神王のスローライフまで
第4章第8話 準備
「龍一様」
「ん?お前はたしか、ラルの部下だったな。」
「はっ、申し訳ございません。敵の行動を素早く察知することが遅れてしまいました。」
敵と聞いて、俺は身構える。
「それで、いつ動くんだ。」
「明日の日没前です。」
厄介だな。
この世界の夜は、暗くてよく見えないんだよ。敵はそれを狙ってきたのか。
でも、
「取り敢えず、俺がなんとかして明るくするよ。ラルをつれてきてくれるか?」
「はっ」
天使の部隊が察知するのが遅れた。
それは、突発的に行われるのかも知れないし、計画的に動いているのかはまだ判断がつかないな。
取り敢えず、夜の明かりは光魔法のライトを応用するか。
「龍一様。」
「来たな。よし、取り敢えず皇帝に報告するか。」
「その必要はない!」
「皇帝陛下!」
「堅苦しいのはよせ。非常事態だな。どうなんだ?」
きっと寝る前だったのだろう。
服装がいつもより柔らかい
「そうです。早く民を避難させないと。」
「そうか、では拡声魔法の準備をしろ。一刻を争うときだ。」
「はっ!」
近くの騎士が、命令を受けて走り出す。
「それで、どうなんだ?」
「えっ、えと、帝都が真っ赤になるかもしれません...... 」
「そんなことは、気にしないでいい。倒せるか倒せないかどっちだ?」
「...... 倒せます。いや、絶対に倒して見せます。」
言い切る。
こんなところでくよくよしてたら駄目だ。
「あい、わかった。好きなだけ暴れて敵を倒してくれ」
「えっ、でも、帝都が...... 」
「そんなもん、国民が生きていたら大丈夫だよ。私達の国民は我慢づよいからね。」
「すみません。たくさんご迷惑をおかけします。」
そう言って、俺は頭を下げる
すると
「いや、こちらこそすまない。本来は私たちが守らなければならないのに、君たちだけに責任を追わせることになってしまった。本当にすまない。」
そう、告げるとカレンのお父さんが頭を下げた。
「いやいや、顔をあげてください。一国の頂点に立つ者が簡単に頭を下げないでください。」
「確かにそうだが、これは一人の父親としての思いも込めているんだ。...... 本当はいけないんだがな。」
その後、帝都に居る国民を何処に避難させるかなどを話し合い、一時的にここから少し離れた草原に簡易テントなどを設置して待機することになった。
他にも、色々な話し合いが続いたが終了したのは、太陽が上ってきた頃だった。
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