カースオブダンジョン~あなたと私の心中旅行~

蛇使い座のな~が

旅の仲間

「じゃあ、そうだな、俺が初めの町から逃げたけど、途中で仲間とはぐれたっていう話は聞いたよね、」

「うんうん、」
「聞いた聞いた、」

みな、寝る前に本を読んでもらう子供のように、興味津々で聞いている。

「今日は、そこで具体的にどんなことが起こったのか、教えてあげよう。」




俺の産まれたドーア町は、頻繁にモンスターが襲ってきた。町にはたくさんの傭兵が居て、よく戦っているところを見ていた。

「やっぱり、この町はおかしい、」

RAYは、とても怖がってた、それでも、俺たちのリーダーとして、必死に作戦を考えていた。この町を出て、安全に暮らせる場所を作るために……

俺たちは、まだ他にプレイヤーがいないか町中を探し回った。
その時、メリアというプレイヤーと出会った。メリアは俺たちに敬語で話す、とても物静かな人だった。

メリアにも協力してもらい、「傭兵たちの目を掻い潜って抜け道を通る」という作戦を考えた。これは、俺たちを襲ってきたモンスターのほとんどが昼行性だったからだ。しかし、普段は大きな砦が邪魔して外に出ることが出来ない。だから、見張りの傭兵が眠っている時間帯に、抜け道を通ることにしたんだ。




「おお! あの脱出劇の裏には、もう1人いたんだね?」

「じゃあ、その子が、Tellさんの探している人?」

あれ? Tellさんの探している人?RAYさんじゃなかったの?

「ああ、そうだ、まだ、メリアとは、連絡が着いてないんだ」




作戦は、最初は上手くいっていた、しかし、予想外のことが起きたんだ。

「グラグラグラグラ…………」
「なんだ!? 地震か……?」
「これはかなりまずいかもしれません……!」

地震で眠りから目覚めたモンスターが暴れ始めたんだ、時刻は4時だった。
俺たちの戦力では決して倒せない相手が、次々に目覚め始める。しかも、地震で眠りから覚めたんだ、かなりの興奮状態になっている。

「ここは、ボクが食い止める!! 君たちは二手に別れて逃げて!!」

「RAY、大丈夫なのか……?」

「安心しろ、頃合いを見て後を追う、ボクに構わず早く行け!!」

「わかった、みんな死ぬんじゃねぇぞ!!」

「おう!!」
「分かりました! 生きて会いましょう!」




「そう言われて俺達は二手に別れた、あとからボロボロになったRAYと再会し、俺が近くの町の病院まで連れてった。」

「そんな過去が……」

今までの話の流れから、RAYさんが、Tellさんの探しているプレイヤーだと思ってたけど、違ったんだ、まさか、もうひとりいたとは……

「そういえば、リーダーからはもうひとり居たなんて話聞かなかったな、」
「脱出したって話は聞いてたけど、その話では、Tellさんとリーダーしか出てこなかったもんな」

「えっ? そうだったんですか?」
「じゃあなんで、もう1人の存在を隠してたんだ……?」

もしかすると、RAYさんは何か知っているのかもしれない、メリアさんの身に何が起こったのか。

「ピロり~ん」

謎の機械音が聞こえ、周りは静まり返った。

「あれ? ざっくたちからメールだ、どうしたんだろう……えっ!?」
「どうした? 何かあったのか!?」

Alphaが驚きながら、心配そうに聞いた。

「大変!! リーダーが犯罪者ギルドの奴らに捕まったって!!」
「なんだと!?」
「area本当か!?」

何が起こっているのかは、わからないが、一刻を争うような緊急事態であることはわかった。
「早く助けに行かないと!!」
「俺たちも行くよ、RAYには借りがあるからな……」
「Tellさんがいてくれたら心強いわね、」

「area、方角は?」
「南南西、こっからかなり近い!」
「弓は持ったか?」
「ちゃんと弓も矢も準備してるよ!」
「ゼット、薬はあとどれくらい残ってる?」
「さっき補充したばっかりだ、いつでも行けるぞ!」

こうやって冷静に指示を出しているところが、さすがはサブリーダーって感じだな。

「みやびは……もう準備できてるみたいだな、」

みやびちゃんはいつの間にか鎧と剣を装備していた。小さめの道具袋も下げており、準備万端といった感じだ。流石はRAY一筋のみやびちゃん、RAYさんの危機を感じてから準備までがめちゃくちゃ早い。

「よし、行くぞ!」




ギルドのみんなは、全員が専用の馬を飼っており、馬にまたがって目的地まで走っていく。TellさんはRAYさんの馬を借りて、私はその後ろに乗せてもらう。
犯罪者ギルドについてTellさんに聞いてみた。

「犯罪者ギルドってどんな人達なんですか?」
「ほかのプレイヤーを殺してアイテムを略奪するような、現実世界では犯罪になることを平気でするプレイヤーのことだよ。『黒ギルド』と呼ばれることもあるかな」

そんな人たちがいるんだ……たしかにここはゲームの世界、犯罪もゲームのルールに反しない限りは許されてしまう。

「黒ギルドたちのように、誰かを殺したり、人道に反する行為をする度に、カルマと呼ばれる値が上昇する、カルマ値の多いプレイヤーは、ネームウィンドウが赤色に変わる」

「なるほど、」

「いい? 今から俺たちが戦う相手は、生身の人間だ、難易度やレベルなんて当てにならない、それに、相手を殺してもいけない、心してかかるんだ……」

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