我が侭な創造神様

なんじゃもんじゃ

創造神様の日常4

 


 ここがこの国の王都か。
 ここにナンパ師のヒューマンが居るんだったな。
 それと賢者のドワーフも居るのか。


 ふむ、この匂いはオークの肉か?
 ・・・美味くない。


 ・・・この王都で色々食ったが王都の食べ物はあまり美味しくない。
 不味いとまでは言わないが、美味いとも言えない味だ。
 ブリュンヒルの方がはるかに美味しかったぞ。
 王都と言っても大した事は無いな。
 食文化はブリュンヒルの方が進んでいる。
 単純に治めている者の政策の違いかな。


 気を取り直して先ずは賢者君を見てみようかな。


 賢者君は・・・
 騎士団の訓練場?
 まぁ良い。
 賢者君は長身のドワーフでストレートヘアーだったな・・・


 ナヴィによれば・・・
 むむむ、なんだコイツは・・・


 いやいやいや、コイツおかしいよね?
 何でドワーフなのに身長が2mもあるの?
 10歳だよね?
 長身って言っても程があるよね?
 ストレートヘアーだし、しかも体ほそっ!
 お前はダークエルフの亜種かっ?!


 まいったなどう見てもドワーフには見えないよ。
 剣の訓練の相手をしている大人のヒューマンの方がドワーフに見えてくるのは何故だ?
 お、剣を受け流してヒューマンを吹き飛ばしたぞ。
 次の相手も一太刀かよ!
 見た目は細いが所謂細マッチョってやつか!
 あ~嬉しそうに剣を振ってるよ・・・脳筋か!


 だが、・・・賢者になる予定なのに魔法の訓練はしないのか・・・能力を見る限りは体ばかり動かしていたんだろうなぁ・・・脳筋賢者って斬新過ぎるだろ?


 はぁぁぁぁぁ、溜息しか出ないな。


 ・・・ま、良いかっ!
 だって魔神はもう大丈夫だし!
 うん、見なかった事にしよう!


 次~


 スラム街かよ。
 まったくナンパ師君はこんな処で何をしているんだよ。


 おろ?
 何でこんな処に貴族がいるんだ。
 あ~、貴族君の取り巻きが子供をボコッてるよ。
 可哀想にボコボコにされて顔の原形無くなってるじゃん。
 何処にでもいるんだな、こういう腐った貴族。


「おい聞いているのか?お前の借金は10万Sになっているんだぞ」
「お、・・おれ・の・・かり・・・のは・・」
「元金と利息を合わせて10万Sだ!」ボコッ


 あ~高利貸しか~
 てか、子供に金を貸すお前たちおかしいだろ!
 あんなボコボコじゃあ、返せるものも返せなくなってしまうぞ。
 頭の悪い貴族だな。


 どれどれ・・・ふ~ん、クリフ・フォン・ブレナン・・・ブレナン侯爵って言う貴族の末の弟か。
 兄の威光を笠に来てやりたい放題ってやつか。
 殴られている方は・・・あら・・・こいつがナンパ師君かよ~
 顔が腫れ上がってナンパどころじゃ無いじゃん!


 どうしよう・・・助けても良いけどあんなのに借金した方も悪いしなぁ~
 死にそうになったら助けてやるか。


 ・・・
 ・・
 ・


 おい、何時までやってるんだ!
 待っているこっちの身にもなってみろ!
 お前らウザ過ぎ!
 バッドステータス付与しちゃうよ?


「む、なんだか体の調子が・・・」
「きょ、今日はこの位にしておいてやる。金を用意しておけよ!」


 やっと帰ったか。
 まったく下衆が権力を背景に好き放題するのは見ていて・・・何とも思わんが、俺の邪魔をするなよな。
 お前たちは一生そのダルさと付き合って生きて行け!
 あ、もう能力が上がる事は無いからね。
 下がる一方だからね。
 頑張って生きて行くんだぞ~


 さてと、このボコボコにされているナンパ師君を如何するかな・・・【幸運】の値がマイナスって・・・他の能力値も軒並み低いし・・・ははは、今までよく生きてこられたね。


「おい、大丈夫か?」
「・・みて・・の・とお・・です・・」


 口の中が切れまくっているか。
 仕方が無いな~『ヒール』


「・・・なっ?」
「これで怪我は治ったぞ」


 最下級のヒールでも俺が行使すれば下界の者のエクストラヒール並みよ♪


「あんた神官なのか?」


 そうか、この世界ではヒールが出来る者は少ないし、できる者は貴族か教会に囲われる奴が多いから俺を神官と思ったのか。


「神官では無いな。俺が神だと言ったら信じるか?」
「はんっ、この世に神なんか居ないさ。神なんかが居たら俺達の様なスラムに生きる者を何とかしろって言ってやるっ!」
「ほう、お前は自分がスラムに居る事が神のせいだと言うのか?」
「俺達がスラムに居るのは貴族のせいだ!だがな、その貴族に権力を与えたのは誰だ?王か?神か?・・・そいつら皆、フザケルナって言いたいぜ!」


 ふ~ん、じゃぁ~ナンパ師君に権力を与えたらどうなるのかな~?
 面白くなるのかな?


「ならば、お前に権力を与えてやろう。どの様な権力を求めるんだ?」
「お前何言ってるんだ?頭大丈夫か?」
「良いから言ってみろ」
「・・・まったく、・・・なら俺を貴族にしてみろ!」


 何だよ、貴族かよ。
 国王とか世界征服とか言うかと思ったけど大した事無いな。
 まったくショボイ奴だな。
 でも10歳ならこんなものなのかな。


 まぁ良いや。
 因果律をチョチョイノチョイと・・・これで良し。


 あ、因果律は簡単に変えてはいけませんからね~
 ナンパ師君が存在力Fだから影響は小さいけど、存在率AとかSの因果律を変えてしまうと大変な事になるからね♪


 え、俺?
 俺は良いの。
 だって創造神様だもん!
 この世界を作った本人なんだからね~


「出来ない「出来たぞ」ろ・・」
「だから出来たぞ。お前がその路地を出たらある女性に出会うのでその女性と結婚しろ。あ、別にお前からアプローチしなくても女性の方から言い寄って来るから流れで良いぞ」


 何んで口を開けて呆けているんだよ。
 お前が貴族に成りたいって言ったんだから、その願いを創造神たる俺が叶えてやるってだけだぞ。
 あ、俺がこんな事するのは珍しいんだからね!


「さぁ、行け!」


 バンっと背中を押してやったらヨロケながら路地を出て女性にぶつかる。
 それがお前の運命の人だ!
 ・・・ナンパとか浮気していると地獄を見るから気をつけてね♪


 よし、これで俺の仕事は終了!
 後はのんびりヘカート見物じゃ~!


『っんな事許すわけ無いだろっ!』


 うぎゃ~
 こ、コウちゃん!


『お前因果律変えただろ!今直ぐ帰って来いっ!御仕置きじゃぁぁぁぁぁっ!』
「ひゃいぃぃぃぃぃっ」




 

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