29　この手で捕まえる事 /貴方が欲しいモノは何ですか？

望に何があったん
だろう。
何か事件にでも
巻き込まれてたり
して…？

何処に居るの？
…お願い！
望に、何も無い事
祈ってるから。
どうか望の行方を
教えて下さい。

私は走って、スス
キノ近辺を探し回
った。
急いで走る私の顔
はきっとすさまじ
い顔かもしれない
けれどそんな事ど
うでも良かった。

望！望！

沢山探しても
望は見つからない
。

私は泣いて
涙でぐちゃぐちゃ
の顔を拭って望を
探し回る。

その時
自分の顔に気付き
何かと関係ある様
な気がした。

…そうだ！
望と初めて会った
場所。

望と最初に会った
時の彼の顔を思い
出す。

もしかしたらそこ
に居るかもしれな
いと。
私は急いで
家の方を戻る様に
して走った。

さっき通った筈、
だけど私は見落と
していた。
やっぱり私はいつ
も何かを見落とし
ているんだ。
きっと居る筈！

急いで走ってたら
予感は的中した。

真冬「望…！」

望「？…ン…真冬
…？」

望はアスファルト
に寝転んで居た。
まるで
捨て猫みたい。

真冬「望！！」

勢いよく救いあげ
て抱き締めた。
貴方は泣いて

私は
強く
強く
抱き締めた。

寂しい顔をしてい
るね、望。

捕まえてあげられ
なくて御免ね。

きっと望は
寂しかったんだ。
私がきっと
寂しくさせてた筈
。

私は
彼が居なくなると
言う現実から、目
を背けてたんだ。
きっと寂しくなる
のは私の方だって
自分で解っていた
のかもしれない。

臆病なあたし。
許して頂戴。
そして
許さないで。

ちゃんと
向き合うから。
もう寂しく
しないから。

だから離れてった
りしないで。

私には望が
とっても必要なの
。