痛々しく甘いチョコレェト

山田 みつき

7 真夏の少年 /その瞳は痛い位に私の心臓を刺した

それは今まで見た事もない色の形をしていた。

言葉にならない
その映像は
痛々しくも
綺麗だった。

「どうしたの?」

問いかける私に怯えながら、どうしようもない少年がそこに居た。

「汚れた」私に、
酷く突き刺さる少年の瞳は
脳内で考える事ではなかったの。

「家に来る?」

何も考えず、私の口先が走る。

すぐに気付いたの。

少年は
汚れた手で顔を擦る。

私はまるで余裕じみた顔をして
地べたに座った少
年の、細い手首を持ち上げる。

小さな手が私の左手を握った時、
なんだか一体化した感じがした。

実は震える私の指先を、キミにはバレないように。

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