新・痛々しく甘いチョコレェト

山田 みつき

16

…どうゆう事?
私「失礼。須藤君、これ、お願い。私の都合で申し訳無いんだけれど。」

私は吉井真冬が座って居たデスクから自分の書類を持って、空いた席に座り、須藤君に渡す。

須藤「あっ、すみません!井川さん、これもお願いします!」

私「はぁ…?どうゆう事?」

長谷川「須藤、言う事足りてないよ。教えてあげなさい。」

須藤「あ、僕先程、晴れて主任になりました!」

長谷川「お前、意味解ってんのか?兎に角、ヘラヘラしないで仕事をこなすのよ。」

『おお!主任!』

『よっ!主任~!』

須藤「良かったぁ…やっと平から脱出したぁ!」

…本当に?
本当の話?

その時だった。

吉井「自分の都合で主任に押し付けるとは…ねぇ。」

私のPCを軽々とこなしてる吉井真冬。

長谷川「井川さん。吉井さんは私の右腕だから。宜しくね。」

吉井「宜しく御願いします。改めまして、部長の吉井真冬と申します。編集長、宜しく御願いします。」

長谷川編集長『私も頑張らないとね。』

『パチパチパチパチパチパチ』

えっ?
ちょっと…!!
ちょっと待ってよ。

井川「皆さん…いえ、長谷川、これはどうゆう話ですか?どうして…?吉井真冬は新入社員みたいなものでしょ!どうして…!?」

長谷川編集長「彼女の職歴を見てね、貴方よりも優秀だった事を知ったの。そんなのも解らずに働いていたのなんておめでたい人。」

井川「あ、私、南高卒なんですよ。地理も…偏差値も解りません?」

……やばい。
私には…もう、何も残されては居ない。

須藤「頑張って下さい!僕、入社から井川さんを憧れてましたので、えへへ!隣だなんて光栄ですよぉ!」

長谷川編集長「いいから、須藤!」

須藤「すみません、ゴホッ。」

長谷川編集長「吉井、これ、後から社長に渡す書類。なくしちゃ駄目よ。」

吉井「大丈夫です。憧れて居た場所なので。そして、本当に感謝してます。」

何を話しているのか解らない。
今私が出来る事なんて…。

井川「よ…吉井さん…。いえ、部長。この箇所の…見直しお願いします…。」

吉井「はい、有難う。」

総てを失うのなら、下であるこの私が会社の方針を変えてやる。
届いた原稿を書き殴り、このおかしな会社を生意気な吉井真冬に渡せば解らないだろう。
どうせ同じ北海道でしょ?

長谷川「無駄よ。最終チェックは私だから。貴方の魂胆なんて見え見えだもの。」

終わった…。

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