痛々しく甘いチョコレェト

山田 みつき

54 暴れ出す言葉達 /術なんてないの。滑稽だと笑ってよ


真冬「望、抑え込
むって言うのはこ
うするんだよ。」

―えっ?
真冬ちゃん…?

私は彼の細い手首
を力づくで壁に抑
えつけた。
バスローブの紐が
二本近くにあった
ので、片方は望の
目に、もう片方は
手首に縛りつける


真冬「愛してるわ
。」

私は彼の口唇を塞
ぐ様にして
息の根を止める。

望「…ちょ!何す
んだよっ…!」

目隠しされた望が
必死で暴れてるが
その抵抗は無駄で
私は暴走する。

真冬「ねぇ、それ
で抑え込んでる気
なの?私を嘲笑っ
ているんでしょう
ね。」

私は彼を立たせた
ままで自分からし
ゃがみ込む。

目隠しされた望は
諦めたかの様に
つっ立っている。

私は視界の無い彼
に語り始めた。

愛してるの。

何処にもいかない
で。

貴方を所有した気
なんて一切無いわ


望、私は貴方の

総てが欲しいよ。

お願い。

心が足りない。

もっと私を

揺さぶってよ。

迷いなんて
なくてもイイって


私しか居ないんだ
って

鳴いてみせて。

ねぇ!

私には

望しかいない。


愛してるわ…!

捨てられたくない
のは

あたしの台詞。

もう

私の最後は貴方し
か無いと

感じているわ。

―私は望の
両手首を掴み
立ち膝にさせる。

背後から抱きしめ
ると
バスローブの紐か
ら望の涙が溢れ落
ちた。

真冬「愛してるわ
。愛してるの。」

そう耳元で囁くと
望は体をゾクッと
震わせた。
私は涙で震える声
を抑えるけれど
きっとバレていた


真冬「もう終わり
?さっきの強い口
調は何処にいった
のかしら。」

望「…真冬ちゃん


真冬「…止まらな
いよ?」 
私は床に
彼を抑え込む。
彼の頭の先から
爪先までいたぶり
続ける。

真冬「ねぇ望。私
に、真冬ちゃん愛
して!って私に求
めて鳴いてみせる
の。そして私の名
前を呼んで…。」

望の躯を愛撫し続
ける。

望「真冬ちゃ…ん
…好…きだよぅ…
真冬ちゃん…真冬
ちゃん…」

真冬「もっと言っ
て。私に解る様に
もっと。」

望「真冬ちゃ…ん
…!好きだよぅ…
!愛して…僕を…
愛して…!」

真冬「愛してるわ
望…」

望「真冬ちゃん…
愛…して…る!」

真冬「望…。」

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