痛々しく甘いチョコレェト

山田 みつき

78 だから…理由は無いんだってば /僕は真実に、その時したかった事をしただけだ

真実「望…あのね
…。」

望「ん?」

真実「もう私帰る
ね。大丈夫だから
。望の顔見れて、
良かった。」

望「え…何言って
んだよ?」

真実「何言ってん
だよって…何?」

あ、

本当に何言ってん
だろう。

望「あ、いや、今
は俺が居てやる。
こんな時に一人は
寂しいよ。」

真実「本当、望は
優しいの。だから
私は帰る。」

望「呼んだのだっ
て、自分じゃん。
真実はじゃあ俺を
どうして呼んだ?
俺は暇そうだから
か?」

真実「違うよ。」

僕は
真実がこんな時に
なんて事を言って
るんだろう。

真実「これ以上、
側に居たら、私は
きっと、もっとも
っとって、なって
行くから。」

その時真実は、
僕を突き放す様な
背中を見せた。
こんな事を口走っ
て僕に冷たい態度
をとって居る、真
実に混乱し僕は何
かを察した、と言
うか衝動でしか無
かった。

望「真実、俺も出
るよ。」

真実「何処に行く
気?」

望「解んないけど
…。」

僕は真実を
抱き締めてしまっ
た。
酷く硬直した彼女
の体はやがて、僕
に諦めに似た様に
和らいでいった。

真実「望…。」

望「俺は何も言わ
ない。こうしたく
て、どうしても…
。」

真実「望…出よう
…。」

望「ウン。」

僕達は
何も言わず
当たり前の様に、
タクシーに乗り、
ホテル街に進んだ。

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