ガベージブレイブ【異世界に召喚され捨てられた勇者の復讐物語】

なんじゃもんじゃ

ガベージブレイブ(β)_039_ケモミミ姉妹

 


 ゴリアテたちを強化したので伯爵からは報酬として三千万ゴールドをもらった。
 伯爵は国内最高レベルの戦力を手に入れてご満悦のようだ。


 ロッテンは伯爵の家臣に復帰したが、今まで通りの騎士団の大隊長というわけにはいかなかった。
 だから警備隊の小隊長におさまったそうだ。
 警備隊というのは街中の警備の他に伯爵の領内全てを回って魔物を間引いたり盗賊を捕縛したりするのが仕事らしく、ロッテンは魔物を間引く部隊を率いているそうだ。
 そんなロッテンは部隊を率いて魔物討伐に向かっているそうだ。


 そろそろ伯爵邸を引き払う頃合いだな。
 サイドルへおにぎりをまとめて納品して魔物の群れを迎え撃つ準備をしよう。
 その前に。
「ハンナ、サーニャ、これを食え」
「「これは?」」
「お前たちを強化する食べ物だ。さぁ、遠慮せずにどんどん食ってくれ」
「「っ!?」」
 素直に焼き肉を食べた姉妹の顔が驚愕に変わった。
 視界に『体力』が上がったとコメントがでたのだろう。
 俺は構わず色々な肉を食わせる。
 二度、三度と驚いていたが、徐々に驚きがなくなる。
 それが普通なんだと思ったようだ。




 氏名:ハンナ
 ジョブ:武闘王 レベル二十八
 スキル:【棒術】【格闘術】【身体強化】【屈強】【剛腕】【暗視】【俊足】【気配感知】【怪力】【頑丈】【鉄壁】【偽装】【逃げ足】【絶対防御】【手加減】【直感】【影縫い】
 種族スキル:【嗅覚強化】【聴覚強化】
 能力:体力A、魔力E、腕力A、知力C、俊敏A、器用B、幸運F


 NEW : 【剛腕】【暗視】【俊足】【気配感知】【怪力】【頑丈】【鉄壁】【偽装】【逃げ足】【絶対防御】【手加減】【直感】【影縫い】






 氏名:サーニャ
 ジョブ:アウトファイター レベル八
 スキル:【投擲】【腕力強化】【気配遮断】【剛腕】【身体強化】【暗視】【俊足】【気配感知】【怪力】【屈強】【頑丈】【鉄壁】【偽装】【逃げ足】【絶対防御】【手加減】【直感】【影縫い】
 種族スキル:【回避】
 能力:体力C、魔力E、腕力A、知力B、俊敏C、器用A、幸運E


 NEW : 【剛腕】【身体強化】【暗視】【俊足】【気配感知】【怪力】【屈強】【頑丈】【鉄壁】【偽装】【逃げ足】【絶対防御】【手加減】【直感】【影縫い】




 姉妹だからか、同じ獣人だからか、手に入れられるスキルの系統は同じだった。
 それと【影縫い】だけが、唯一『魔力』を消費するスキルだ。
 能力もほぼ二段階アップした。
 レベルがあがれば能力は更に上がるだろうし、スキルも覚えるだろう。


「「ご主人様……」」
「よし、次は装備を創るぞ!」
 と思ったらカナンからストップがかかった。
「ご主人様、先ずはハンナとサーニャの好みを聞いて差し上げてはいかがでしょうか?」
 そりゃ~そうだ、いいこと言うね!


「二人はどんな装備がいいかな?」
「ありがとうございます。私はメイド服でお願いします!」
「え? メイド服? 戦闘用だぞ?」
「ご主人様の給仕をするのは私の役目でございます。ですからメイド服が嬉しいです!」
 こだわりを持っているんだね。
 よし、メイド服だろうがビキニスーツだろうが、創ってやるぞ。
 エンペラードラゴンの素材を【素材保管庫】から取り出して【等価交換】で装備を創っていく。


 伝説のイヌミミブリム : 聴覚強化(極)の効果があるモエモエメイド装備だお~。ご主人様~モフモフですよ~♪
 モエモエメイド服 : 物理攻撃耐性(極)、魔法攻撃耐性(極)の効果があるモエモエメイド装備だ、ご主人様~っ!
 メイドグローブ : 腕力を一ランク上昇させる効果があるモエモエメイド装備!素手で触るなんて……
 モエモエニーハイソックス : 俊敏を一ランク上昇させる効果があるモエモエメイド装備!首に巻くんじゃない!
 モエモエブーツ : 蹴撃威力増大(極)の効果があるモエモエメイド装備!匂いを嗅ぐんじゃない!
 鉄拳サック : 我につぶせぬ物はない!貴様のチ●コもつぶしてやろうか!




 ……相変わらずの説明だな。
 それと犬耳じゃなくて狼耳だぞ? ハンナの矜持は大丈夫だろうかと思ったら、ご主人様が犬だと言えば犬になります! だってさ。
 とてもありがたいことだが、そこまで要望してませんから!
 それから、鉄拳サックの説明は大丈夫なのか? 俺は勘弁だぞ!
「ご主人様、ありがとうございます!」
「おう、死なない程度に頑張れよ」
「はい!」
 何故頭を出してくる……これはケモミミをモフモフしろと言うのか!?
 いいのか? いいんだよな? ケモミミ……はい、御免なさい。カナンさんそんなに睨まないで下さい。
 自分の耳をちぎって頭の上に付けようとしないで下さい。お願いします! ごめんなさい!


「つ、次はサーニャだな。どんなのがいいんだ?」
 俺はカナンから視線を外し見ないようにしてサーニャに視線を固定する。
 ハンナはまだ頭を俺の方に出してくる。嬉しいけどカオスだ。
「はい、私は身軽な革鎧でお願いします!」
 サーニャはカナンとハンナを見ても普通に返してきた。
 今の二人に触れてはいけないと分かっているようだ。
 お兄さんは空気の読めるサーニャがいて嬉しいよ。


「あ、私は【投擲】が攻撃手段ですから、宜しければ投げ斧を頂けないでしょうか?」
「投げ斧? 斧を投げるのか?」
「はい!」
 こわっ!
 投擲武器って斧もありなのかよ!
 短剣とか槍はメジャーだけど斧か~、少しも頭の中になかったわ~。
 それでも俺はサーニャの要望に応えるべく再びエンペラードラゴンの素材を出して装備を創る。




 ケモミミヘッドカバー : 聴覚強化(極)の効果があるケモミミのケモミミによるケモミミのためのヘッドカバーだぞ!
 帝竜の革鎧 : 物理攻撃耐性(極)、魔法攻撃耐性(極)の効果がある革鎧。スリムなあなたにピッタリな一品です!
 帝竜の篭手 : 投擲威力増大(極)の効果がある篭手。スタイリッシュな一品に仕上がってします!
 帝竜の膝当て : 俊敏を一ランク上昇させる効果がある膝当て。この鱗模様がとっても綺麗ですよ!
 帝竜のブーツ : 回避力アップ効果のあるブーツ。お嬢様のようなアクティブな方にピッタリです!
 帝竜牙の斧 : 投擲用の小型斧。四本セットで自己再生機能があり、投擲後は自動で持ち主の元に帰ってくるよ。血まみれなあなたにピッタリな一品です!




 ……ヘッドカバーだけ何故帝竜と付かない!?
 それに何故ケモミミが付く! まるで俺がケモミミ大好き変態と言っているようじゃないか! 俺の趣味のようで極めて遺憾だ!
 いや、好きだけど……。


 更に斧もどうなんだよ? 態々血まみれって説明で言わなくてもいいのに……このフレーバーテキスト書いている奴が誰なのか気になる。
 とはいえ、追及できないんだよな~。


「わ~凄いです! ご主人様、ありがとうございます! お姉ちゃん、見て見て!」
 斧を手に取ってブンブン振り回しながら笑っている美少女の図。カオスだ。
「さ、サーニャも頑張れよ……」
「はい!」


 ひとしきり喜んだ姉妹は俺の前で着替えを始める。
 まぁ、サーニャは服の上に革鎧を着けるからいいが、ハンナは全裸になって着替える。けしからん!
「お姉ちゃん大胆!」
 サーニャがハンナの大胆さに驚愕の表情だ。
「何を言っているのですか! 奴隷たるものご主人様に全てをお見せするのが当然なのです!」
 え? そうなの? そう言えばカナンも俺の前で全裸になっていたけど、奴隷ってそういうものなの?
 ……サーニャは何故脱いでいるのだ?
 おい、やめんか!


「ご主人様、鼻血が……」
 カナンが俺の鼻血を拭いてくれる。
 俺の周りにいる女の子三人はなんてけしからんボディーをしているのだ!


 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 伯爵とアリーたちに別れを告げる。
 ゴリアテが鼻水を流しながら別れを惜しんでくれた。
 それは嬉しいが、抱き着くな!
 ゴリアテを殴り飛ばして集まってくれた奴らと別れの挨拶を交わす。


「寂しくなるな。いつでも遊びにきてくれ」
「短剣ももらっているし、気が向いたらまたくる」
 伯爵は態々門まで見送りにきてくれた。
 普通はそんなことしないだろうに、低姿勢は好感がもてる。


「スメラギ様、また逢う日までご壮健でいて下さい」
「アリーも元気でな」
 キツネミミをピコピコさせて笑顔で見送ってくれる。


 伯爵邸を後にして俺たちはサイドルの店に向かった。
 そこでもサイドルが分かれを惜しんでくれる。
 特にカナンには親同様のサイドルとの別れになる。
 カナンには残っても良いと言ったが、捨て猫のような哀愁漂う目で俺についていくと断言した。
 何だかとても悪いことをしてしまったような気になる。


「そうですか、寂しくなりますね……」
「サイドルの儲けが減ってしまうな、すまん」
「いえいえ、スメラギ様にはカナンを引き取って頂いた御恩があります。その御恩をお返しできていないので心苦しい限りです」
 サイドルの人柄なのか、サイドルは自分の娘でもないカナンの冤罪を晴らし救ったことに恩を感じているようだ。
 でも結局カナンは俺の奴隷に戻ってしまったのだからあまり恩を感じられると俺の方がかえって恐縮してしまう。


 納品も終え、代金ももらったので最後に世話になった礼を言い店を出る。
 向かうはボルフ大森林!


 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「さぁ、行くぞ!」
「「「はい!」」」
 俺は三人を連れてボルフ大森林に入っていく。
 先ずはレベルの上限を無制限にする限界突破の試練を与えようと思う。


 ボルフ大森林の中を進むと丁度よい魔物を見つけた。
 シルバーエレファントという象の魔物で、体が銀色に輝いているので見た目が非常に美しい。
 しかし見た目とは正反対に気性が荒く、怒らすと大木を薙ぎ倒して突進する魔物だ。
 シルバーエレファントのレベルは二百三十なので三段階目の限界突破に丁度良い。


「シルバーエレファントはハンナに殺ってもらう」
「はい!」
 黒霧を構え【手加減】を発動させ切り込む。
 シルバーエレファントの体に三ヶ所の切り傷を付けるとスリープをかけ寝かせる。
 合図を送るとハンナが【身体強化】【剛腕】【怪力】【俊足】を発動させシルバーエレファントに駆け寄り渾身の一撃を放つ。
 衝撃波が周囲に漏れるほどの一撃を放ったハンナだったが、その力に体が耐えられなかったようで右腕が爆散した。
 『腕力』だけを上げすぎて『体力』を上げていなかったし、【俊足】を使って勢いをつけて殴った結果、肉体が耐えられなかったのだろう。


「お姉ちゃん!」
「ハンナさん!」
 ハンナの右手は爆散したが、シルバーエレファントも息絶えた。
 だらだらと肩口から血を流して顔面蒼白で痛みに耐えて歯を食いしばっているハンナ。
 声一つ出さないとはどれだけ我慢強いのかと感嘆する。
「ハンナ、大丈夫か? これを食え」
 歯を食いしばって我慢しているハンナの口に焼き肉を押し込む。
「噛まなくてもいい、飲み込め。カナン、水だ」
「はい!」
 焼き肉を咀嚼できないでいたハンナの口に水を流し込もうとしたが、なかなかうまくいかない。
 焦れた俺は口に水を含みハンナの口に流し込む。
「うぐ、ごく……」
 焼き肉を水で無理やり流し込むとすぐにハンナの右腕が再生しだす。
 右腕の再生が終わったところで念のためにもう二切れ食べさせておく。


「……ご主人様が優しいです……」
 おい、失礼なことを言うな!
 俺はいつでも優しいだろうが!
「ですが、カナンの時はとてもスパルタでした。やはり耳なのですか!?」
「耳じゃないし、カナンだって猿に取り囲まれていたところを助けてやっただろ!」
「む~、そうなのですが~……」


 カナンの言いがかりに憤慨するも俺は紳士なので女性に対し怒りを見せない。
 俺も丸くなったものだと振り返る。
 これもカナンに出会ったからだろうな。
 あのおおらかさ……天然なところが捨てられて荒んだ俺の心を癒してくれているのだろう。
 そういうところではカナンに感謝をしないとな。


「ご迷惑をおかけしました」
 焼き肉効果で右腕も顔色も元に戻ったハンナが頭を下げてくる。
「気にするな。死ななければ俺の料理で直してやれるから無理せず頑張れ」
「はい、ありがとうございます!」


 次はサーニャの番だ。
 サーニャにはレベル二百二十のシルフェリアという魔物だ。
 見た目は可愛らしい愛嬌たっぷりの妖精のような容姿。
 可愛いと思い近付くと愛らしい口がいきなりガバッとあり得ない大きさに開き尖った凶悪な歯で噛みついてくるのだ。
 頭全体が口かと思うほどの変貌ぶりに初めて見た時はかなり精神を削られた記憶がある。


「ハンナの時と同じように弱らせるからトドメはサーニャだ。体力アップ系のスキルも使って強化しろよ」
「はい!」
 ハンナの右腕爆散を見ているのでサーニャも体力強化系のスキルをつかう。
 斧を投げたら腕も一緒についていったでは恐ろしすぎる光景だからな。


 シルフェリアに一瞬で接敵し黒霧を振りぬく。
 悲鳴のような絶叫とともに口がぱくりと開き凶悪な歯が見えるが、そこで【影縫い】を発動し拘束する。
 更にスリープをかけて寝かせれば準備は完了。
 サーニャに攻撃の合図を送ると、ズバンッと重い音がしてシルフェリアの頭部(口)がはじけ飛んだ。
 これはシルフェリアがレベルの割に防御力が紙だったことと、サーニャが投げた帝竜牙の斧の性能のおかげだろう。
 ハンナのときもそうだったが、エンペラードラゴン素材の武器はかなり強力だ。


 

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