば、NARIELさんがあれ?って言ってたが、何かに気づいたのか?

「ねぇ、お二人共、上から、雫のようなものが垂れてませんこと?」

「雫?」

「ええ、どこかで、ポチョンっていう音が聞こえた気がするのですけれど……」

上を見上げると、天井には分厚い透明な氷が張っていた……どうやらあの氷に、溶岩の波が当たり、少しずつ溶けているようだ。しかも、この氷を超えた先、地上に繋がっている……?

「そうだ! あの氷を砕けばダンジョンのボスを倒せなくても外に出られる!!」

「なるほど!! ドラゴンに外まで運んでいって貰うんですわね!」

「ああ、その事なんだけどさ……エンジ君は耐久力にそこまで振ってないから、定員2名なんだよね……」

「……だったらもう1匹を呼んでくればいい、外で待っててくれているじゃないか」




「望みは薄いけど……サモン!!」







「背中に人を乗せるのが嫌いみたいで……お願い!! 一瞬だけでいいから乗せて!!」




「もしかして……アイちゃんのこと言ってる……?」

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