うちの居候達が宇宙人なんですけどー!?

双城ユウリ

#1

神峰かみね千紘が夜ご飯を作っていると上の方からドォォォォンと轟音が鳴り響いた。
「今のはっ!?」
音がした自分の部屋へ千紘が入ると砂埃が豪快に舞っていた。
そして、そこには見知らぬ謎の美少女が立っていた。
「いたたた。あ、すみません、ここ神峰千紘様のお宅でよろしかったですか?」
埃を払いながら少女が千紘に尋ねる。
「あ、警察ですか。家に怪し、、」
「ちょ、私怪しい者じゃないですよ〜」
「人の家の屋根を突き破って入ってくるやつなんて普通いねぇよっ!怪しい以外の何者もないわっ!」
「それは申し訳ありませんでした。カクカクシカジカの理由で」
「現実でカクカクシカジカなんて言葉使うやつ初めて見たわっ!」
「すごい、神レベルのツッコミですねっ!。と、申し遅れました、私ベルクーリ星から来ましたミーファ・ベルクーリです」
「・・・・はっ?」
「まぁ、その反応は仕方ありません。ここは神峰千紘様のお宅ですね?」
「え、違いますけど」
「今更否定しないで下さい。表札には神峰千紘様の名前が書かれてましたよ」
「門の前にいたなら屋根から入ってくるんじゃなくてインターフォン鳴らせよっ!」
「だって千紘様に会いたかったんですよ〜」
ミーファが可愛らしく頰を膨らます。
「お前なんで僕のこと知ってたんだよ。僕はお前のこと知らないし」
「順に説明させてもらいますね。私は宇宙管理局の職員で千紘様が何者かに狙われているということを知り、上に報告したところ貴方を護衛しろと命令が下ったんです」
「その宇宙管理局ってのは子供が作った秘密基地みたいなものか?」
「何言ってるんですかっ!宇宙管理局はほんまに銀河系に存在すんねんって」
「何で関西弁なんだよ」
「宇宙管理局は銀河系全ての惑星を管理、保護している秘匿組織のことです」
ミーファがどこから出してきたのかキュッキュッとホワイトボードに絵を描き始めた。
「なんで僕が狙われてるんだよ?」
「千紘様のキュートな顔じゃないですかぁ?痛いです」
千紘がミーファの頭を殴る。
「次、変なこと言ったら海に沈めるからな」
ぐ〜と2人の腹の虫が鳴った。
するとミーファが物欲しそうな顔で千紘を見つめる。
「はぁ、ご飯にしよう」

眩しいくらいの朝日が部屋に射し込み目を覚ます。
「おはようございます、千紘様」
リビングに行くとミーファがいた。
千紘はこの少女のことを本気で忘れていたために最悪の気分となった。
「お前、いたんだな」
「ひ、ひどい。いくら私でもそれは割と傷つきますよ〜」
「てか、朝から何してんの?」
「見て分からないんですか?」
イラっ。
昨日よりも数倍の力で千紘がミーファを殴った。
「分からないから聞いてんだろ。そもそもなんで勝手に居候してんだよっ!地球人以外この家はお断りだっ!!」
「宇宙人差別ですよっ!」
「知らねーよ」
「こんな美少女を外に寝させるんですかっ?」
「ああもうっ!勝手にしろっ!」
「私千紘様のそういう押しが弱いところ好きですっ!」
ミーファが千紘に抱きつきキスをしようとするが千紘はその口を塞ぎソファーに叩きつけた。
「抱きつくなっ、鬱陶しいっ!」
「そんなに照れなくていいですよ〜。恋人同士じゃないですかぁ〜」
「いつ恋人同士になったっ!」 
「昨日ですけど?」
「はっ?何言ってんのこいつ、みたいな顔してんじゃねぇっ!」
「で、ですね。千紘様の為に朝ごはん作りましたっ!ついでに弁当もっ!」
オムレツとベーコン、サラダが盛り付けられスープもある。
「お前料理できるんだな」
「はいっ!そりゃあもう。なぜなら私天才ですから」
えっへんとミーファが胸を誇っているがそれがまた千紘をイラつかせていた。
「いただきます」
「どうですかっ?私の自信作っ!」
「ああ、おいしいよ」
「もっと褒めちぎって下さっても良いんですよっ」
「調子乗るな」
千紘がミーファの頭にチョップした。
「あぅ〜」
「あとご飯中にゲームをするな」
ミーファからゲームを取り上げる。
「学校行かなくていいんですかぁ〜?千紘様」
時計を見ると7:30を回っていた。
学校のHRホームルームが8:30から始まるため30分前には教室にいといておくのだがここから学校が遠いせいでいつも1時間前に出ている。

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