痛々しく甘いチョコレェト

山田 みつき

85 二人だけの世界 /どうしようも無いくらい、私に閉じ込めたい


望「ただいま。」

真冬「…今日は仕
事休んだの。」

望「…そっか。」

真冬「電話したの
に、望ったら又出
ないし。」

望「御免、御免、
色々あったんだ。


真冬「おいで。」

望「…今は嫌だよ
。」

私は無理矢理望を
抱き寄せた。
望の服から女の子
の香水の匂いがし
た。
だけど私は黙って
いた。

望「真冬ちゃん…
僕もぅいいよ。」

真冬「何よ?」

望「だって僕、真
冬大好きなんだよ
…。」

そう言って望は
泣き崩れた。
私は望をいっぱい
抱き締める。

真冬「ウンウン、
望好きよ、大好き
よ。」

望「真冬ちゃん…
。」

私は今しか無い。
今しか無かった。

真冬「望…あのね
話たい事があるの
。」

望「え…何??」

真冬「私、ずっと
叶えたい夢があっ
たの。」

望「…ウン?」

真冬「望、二人で
此処を出よう。」

望「…えっ!?」

真冬「私は…望が
居れば他に何も要
らないの。私は、
ずっと前から計画
してた。この街を
出て、二人で一緒
に暮らそう。」

私は貯金通帳を、
引き出しから取り
出した。

真冬「見て?」

望「え…凄い…!


真冬「ねぇ、私は
もう少し後に言お
うと思ったんだけ
ど…私は…!望が
帰って来て居ない
のも嫌だし、どう
したらいいか解ん
ないし、どうした
ら望は解ってくれ
るのかいつも考え
てた。この計画は
前から考えてたも
の。私は貴男、そ
う、望しか要らな
いし貴男が欲しい
の。もうこんな街
も嫌なの!望と二
人で…」

望「真冬…僕…御
免ね…知らなかっ
たよ…。」

真冬「いいの、も
う。これからは、
汚い世界を見せな
い、寂しくさせな
い、田舎に住もう
。」

望「真冬…!」

僕は本当に
嬉しかった。
そして
本当に
御免なさい。

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