カースオブダンジョン~あなたと私の心中旅行~

蛇使い座のな~が

クエストの結果

「ザーーーー……」

「雨、降ってきましたね、」

私達は現在、ルテケト湿原を進もうとしている。

「ぽよん……ぽよん……」

スライムは湿気を好む、ルテケト湿原は湿気が多くスライムたちにとっては楽園のような場所なのだろう、

「ぽよん……ぽよん……」
「ポヨン……ポヨン……」

かわいい小さめのスライムもいれば、

「ボヨン!!………ボヨン!!………」

はねる度に大きな音がするほど巨大な種類もいる。

「でっかいのにはあんまり近づかないようにね、押し潰されたら大変だ、」

こんなに可愛い生き物なのに、危険で近づけないとは、まあ、遠くで跳ねてるのを見てるだけでも、十分癒されるが、

ふと、Tellさんの方を見ると、前までスカルブレードを装備していたのに、いつの間にか青銅の剣に戻っていることに気がついた。

「あれ? 武器、青銅の剣に戻したんですか?」

「ああ、スカルブレードはちょっと軽すぎて辞めた。ある程度重さがないと使いづらくてさ、」

やっぱり、武器は使い慣れたものの方がいいのだろう、

「ボヨンボヨンボヨン……」

あれ? なんか1匹だけこっちに向かって走ってきてない……?

「ボヨンボヨンボヨン……」

「狙われてるな、待ってて、遠くから倒す、サンダーストーム!!」

「バチバチバチィ!!!」

「きゅーー!?」

どうやら、スライムたちは電気が弱点らしい、

「ちょうどいいや、このスライムたちにはサンダーストームの練習相手になってもらおう、」

「えっ!? やめてくださいよ!! こんな罪のないスライムたちを虐殺しないでください!!」

「あっ……後ろ……」

「へっ?」

「ぼよよ~ん……ドサッ!!」

「むぐっ!?」

後ろから近づいてきた巨大スライムの一体が、私に上から覆いかぶさり、体内に取り込まれてしまった、

このままでは窒息してしまう……

「むぐー!!むぐー!!」
(訳:Tellさん!!早く助けてください!!)

「しょうが無いな、今助ける!!」

Tellさんはスライムに勢いよく近づき、

「とりゃっ!!」

「ザシュッ」

軽く一撃を加えた。

「きゅーーー」

「ボフン!!」

衝撃を加えられたスライムは一気に分裂、小さなスライムへと変化したおかげで、何とか空気を吸えるようになった。

「ありがとうございます…………」

死ぬかと思った…………

「巨大なスライムは切ると分裂しちゃうから、最初はサンダーストーム使おうかと思ったんだけど、
それだと一緒にKUMIさんまで感電しちゃうからさ、」

「ただでさえ死にそうな時に追い打ちをかけないでください……」

「ハハ、ごめんよ、でもスライムを甘く見ているからこうなるんだよ?」

たしかにそうだな、可愛い顔して近づいて、私をこんな目に遭わせるなんて許せないや、

「やっ!!」

「ズシャッザシュッ」

「きゅきゅ~」

分裂したスライムは1匹残らず殲滅した。

「よし、行きましょうか、」

「そのスイッチの切り替えの速さ怖いんだけど、」




歩き始めてから数時間後、

「……暑い」
「そろそろ休憩しようか、」

私達は、なるべく地面がぬかるみになっていない場所を見つけ、しばらく休憩した。

「大丈夫?」

「……はい、大丈夫です」

ルテケト湿原は湿度だけじゃなく、気温もかなり高い。雨が降っているからと言って甘く見ていると、熱中症にかかる可能性もある。

「……Tellさん、水、あとどれ位ありますか?」

「まだかなり残ってる、遠慮しないで飲みな?」

「はい、」

Tellさんから水を分けてもらった。これで、あともう少し頑張れそうだ。

「あの……どうかなさいました?」

誰かが話しかけてきた。声のするほうを見ると、人型のスライムが1匹、が心配そうな顔で見ていた。

「ヒューマノイドスライムか、君は敵対しないの?」

「私はあんまり、戦うのとかは苦手で、」

「そうか、じゃあNPCだな、」

「そんなのがいるんですか?」

「たまにいるんだよ、モンスターの格好をしたNPCがさ、」

スライムのNPCか、なにかクエストとかくれるのかな?

「あの、おふたりは冒険者なんですよね?」

「そうだよ?」

「じゃあ、1つお願いがあるんですけど、聞いてくれますか?」

やっぱりクエストだったようだ。

「いいけど、何をすればいいの?」

「『エンプラット町』という所に連れて行って欲しいのです」

エンプラット町か、聞きなれない名前だな。地図にのってたらいいんだけど、

「エンプラット町なら、この湿原を越えて、すぐのところにあるよ?」

「そうなんですけど、実は、さっきまでここら辺に霧がかかってて、見えない中を闇雲に進んだ結果、ここがどこだかわからなくなってしまって、」

アホや、霧が晴れるまで待てば良かったのに……

「だからお願いです! 私をエンプラットまで連れていってください!」

『クエストを受けますか?』

『報酬:ドラゴンダガー』

ドラゴンダガー? なんか強そうな武器だな、

「ダガー系の武器だし、KUMIさんの新しい装備にちょうどいいんじゃない?」

「そうですね、」

「じゃあ、案内してあげるよ、一緒に行こう?」

「はい、お願いします!」

『クエスト発生:鍛冶屋のおつかい』

コメント

  • 蛇使い座のな~が

    しばらく更新できず、皆様にはご心配をおかけしてすみませんでした。またしばらく更新できない日が続くかもしれませんが、連載が続く限りは、物語は続きますので、気長にお待ちください。

    0
コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品