痛々しく甘いチョコレェト

山田 みつき

35 通りすがり /ミルクを投げた。ぼくは振り向かない筈で居た

ぼくが可愛いから
だから頭を撫でて
オマケにミルクま
でくれたんでしょ


触れてみたい?
だから餌(飴)を
くれたんでしょ?

ぼくは決して
心は甘えていない
よ。

でも
体温を貸して
何も言わないで
ぎゅってして

通りすがりに
「ミルクと愛想」

偽善だらけの
ミルク
与えてそして
ぼくを捨てる

だからぼくも
ミルクだけしか
要らないよ

触れてみたい?

だったら
最期迄
キミの所有物
(モノ)に

すればいい。
そう思っていた。
それすら要らなく
なったから
ぼくはやっぱり、
ススキノの路上や
路地裏で泣く、独
りで泣くだけしか
ないんだ。
今度は絶対、振り
向かないしミルク
も愛想も要らない


嗚呼、
ぼくの夢の女に
もしも触れる事が
可能なら

貴方が最期なのに

でも貴方は
いつか迎えに
来てくれると言っ

ずっと来ないよ。

そんな毎日。

―そんなときに
いつもぼくが座り
こんでる場所に、
綺麗な女の人が通
っていた。
毎日ではないけれ
ど、結構見かけて
いた。
その人は悲しい顔
をしていて
絶対に振り向く事
をしない人。
だから目も合った
事が無い筈で
ぼくはその人を只
目で追うだけで
なんとなく良かっ
たのだ。
ぼくはその場所で
泣くのが好きだっ
た理由の一つに
彼女の近くで
泣いてたいと言う
風になっていたの
があるかもしれな
い。

でも
まさかとは
少しも思わなかっ
た。

―衝撃だったよ。


―真冬。
ぼくはもう

疲れたんだ。

―助けて

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