痛々しく甘いチョコレェト

山田 みつき

21 イイ体 /「ホントに処女?イイ体してるね」

そんな中一の弟、春真は世間で言う「不良」で。
私は女だからと親に押さえつけられていたのは今更の事。
と、言うか遊びたい欲すら失っていた。

きっと思っても押さえつけられる圧力の方が私には怖くて。
だから、その感情が無駄になる。

高校三年で就職が決まらない状態に陥った、
私には、春真はとても面倒な存在だった。
春真だけじゃなく、家族自体も。

そして学校の女の子達も。

私は常に自分自身を、自分だけで楽しませる事だけで終わらせていたので、「友達」と呼べる者は居なく、適当に関わえる人間しか周りに置いてなかった。

私の名前を誰かに呼ばれても、それは心までは届かなくて。
私の名前を呼んでくれる「暖かな」モノに
憧れてはいた。

私は受験戦争真っ只中、残り少ない時間帯で軽く働く事が出来る、スーパーのバイトをしていた。

バイト先で勤務時間が重なる男がいた。
その男は私に、何度も執拗に迫った。

男「君の電話番号教えて?」

仕方なく教える事にした。

受験戦争やアルバイトに明け暮れた私は、男を構う暇も無かったのだが、何処で歯車が狂ったのか、一度だけ遊んでみる事にした。

男の名前は健。

健「ホント真冬さんて、可愛いよね。」

•••かわいい?
私が?

その言葉は、幻の言葉みたいで
無知な私には、総てが意味不明であった。
健は当然の様に、車に私を乗せて公園に停めた。

健「俺と付き合ってよ。」

私は訳が解らなかった。
何を言っているのかさえも。

真冬「あ、はぁ。」
と答えたのを覚えてる。

健「ホント?うれしいな!」

そう言い私を家迄送り返した。

そして。
セックスをする迄に時間は差程、掛からなかった。

ある日いつもみたいに車に乗ってると、ラブホテルに連れて行かれた。

健「真冬、好きだよ。」

私は唖然としてしまい、意味が解らない状態に陥ってる、その矢先に彼は淡々とした様子で私の服を脱がせ、挿入をしてきた。

彼は唖然とした私に対して放った言葉。

健「ホントに処女?エロイ体してるね。」

それは…
私の奥で何かが崩れていく音がした。


「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く