カースオブダンジョン~あなたと私の心中旅行~

蛇使い座のな~が

闘いのあとで、

争いあっていた2つの海賊団にも、わだかまりはなくなり、船内で宴が行われた。

「良かったですね。円満に解決出来て、」
「まぁ、そりゃそうなんだけどさ、俺たちは宝を奪いに来ただけであって、」

「ソウデシタ! ナニカオフタリ二宝ヲオワタシセネバ!」
「ナラバ、宝物庫ノカギヲワタソウ、好キナダケ持ッテイクガヨイ」

「船長!? ソンナコトヲシタラ何ヲ持ッテ行カレルカ分カリマセンヨ!?」

「2人ニハ返シキレヌ恩ヲモラッタ、オ前ラノオカゲデ、ワシハ一番大事ナコトヲ思イ出セタカラナ」

「ソレニ、我々二出来ル恩返シハ、コレグライシカナイカラナ」

船長達から、それぞれの船の宝物庫のカギを貰った。

「やった!! ストレージを全部宝で埋めつくしてやろうっと!!」

大丈夫なのかな……それって……

「KUMIさん、早く行こうよ!!」
「えっ……せっかくパーティやってるんだし、お料理楽し見ましょうよ、、あっちの船にも美味しそうな料理いっぱいありますよ?」

「じゃあ、先行ってるね!!」

そう言ってTellさんは一目散に走り去ってしまった。
なんか、自分の取り分まで取られそうだから私も追いかけよう……。




「ガチャッ……ギィィ……」

「おお……!!」

キラキラと金色に光る財宝たちを目の前に、私たちは、言い表せない感動に包まれていた。

「各地ノ海ヲ渡ッテ集メテキタモノダ。好キナダケ持ッテイクガイイ。」

Tellさんは、財宝の中から、1本の剣を手に取った。

「……これは?」
「金ノ剣ダ、」

「金の剣……脆くないのか?」
「他ノ剣ト比ベレバ、確カニ脆イカモシレンガ、十分剣トシテ機能スルダロウ」

Tellさん、金の剣がそんなに珍しいのか、まじまじと見つめている。

「……ジャリバン」
「……えっ?」

Tellさんが謎の言葉を呟いた。

「ほら、ここ見てみな、この剣を作った人の名前が刻まれてる。」

確かに、アルファベットでJHARIBANジャリバンと書かれていた。

「タシカソノ剣ハ、友人カラ譲リ受ケタモノダ。マダワシラガ不死ニナル前ノコトダ」

そんなに古くから剣を作っていた人だったんだ。

「とりあえずこれは持っていこう、あとこれと……これと……」

Tellさんは、宝石類や、金塊などを手に取り、ストレージにしまった。




もうひとつの船の宝物庫も物色し、Tellさんのストレージは宝でいっぱいになった。

「オ前ハ、宝ヲ取ラナイノカ?」
「いえ、Tellさんがあんなに大量に持ってるので、私は少しだけで結構です。」

私は足元に落ちていた綺麗な宝石を何個か手に取り、ストレージにしまった

「ソレダケデイイノカ?」
「はい、」

「よし、これだけあれば大丈夫だろう、そろそろ帰ろうか。」

「ええ、そうですね、」

さぁ、問題はここからだ。

どうやってトロンティア町まで帰るのかだ、

「あれ? ボートは?」
「えっと……アレです。」

そこには、ボスとの激しい攻防に巻き込まれ、変わり果てた姿のエンジン付きボートがあった。

「えっ……これ、どうすんの……」
「……さぁ?」

「仕方ナイ、ココカラ少シ行ッタ先二海賊島ガアル。」

「海賊島?」

「ワシラノ秘密基地ノヨウナ場所ダ、ソコデ下ロス。」

「ヘッヘッヘ!! 聞イテ驚クナ?……ナント、コノ海賊島全体ガ、海賊タチノ隠レ家トナッテイルノダ!!」

「何それめっちゃロマンある!!」

あっ、Tellさんが食いついた……

「マァ、全テ我ラガ父上が創ッタモノダガナ、」

この人のお父さん、何者なんだろう……?

「帰ル目処ガ経ツマデソコデユックリシテイケ」

船長太っ腹過ぎない? 大丈夫かな?

「そうだな、このまま海の真ん中にいるよりはマシだ。」

「今日ハモウ遅イ、オ前ラニ用意デキルヨウナ部屋ハナイガ……」

「いえいえ、そこまでお気を使わないでください。寝袋なら持ってますから、」

なるべく気を遣わせないであげよう。

「ソウカ、スマナイナ」




嵐も晴天に変わり、遠くの方に火山島が見えてきた。

「ホラ! アレガ海賊島デス!」

「おお~! カッコイイな!」

なんかこういう雰囲気、映画で見た事あるな。

「コノ海賊島ニハ、船長ノお父様ガ遺サレタ偉大ナ仕掛ケガイクツモアリマス。」

「ゼヒ、見学シテイッテクダサイ!」

なんか、動物園とかのガイドさんみたいだな……

船が港に着き、錨が降ろされた。

視界の右上に文字のようなものが表示される

『レアマップ開拓!』
『海賊島』

「Tellさん、『レアマップ』ってなんですか?」
「特殊な条件をクリアしないと、たどり着けない場所だよ、」
「特殊な条件……?」
「うん、ここで言うなら、1つ目の条件が『合体した船長を倒すこと』、2つ目の条件が『エンジン付きボートが壊れること』だったんじゃない?」

そんなシステムがあったのか、

「そんなことより行こうよ! 絶対楽しいよ?」

私はもう、秘密基地でワクワクする年齢はとっくに過ぎてるからな……いいな男は、いつまでも子供のままで……

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