新・痛々しく甘いチョコレェト

山田 みつき

17

休憩時間、1階の喫茶店に駆け込んだ。

なんて事だろう。
私は、吉井真冬を救い上げたのに。
長谷川編集長…。
私をどうしたいの?
自らが編集長になって、吉井真冬を部長にするなんて。

長谷川編集長「未だ解らないの?溜息なんか吐いちゃって。」

私「…編集長。お疲れ様です。」

長谷川編集長「少しは解ってくれると思ったのに勿体ない。」

私は震えて煙草の火をつけられなかった。
長谷川編集長がつけてくれた。

長谷川編集長「あのね…先日お話した通り。まさか、貴方が自暴自棄になるとは思わなかった。あれだけ豪語する程仕事にまっとうする人間が、どうして辞表なんて。」

私「私は…先日も申した通り、自分の仕事を貫きたいのです。方針、見直しは検討なさらないのですか?」

長谷川編集長「面白い作品を出す出版会社。コレも、コレも。後、コレも。映画化されたわ。」

私「存じてます。ですが…今時、こんなドロドロとした話なんて通用しない。そもそも私達がどうして少数派を優先しなければならないのですか?」

長谷川編集長「だからよ。そこが売り。他社では必ず出来ない。ウチの会社故に出せる事。」

私「しかし…吉井真冬を何故、部長にするなんて。イジメじゃないですか…!!」

長谷川編集長「貴方は言っている事が矛盾している。貴方は仕事をまっとうすると言っている。ならば、郷に従いなさい。我慢する事を知らなければ永遠に同じお給料のまま。其れで安定?詰まらなくないの?戦場なのに。」

私「私は一定リズムを壊されると駄目なんです…情けない話ですが…。」

長谷川編集長「こんな事を私に話す事の方が情けないと思わない?あとね。」

私「あと…?」

長谷川編集長「吉井真冬の件だけれど。著者でもある、うちの会社では多くの支持者を集めて久しぶりに黒字を叩いたの。」

私「其れは、承知しております。内容も、あの時…病室で…思い出しました。一瞬でも共感を得た私が存在したのは間違い有りません。ですが…!」

長谷川編集長「その事だけれど。あの後…あの事件後…北海道の病院にて意識不明の重体になっていた吉井真冬を救い上げたのは私なのよ。」

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