カースオブダンジョン~あなたと私の心中旅行~
調査の結果
「でさ、次の調査の依頼をしたいんだけどいいかな?」
「次の調査? なにか調べ物が出来たのか?」
「まぁね、」
「じゃあ、メンバーランクの格上げの代わりに、その調査を無償でやろうじゃないか、」
「本当か!?」
「ああ、それでもいいぞ?」
「よっしゃ!」
Tellさんが喜んでる。そんなに高いんだ、調査料、
……ていうか、初めからそれでよかったんじゃないのか?
「で、調査というのは?」
「ああ、この人物について調べて欲しい」
Tellさんは金の剣を渡した。
「これは、金の剣か、戦闘で使うよりも、売ってお金にしてしまう方が遥かに得であるとされる、」
不遇だな……金の剣、
「俺が見てほしいのはそこじゃない、柄の部分を見てくれ、」
「柄の部分?」
柄の部分には、名前が刻まれている。あの時に手に入れた。JHARIBANと刻まれた剣だ。
「……ジャリバン」
「えっ?」
「ほら、ここ見てみな、この剣を作った人の名が刻まれている。」
「名前が刻まれている以上、これは、アイテムとして作られたものではなく、アイテム加工によって1から作られたものだ。もしかしたらこの人は、プレイヤーだったのかもしれない。」
「おいおい、この剣は、海賊船の船長が持っていたんだろう?全身が白骨化した骸骨の船長が、長いこと宝物庫に封印していたんだぞ? そんな古くからプレイヤーがいたって言うのか?」
たしかに、そんな何年も前からこのゲームが存在していたなんて、にわかに信じ難いな、
「でも、この世界の全容を知るのには絶好の手がかりだろ?」
「それが本当にプレイヤーの作ったものならばな、」
「どういうことだ?」
「NPCの可能性がある。まぁ、自分の名前を掘るようなNPCは珍しいが、自分の腕に自信のある、有名な鍛治職人なら、名前を掘っていてもおかしくは無い」
「だとしたら、お前が知っているべきじゃないか? その有名な鍛治職人を、」
「いや、私とて知らないこともある。たまたまうちの利用者が全員そいつを知らないという可能性も無くはないだろう?」
かなり、疑問が残るな、このJHARIBANという人、本当にプレイヤーの人なのだろうか?
「まあいい、話はわかった、調べてみるよ、」
「いい情報を期待してるよ、」
「まずは投稿をチェックだな、」
ルシルさんはパソコンを操作し始めた。
「よし、俺達は行こうか、」
「そうだな、外に行ってくれると、仕事の邪魔にならなくてありがたい」
だから何その鼻につく言い方……
「じゃあ、ありがとうございました。ルシルさん、」
「じゃあな、」
こうして私達はルシルさんの仕事場を後にした。
「さて、次はどこに行こうか、」
「今回の黒ギルドの襲撃を考えると、近くの2つの町ではなく、もっと遠くに逃げる方がいいような気がします。」
「じゃあルテケト湿原を越えるか、」
「なんですか?ルテケト湿原って、」
「ああ、トロンティアからまっすぐ北上すると湿地帯に入る。そこがルテケト湿原だ。ほとんどのモンスターは、そのあまりに高い湿度のせいで、暮らしていけないけど、スライムが大量にいるから油断出来ないな、」
スライムか、スライム系統のモンスターなら、結構弱いから、落ち着いて倒せば安全に通れそうだ。
「狙うなら雨の日だな。晴れてる時は蒸し暑くて体力の消耗が激しくなるから、」
「そうなんですね、」
そういえば、この世界って天気予報とかないよな、
「雨はいつ頃に降るんですか?」
「ルシルに聞いてみよう、」
もはや便利やさんだな、ルシルさん、
「おう、帰ってきた。明日の午後1時から5時だと、あと165マニ払えって、」
しっかり金取るルシルさん、天気のことも分かるんだ。
「そういえば、ルシルさんにお金払う時ってどうするんですか?」
「支払い方法?メールのギフト機能を使って、マニを添付するんだよ、」
メールにそんな機能があったのか……
「後で、情報屋ルシルのメールアドレス教えとくから、KUMIさんも使ってみたら?」
「わかりました。そうしてみます。」
と言っても、今は特に調べて欲しいことなんてないんだよな……
「さて、今日はもうゆっくり休んで、明日、ルテケト湿原に向かおうか、」
「そうですね、」
一方そのころ、
「カタカタカタ………」
なるほど、このJHARIBANという男、剣を大量に作っているらしい。どれも元あった剣を模造して作ったもの、しかも、そのどれもが本物と遜色のない性能の剣だ。
利用者達の中にも、このJHARIBANの名が刻まれた剣を所有しているものが数名居た。
JHARIBANとは何者か、という所にはたどり着けなかったが、JHARIBANの印が着いた剣を、『エンプラット町』という所で買ったという投稿があった。
望みは薄いが、行ってみるか……
「次の調査? なにか調べ物が出来たのか?」
「まぁね、」
「じゃあ、メンバーランクの格上げの代わりに、その調査を無償でやろうじゃないか、」
「本当か!?」
「ああ、それでもいいぞ?」
「よっしゃ!」
Tellさんが喜んでる。そんなに高いんだ、調査料、
……ていうか、初めからそれでよかったんじゃないのか?
「で、調査というのは?」
「ああ、この人物について調べて欲しい」
Tellさんは金の剣を渡した。
「これは、金の剣か、戦闘で使うよりも、売ってお金にしてしまう方が遥かに得であるとされる、」
不遇だな……金の剣、
「俺が見てほしいのはそこじゃない、柄の部分を見てくれ、」
「柄の部分?」
柄の部分には、名前が刻まれている。あの時に手に入れた。JHARIBANと刻まれた剣だ。
「……ジャリバン」
「えっ?」
「ほら、ここ見てみな、この剣を作った人の名が刻まれている。」
「名前が刻まれている以上、これは、アイテムとして作られたものではなく、アイテム加工によって1から作られたものだ。もしかしたらこの人は、プレイヤーだったのかもしれない。」
「おいおい、この剣は、海賊船の船長が持っていたんだろう?全身が白骨化した骸骨の船長が、長いこと宝物庫に封印していたんだぞ? そんな古くからプレイヤーがいたって言うのか?」
たしかに、そんな何年も前からこのゲームが存在していたなんて、にわかに信じ難いな、
「でも、この世界の全容を知るのには絶好の手がかりだろ?」
「それが本当にプレイヤーの作ったものならばな、」
「どういうことだ?」
「NPCの可能性がある。まぁ、自分の名前を掘るようなNPCは珍しいが、自分の腕に自信のある、有名な鍛治職人なら、名前を掘っていてもおかしくは無い」
「だとしたら、お前が知っているべきじゃないか? その有名な鍛治職人を、」
「いや、私とて知らないこともある。たまたまうちの利用者が全員そいつを知らないという可能性も無くはないだろう?」
かなり、疑問が残るな、このJHARIBANという人、本当にプレイヤーの人なのだろうか?
「まあいい、話はわかった、調べてみるよ、」
「いい情報を期待してるよ、」
「まずは投稿をチェックだな、」
ルシルさんはパソコンを操作し始めた。
「よし、俺達は行こうか、」
「そうだな、外に行ってくれると、仕事の邪魔にならなくてありがたい」
だから何その鼻につく言い方……
「じゃあ、ありがとうございました。ルシルさん、」
「じゃあな、」
こうして私達はルシルさんの仕事場を後にした。
「さて、次はどこに行こうか、」
「今回の黒ギルドの襲撃を考えると、近くの2つの町ではなく、もっと遠くに逃げる方がいいような気がします。」
「じゃあルテケト湿原を越えるか、」
「なんですか?ルテケト湿原って、」
「ああ、トロンティアからまっすぐ北上すると湿地帯に入る。そこがルテケト湿原だ。ほとんどのモンスターは、そのあまりに高い湿度のせいで、暮らしていけないけど、スライムが大量にいるから油断出来ないな、」
スライムか、スライム系統のモンスターなら、結構弱いから、落ち着いて倒せば安全に通れそうだ。
「狙うなら雨の日だな。晴れてる時は蒸し暑くて体力の消耗が激しくなるから、」
「そうなんですね、」
そういえば、この世界って天気予報とかないよな、
「雨はいつ頃に降るんですか?」
「ルシルに聞いてみよう、」
もはや便利やさんだな、ルシルさん、
「おう、帰ってきた。明日の午後1時から5時だと、あと165マニ払えって、」
しっかり金取るルシルさん、天気のことも分かるんだ。
「そういえば、ルシルさんにお金払う時ってどうするんですか?」
「支払い方法?メールのギフト機能を使って、マニを添付するんだよ、」
メールにそんな機能があったのか……
「後で、情報屋ルシルのメールアドレス教えとくから、KUMIさんも使ってみたら?」
「わかりました。そうしてみます。」
と言っても、今は特に調べて欲しいことなんてないんだよな……
「さて、今日はもうゆっくり休んで、明日、ルテケト湿原に向かおうか、」
「そうですね、」
一方そのころ、
「カタカタカタ………」
なるほど、このJHARIBANという男、剣を大量に作っているらしい。どれも元あった剣を模造して作ったもの、しかも、そのどれもが本物と遜色のない性能の剣だ。
利用者達の中にも、このJHARIBANの名が刻まれた剣を所有しているものが数名居た。
JHARIBANとは何者か、という所にはたどり着けなかったが、JHARIBANの印が着いた剣を、『エンプラット町』という所で買ったという投稿があった。
望みは薄いが、行ってみるか……
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