痛々しく甘いチョコレェト

山田 みつき

98 また変わらない鬱 /私はまた困惑する

私の思いは一冊の
紙から奇跡を呼ぶ
かもしれないとい
う事に
私はあまり驚きが
無いという事に
驚いている。

それより望に驚い
た。
私は彼がこの世か
ら消えたとは思っ
てはいなかった。
彼の行動は私が理
解しているのとは
違く、また覆され
てしまった。
私は何を想えばい
いんだろう。
私はどうすれば良
いのだろう。

出版社の人には
考えておきますと
答えた。
一冊にするべきか

けれど私は自分が
想いを書き詰めた
ものを伝えたい為
に出版社に送る結
果になったのだ。
望が何を考えて何
想っているのか、
何がしたくて私と
同じ行動に出てる
のかはわからない
けれど、私だけの
想いだけではない
と意味が無いし、
伝わらない気もす
るし…。

―夜も眠れない日
々が続いた。
いろんな事を考え
いろんな事を想い
私はぼやっと溜息
を吐く。

「望…今どこで何
してるの…」

一人で聴く音楽
一人で見るテレビ
一人で読む本
一人で飲むお酒を
一人で飲み明かし
ながら。

あたり前ではなか
った。
こんな日々はあた
り前だった。
だけど望が居た時
はそれが当たり前
で、そんな事、あ
たり前じゃなかっ
た…。

私はこの現実を受
け止め、日々の実
態が此処に在ると
痛く実感すること
になる。

夢。
夢は夢の儚い夢。

夢には出来ない。
決して出来ないの
よ。

この腕が
抱いている
貴方を抱きしめた
がっている。

無謀な日々。

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