我が侭な創造神様
創造神様の日常3
よ~っし、遊ぶぞ~!
「ガルゥゥゥっ」
ん、犬コロか。
この体の動きを確認するのには役不足だが良いか。
飛び掛って来た犬コロをスッと体をズラス事で簡単に避け蹴り飛ばす。
「キャンッ」
あれ、もう終わりか?
ちょっと弱過ぎるな。
どれどれ、あ~存在力Gのフォレストウルフだったのか、弱いと思ったらGじゃな~
準備運動にもならないな。
この試作型ボディーBA3A1の性能評価もできないじゃん。
ん~、もっと強そうな相手はっと。
お、居たぞ。
存在力Aのブルードラゴンか。
このボディーの性能確認の肥やしになってくれ!
「ギャオォォン」
「ひょいっと」
うむ、反応は上々だな。
次は攻撃っと。
「グギャッ」
あ、ワンパンで泡噴いてるよ・・・
仕方ないな~次のえも・・じゃなかった評価を手伝ってくれる相手はっと。
「ガルルルゥゥ」
よっと。
ひょいっと。
良し良し、いい感じじゃん。
問題点は解ったしもう良いや。
「キャインッ」
お、ここが魔神が居る町か?!
町の名前はブリュンヒルね。
そこそこ大きな町のようだ。
お、美味そうな食べ物が売っているな。
「おやじ、これは幾らだ?」
「へい、オークの串焼きが1本20Sで、ハイオークの串焼きは1本50Sでさぁ」
「では1本ずつくれ」
「へい、70Sです」
おう、美味いじゃん。
ハイオークってこんな味がするんだ~
神界でもオークやハイオークを飼育するかな~
でもブサイクだしなぁ~
お、こっちはサンドイッチか?
こっちはソーセージか?
あれや、これや、うむ、どれも美味いな。
あまり文化レベルは進んでいないのに食文化はそれなりに育っているじゃん。
これは冒険者ギルドってやつか。
暑苦しい奴らが一杯居るな・・・行く必要なし!
町中は警備兵が定期的に巡回しているし、治安は良さそうだな。
ここからは貴族街か。
おっと、忘れる処だったよ、ステルスモードにしてと、これで良し!
馬鹿な奴が絡んで来ないとも限らないし、それにどこにでも進入できるステルスモードは便利だよね。
それとナヴィを有効にしてと。
ここは騎士団の訓練場か?
「踏み込みがあまいぞっ!動きにメリハリを付けろっ!攻撃されたら完全に受けずに受け流す事を心がけろっ!」
ほ~元気な爺さんだな。
若い騎士団員がまさに子供扱いだぞ。
うわ~いたそ~
ガンバレ若人!
爺さんは年寄りの冷や水と言われないようにほどほどにな。
ここが魔神の居る屋敷か。
ん?これは・・・
「誰か居るの?」
なっ!ステルスモードの俺を感じたのか?
試作型ボディーの不具合か?
・・・不具合では無さそうだな。
「何故居るのが解った?」
「産まれてから殆どベッドの上で過ごして、・・・最近は目も見えなくなったので以前より気配を感じ易くなって・・・でも貴方は初めてお会いする方ですね?他の方とは感じる力も違いますし・・・」
ほう、そこまで解るのか。
ふむ、こいつは・・・なるほど・・・
この子供の体と魂の相性は良く無いからな、無理をしても長続きはしないだろうし・・・
まったく、こんな相性の体にして送り出すとは担当した神は降格だ!
誰が担当したんだ?・・・
あっ!
うん、降格の話はなし!
いや~ビックリだよ!
驚愕の事実を発見してしまったよ!
「酷な事を言うがお前は1年もしない内に死ぬ事になる。・・・生きたいか?」
「・・・貴方は死神様ですか?」
「はんっ、俺は死神程度の下級神ではないぞ!」
「1年・・・ですか・・・大して生きてもいませんが、父上や母上・・・家族は僕を愛し慈しんで下さいました。僕はそれで十分です。・・・でも、僕が死ぬ事で母上をはじめ皆が悲しむのは見たくありません・・・」
生きたいって言われなくて良かった~
魔神の力を抑えた上でこの魂を修復して体に定着させるの大変なんだよな~
それに一つ間違ったらこの世界を破壊する大魔神になっちゃうし~
大体、こんな状態で魔神化したなんて報告誰がしたんだよ!
この魔神はほかっておいても1年も持たずに死ぬじゃんよ。
確認もせず報告した神はぶっ飛ばすっ!
あ、でもそのおかげでこうしてヘカートに来れたし、ちょっとは手加減してやるかな。
「そうか、ならばお前が死んだら別の魂にその体に与えてやろう。そうすればお前は生き続けているものと周囲の者は思うだろう」
その時に魔神の体の調整もできるし、この魂を優遇転生位はしてやれるからな。
我ながら良い事を考えたな!
「序にその時にお前の体を再構築し長生きできる様にしておいてやる。それと次の魂がお前の家族と上手くやっていける様にもしておいてやる」
あの時、転生をさせた直後から魂が崩壊を始めていたんだろうな・・・
魔神の体と相性が最悪の魂だから体が魔神化しても能力を使えない状態か・・・おかげで人類に被害も無かったか・・・
魔神の力にはロックをかけて、死ぬ直前のコール機能を付けて、・・・
「有難う御座います。これで安心して逝けます・・・あ、僕はクリストフ・フォン・ブリュトゼルスと申します。神様の御名前をお教え頂けないでしょうか」
「神界の者共は俺を創造神と呼ぶが名は特に無いな。クリストフには好きに呼ぶ事を許す!」
「創造・・・とっても偉い神様なのですね。では創造神様と呼ばさせて頂きます」
「ふむ、捻りはないのか?」
「・・・申し訳ありません・・・」
まぁ良い!
「最後に・・・残り少ない寿命を1か月分使えばその目を見える様にする事もできるが、どうする?」
え、俺の力で見える様にしてやれって?
俺の力を与えたら魔神の体が力を得てしまって暴走するからしないの!
「本当ですか?最後に母上のお顔が見れるのですね?」
「ああ、その代わり寿命が減るぞ」
「構いません。見える様にして下さい」
「解った。・・・これでお前の目は見える様になった。・・・短いが余生を楽しめ」
「有難うございます!」
よし、これで俺のお仕事の1つは終了だ。
後はナンパ師だが、その前にヘカートを楽しんでと。
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