痛々しく甘いチョコレェト

山田 みつき

87 この街最後の… /こうゆう事

真冬「この街最後
だし、お金は充分
だし、明日は何時
に行ってもいいね
。」

望「ねぇ、飲みに
行こう!」

真冬「そうね!こ
の街最後だしね!


ススキノに今すぐ
繰りだそう!
こんなに幸せで、
こんなに楽しい時
は…
飲みに行こう!


私は望とお洒落な
BARのカウンタ
ーごしでニヤけて
た。

望「僕だってカク
テル作れるよ!」

真冬「望前少し、
バーテン経験ある
んだよね。」

望「そう!」

次から次へと梯子
して
カラオケでも大騒
ぎしていた。
真冬はとても、素
敵な笑みで僕と向
き合ってくれた。

望「こんなに可愛
いく素直に楽しそ
うな真冬、初めて
見た。」

真冬「えーそうか
な?でも本当に幸
せだよ。」

―私は
この言葉が自然に
自分の口から出る
事に驚いた。

思う存分に楽しん
で、これこそ彼女
は今が解き放たれ
て居る瞬間。

僕は思った。
とても何気ない、
単純な事かもしれ
ない。
だけど、気付いた
のだ。

望「ねぇ…、真冬
。」

真冬「なぁに?」

望「真冬さ、夜、
辞めるって言った
よね?」

真冬「ウン、もう
上がるわ。」

望「今がこんなに
楽しくて、今この
瞬間がこんなに幸
せなら…」

真冬「…ん?」

望「僕と真冬が居
るだけで本当は毎
日が楽しい筈なん
だ。僕は思ったん
だ。明日から二人
になれる、夜も上
がれるって、今こ
んなに楽しいなら
これからも楽しい
筈だよ!僕が居る
だけで…!」

真冬「…うん?」

望「このお金、今
日使っちゃおう!
この一秒一秒が幸
せなんだ。僕達、
幸せなんだよ。真
冬、あんまり難し
く考えないで、僕
を見て、もっと今
日みたいにもっと
僕と向き合おうよ
!夜も辞めて、も
う一度この街で、
やり直そう!何処
かへ逃げてもまた
追って来る。今日
が幸せなら真冬は
もっと僕と向き合
える筈!やめ!遊
ぼう!」

真冬「望…」

望「ねっ。」

望が言った言葉。
それは私の夢を、
壊したと同時に、
私の要らない何か
も壊れてった。

望が居る。
只それだけで…

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