虹はいつも西の空に浮かんでいる

氷柱雪政

1.スタート

ポチャ、ポチャ」


ピピピ ピピピ ピピピ

朝、6時半目覚ましのアラームと共に俺は朝を迎えた。
朝なのに暗い、窓が1つしかない部屋。
カーテンを開けないとまるで夜だ。
なりっぱなしのアラームを止めてカーテンを開ける。

 「今日も良い天気、良い日だ」

そう呟きながら俺は部屋を出てリビングへ向かう。
普通の家庭では母親もしくは父親が「おはよう」なり言って迎えてくれるのだろうが俺の場合もうその光景などは見ることが出来ない。
両親を亡くした俺には起こり得ないことなのだ。
今は祖父母からの給付などで独り暮らしをできている。

俺はトーストを焼き、冷蔵庫から飲みかけの牛乳を取り、朝を済ませた。
俺の今日の朝は早かった。
祖父母の事情により俺は転校することになっていた。

俺は早めに学校に行くために制服に着替えた。
新しい制服に身を包んだ自分を見て少しにやけてしまった。
俺は新しい制服と共に家を出た。

「いってきます」
この言葉も今は慣れてしまった。

電車に乗り通勤ラッシュに戸惑いながらも俺は何とか目的のホームで降りれた。

駅から徒歩15分程度だっただろうか、学校まではそう遠くない

鼻唄混じりで歩く、足取りが軽い。
新しい学校生活に少し期待している。

川沿いの桜を眺めながら少し視点を上に上げてみると虹がかかっていた。
そういえば昨日は雨が降ってたんだな、と
水溜まりに浮く桜の花びらを見ながらそう悟った。

しばらく桜を見ながら歩いていると一人の女の子が目の前に飛び出てきた。
 それだけ急いでたのだろう
言葉が少し詰まりながらも「ごめんなさい」とその一言だけ言って走っていった。
俺は止めようともしたがよく見ると同じ学校の制服に気づいた。
あとで学校でも会えるだろうと思い俺は学校へ向かった。

予定より5分くらい遅くついた。
やはり早く来たこともあってほとんどの人は来ていない。
俺は職員室に向かった。
先生は誰もいない、早かったのかと思いながらも俺は誰かが来るのを待った。

2分後、一人の先生が俺を探していたのか見つけるなり走ってきた。
どうやら先生が俺より遅かったらしい。

「君が尚人くんだね?」

はい。と答えると、職員室の奥に連れていかれ
教材やバッグ等を貰った。

「8時にはホームルームが始まるからそのときに呼びに来るからそれまでまっていて」

と言われたので俺は持参した小説でも読むことにした。


時間も経ちもうそろそろだろうかと思うと先生がちょうど俺を呼びに来た。
廊下を歩くときは緊張で一杯だった。廊下で待つことになり緊張をほぐすため人を手のひらに書き飲み込んだ。
     深呼吸
教室から入ってくるよう言われたので俺はドアにてをかけた。

ここからが俺の新しい学校生活だ。

そう思いながらドアを開けた。

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