カースオブダンジョン~あなたと私の心中旅行~
迷走
入口に入ってすぐ、私たちは追ってから逃げながら奥の方へと進んだ。ダンジョン内は古代の遺跡のような、空間が拡がっており、1本の通路が先が見えなくなるほどまで続いている。
「まずいな、ここまで一本道だと、モンスターに襲われた時に逃げ場がなくなる。」
ふと後ろを振り返ると、敵兵たちが追ってきていた。しかし、通路が狭いおかげで、一斉に襲っては来れないらしい。
「おっ! 出口だ!」
通路は、ドーム状の広い空間へと繋がっていた。その先には、また、3つの通路への入口がある。
「どうやら、道が少しずつ枝分かれするダンジョンらしい。」
「追っ手が来る前にどこかに入りましょう!」
「じゃあ、私、右利きだから右に行こう?」
右の通路へと急ぐ、追っ手の方は、それぞれ3手に別れて追ってきているようだ。
「うわぁっ!!?」
突然、アミカさんが叫び声を上げた。
「どうしました!?」
「 今、サソリの赤ちゃんを踏みそうだった!」
「サソリ!?」
よく見ると、壁面をサソリやクモが徘徊しているのが見えた。
「まぁ、毒虫迷宮だからな、」
「踏まないように気をつけないと、刺されたら危険だ、」
これ、追われてる時に入っちゃダメなダンジョンなんじゃないのか……?
虫たちを避けながら、逃げたり、隠れたりを繰り返して、敵の攻撃を避ける。
「はぁはぁ、もう逃げずに戦おうよ、……絶対その方がこんなに疲れないって……」
「無理だな、あいつらをよく見てみろ、あれだけ走っているのに、体力の落ちない奴が何人もいるんだぞ?何とかなる相手じゃない。」
確かに、アミカさんの言うことも一理ある。
この通路なら、敵が襲ってくる方向が一定だから、距離を取りながら戦えば、勝てるかもしれない。
でも、敵の戦闘能力もレベルも分からない上に、相手はあのメリアさんの元で戦っている部隊だ。かなり危険な賭けになるだろう。
「ていうかさ、私たちほんとに逃げれてる?」
「どういうことですか?」
「マーカーストーンなら、ダンジョン用のマップを手に入れないと反映されないぞ?」
「いや、そうじゃなくて、ほら、あそこに巣を作ってる毒グモがいるでしょ?」
見ると、黄色い体色のクモがせっせと巣を作っていた。
「あいつ、さっきも見たんだよね、」
「毒グモなんて、このダンジョン内にならどこにだっているだろう?」
「いや、このタイプのクモは産卵の時にだけ巣を作るから、クモ自体なら見かけるかもしれないけど、巣は何度も見かけないはずだよ?」
じゃあ、本当にループしている……?
「いたぞ!! 捕まえろ!」
「見つかった、逃げるぞ!!」
「はい!」
逃げながら進んでいくとまた、さっきの巣に逆戻りしてしまった。少しずつ巣は大きくなっていき、通路を塞ぐほどの大きさになった。
「やっぱり、ループしているみたいですね。」
「かなり厄介なことになってきたな、」
「これ、今相当やばいんじゃない?」
2人に、若干の焦りが見えてきた。
「まずいな、急がないと、」
「どういうことですか?」
「今、ランタロウはあらゆる障害物をすり抜けているからこの狭い通路を進めているんだ。でも、この通路上で透明化が解けてしまったら、俺でも何が起こるかわからない。」
「もしかしたら、壁に埋まって出られなくなっちゃうかも、」
「あと、どのくらいで透明化は解けますか?」
「タイムリミットは5分だな、それまでにどこか広い場所に出ないと、」
思っていたよりかなりまずい状況だ。敵兵たちの目をかいくぐり、ループから抜け出し、広い場所に出る。これをあと5分でやり遂げなきゃ行けないなんて、
私たちは、ループから抜け出すために、通路の壁に剣で傷をつけながら移動した。通路に少し傷をつける程度なら、壁の模様に同化して敵兵たちも気づかないだろう。
「よし、これで、あと行ってないルートは何個ある?」
「残り、6つです。」
道は複雑な枝分かれを繰り返し、正解のルート以外の道では、行き止まりやループになっている。
「残り時間は?」
「3分だな」
残り時間、3分、時間的に考えて、もう来た道に戻る暇はない、次の1回で決めるしかない。
「あの毒グモ、」
「えっ?」
「俺たちは、あのクモの巣をループしている場合の目印程度に考えていた。でも実際は、あのクモの巣のあとも、道は続いている。」
「でも、あのクモ、通路を塞ぐぐらいでっかい巣を作ってるんだよ?」
「俺がもし、このダンジョンを作るなら、正解の通路は塞いで、先にほかの通路に行かせて時間を稼ぐ」
「でも、どうやって通ればいいんですか?」
「産卵間近の母親には、ちょっと残酷だが、巣を壊すしかないな、」
可哀想に……でも、一刻を争う事態だ。諦めて貰うしか……
「そういうことならちょっと待って、」
アミカさんは、あの時のケースを取り出し、クモを誘導して、ケースに入れた。
 
「この子達は家で様子を見るよ、」
こういう時にアミカさんがいると心強いな。
「じゃあ、KUMIさんお願い、」
「分かりました。ファイアボール!!」
「ボホォ!!」
巣は焼き払われ新たな道が拓かれた。
「見つけたぞ!!」
「お前ら急げー!!」
やばい!! 後ろから敵が来た!!
「時間もあと30秒しかない!!」
急げーーー!!!!
「ビュンッ!!」
無我夢中で駆け抜けると、途中で道は途切れ、切り立った崖になっていた。そこは、ランタロウが元の姿を取り戻すには十分な広さだった。
「ギャオオオオ!!!!」
「まずいな、ここまで一本道だと、モンスターに襲われた時に逃げ場がなくなる。」
ふと後ろを振り返ると、敵兵たちが追ってきていた。しかし、通路が狭いおかげで、一斉に襲っては来れないらしい。
「おっ! 出口だ!」
通路は、ドーム状の広い空間へと繋がっていた。その先には、また、3つの通路への入口がある。
「どうやら、道が少しずつ枝分かれするダンジョンらしい。」
「追っ手が来る前にどこかに入りましょう!」
「じゃあ、私、右利きだから右に行こう?」
右の通路へと急ぐ、追っ手の方は、それぞれ3手に別れて追ってきているようだ。
「うわぁっ!!?」
突然、アミカさんが叫び声を上げた。
「どうしました!?」
「 今、サソリの赤ちゃんを踏みそうだった!」
「サソリ!?」
よく見ると、壁面をサソリやクモが徘徊しているのが見えた。
「まぁ、毒虫迷宮だからな、」
「踏まないように気をつけないと、刺されたら危険だ、」
これ、追われてる時に入っちゃダメなダンジョンなんじゃないのか……?
虫たちを避けながら、逃げたり、隠れたりを繰り返して、敵の攻撃を避ける。
「はぁはぁ、もう逃げずに戦おうよ、……絶対その方がこんなに疲れないって……」
「無理だな、あいつらをよく見てみろ、あれだけ走っているのに、体力の落ちない奴が何人もいるんだぞ?何とかなる相手じゃない。」
確かに、アミカさんの言うことも一理ある。
この通路なら、敵が襲ってくる方向が一定だから、距離を取りながら戦えば、勝てるかもしれない。
でも、敵の戦闘能力もレベルも分からない上に、相手はあのメリアさんの元で戦っている部隊だ。かなり危険な賭けになるだろう。
「ていうかさ、私たちほんとに逃げれてる?」
「どういうことですか?」
「マーカーストーンなら、ダンジョン用のマップを手に入れないと反映されないぞ?」
「いや、そうじゃなくて、ほら、あそこに巣を作ってる毒グモがいるでしょ?」
見ると、黄色い体色のクモがせっせと巣を作っていた。
「あいつ、さっきも見たんだよね、」
「毒グモなんて、このダンジョン内にならどこにだっているだろう?」
「いや、このタイプのクモは産卵の時にだけ巣を作るから、クモ自体なら見かけるかもしれないけど、巣は何度も見かけないはずだよ?」
じゃあ、本当にループしている……?
「いたぞ!! 捕まえろ!」
「見つかった、逃げるぞ!!」
「はい!」
逃げながら進んでいくとまた、さっきの巣に逆戻りしてしまった。少しずつ巣は大きくなっていき、通路を塞ぐほどの大きさになった。
「やっぱり、ループしているみたいですね。」
「かなり厄介なことになってきたな、」
「これ、今相当やばいんじゃない?」
2人に、若干の焦りが見えてきた。
「まずいな、急がないと、」
「どういうことですか?」
「今、ランタロウはあらゆる障害物をすり抜けているからこの狭い通路を進めているんだ。でも、この通路上で透明化が解けてしまったら、俺でも何が起こるかわからない。」
「もしかしたら、壁に埋まって出られなくなっちゃうかも、」
「あと、どのくらいで透明化は解けますか?」
「タイムリミットは5分だな、それまでにどこか広い場所に出ないと、」
思っていたよりかなりまずい状況だ。敵兵たちの目をかいくぐり、ループから抜け出し、広い場所に出る。これをあと5分でやり遂げなきゃ行けないなんて、
私たちは、ループから抜け出すために、通路の壁に剣で傷をつけながら移動した。通路に少し傷をつける程度なら、壁の模様に同化して敵兵たちも気づかないだろう。
「よし、これで、あと行ってないルートは何個ある?」
「残り、6つです。」
道は複雑な枝分かれを繰り返し、正解のルート以外の道では、行き止まりやループになっている。
「残り時間は?」
「3分だな」
残り時間、3分、時間的に考えて、もう来た道に戻る暇はない、次の1回で決めるしかない。
「あの毒グモ、」
「えっ?」
「俺たちは、あのクモの巣をループしている場合の目印程度に考えていた。でも実際は、あのクモの巣のあとも、道は続いている。」
「でも、あのクモ、通路を塞ぐぐらいでっかい巣を作ってるんだよ?」
「俺がもし、このダンジョンを作るなら、正解の通路は塞いで、先にほかの通路に行かせて時間を稼ぐ」
「でも、どうやって通ればいいんですか?」
「産卵間近の母親には、ちょっと残酷だが、巣を壊すしかないな、」
可哀想に……でも、一刻を争う事態だ。諦めて貰うしか……
「そういうことならちょっと待って、」
アミカさんは、あの時のケースを取り出し、クモを誘導して、ケースに入れた。
 
「この子達は家で様子を見るよ、」
こういう時にアミカさんがいると心強いな。
「じゃあ、KUMIさんお願い、」
「分かりました。ファイアボール!!」
「ボホォ!!」
巣は焼き払われ新たな道が拓かれた。
「見つけたぞ!!」
「お前ら急げー!!」
やばい!! 後ろから敵が来た!!
「時間もあと30秒しかない!!」
急げーーー!!!!
「ビュンッ!!」
無我夢中で駆け抜けると、途中で道は途切れ、切り立った崖になっていた。そこは、ランタロウが元の姿を取り戻すには十分な広さだった。
「ギャオオオオ!!!!」
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