ダンジョンコアになった俺は最強のダンジョンを目指す!

宇宙 のごみ

初! 侵入者



 外の探索を終えてダンジョンの最下層。
 ……といっても2階層しかないのだが、1階層のらせん階段を降りて、ここ大広間へ戻ってくる。
 最近はよくここでコボルとルナで談笑したり、魔法や戦闘の特訓をしている。


「じゃあ、外に出た結果を踏まえて作戦立てようか!」




「はー、もっと探索したかったのに!」
 とルナが言う。




「キュイ!キュイ!」




「まぁ仕方ないよね。――――私たち、見られてたもんね」
 やっぱルナも気付いてたか、二組の目線。




「うん。しかも俺はあの二つの視線、魔力を別々の位置から感じたから恐らく違う勢力だと考えている」
 ここのダンジョンは開放してすぐ2つの勢力に目を付けられていることになる。


 だが偵察係だろうが、あの程度の危険。問題はない。
 一つ懸念があるとすれば、俺が人間を殺せるかどうかだ。
 だがその点も問題ないだろう、こちらの世界でダンジョンコアになってからいやに冷静な自分がいる。


 既に俺は人間では無いのだ。




「でも二つの視線、どっちも強さを感じなかったね。あの程度なら問題ないよ」
 こともなげにルナは言う、確かに俺も考えていたことではある。
 最近のルナは鬼気迫るものがある、普段の特訓も過剰だ。
 それに休憩しようと言ってもしたがらない。


 正直不安定な状態に見える。




「それにユーヤと一緒だもん」




「…………。そうだな」




「キュ!キューイ!」








「ま、魔王様。ちょっといい……ですか?」
 話の最中、なんだか沈黙していたコボルが割り込んでくる。


 その目線の先にはルナの頭の上に搭載されているエンジェルがいる。
 あぁ、野良モンスターを頭の上に乗せて、尚且つダンジョンの最下層に引き入れるとか想定外だよな。


「あー、この子? エンジェル」
 コボルの向けている目線に気付いたルナはそう言うが……違う、違うよ。
 多分、コボルの聞きたいのは名前じゃないよ。


「いや、そうじゃなくて……」 
 お前も言いにくそうにしてんな! 言ったれ!




「仲間にしたの」


「「え……?」」
 そうなの?
 思わず口に出してしまった、コボルから言ってもらうつもりだったのに。


「え? ってさっきユーヤが仲間にしたんじゃない」


「そうなの……?」


「ダンジョンに入る前にエンジェルが仲間に入れて! って言ってたの聞いてダンジョン内に連れて帰ったんじゃないの?」
 え?エンジェル、そんなこと言ってたの? ていうかルナこいつの言ってること分かるの?
 やっべぇ、知らないうちに仲間にしちゃってた。


「私、エンジェルを抱きかかえて渡してくれるからてっきり……」




「あ、あーそういやそうだったかも……。」
 見苦しく取り繕う、取りあえずここはそう言うことにしておくしかない。




「主……」
 なんだよ、コボル。
 こっち見んなよ!








「はぁ、まぁいい。で、魔王……サマ。こっちを見ていた二人の実力はどの程度に感じました?」 
 ……お前どんだけ敬語慣れてない感出してんだよ。
 コボルトの時ちゃんと敬語使えてたじゃねえか。最近ちょいちょい感じてたけどこいつ見た目に合わせてキャラ変えようとしてないか?


 そんな目を向けていたのが分かったのか、全然こっちを見ようとしない。


「コボルも私に様とか敬語とか良いよ? 喋り辛そうだし」
 喋りづらそうにしているコボルを見てそんなことを言うルナ。
 まんまと騙されてる! ただのキャラ付けだぞ!




「…………。確かにしゃべりづらかった、助かる」
 おい、こいつ……。


 ルナは気にしてないように話し出す。
「うん、それで本題なんだけど……さっきも言った通り、少なくとも偵察の実力は大したことないね。私とユーヤで十分だと思う」


 表情はかなり真剣だ。
 ふむ、確かに俺もそう考えている。だが、あれは偵察。
 あくまで参考程度だろう。


「ほう、じゃあ攻め込んできた場合、俺はまたここで待機か。」


「うん、お願い。コボルは隠し玉だからね。」








「俺は?」


「ユーヤは私と一緒に戦ってくれる?」
 ルナの心境の変化。
 あの一件以来、何をするにも"一緒に"そんな提案が増えてきているのだ。
 意欲的に指示を出すようになった。


 それはまるで大事なものを壊さないように、無くなることを恐れているようだった。






「……任せろ!」
 どうしても甘くなっちゃうなあ。




「キュイ!キュ-イ!」


「どちらにしても攻め込んでくるのを待とっか!ポイントはダンジョン内で殺さなきゃDP手に入らないし出来ることも特に無いしね。ということで各自、待機!」


「エンジェルもちゃんと待機してるんだよ?」
 そう言ってルナはエンジェルを自室に連れて行く。
















 殺す……、か。































 ダンジョン開放から数時間、外は夜だろう。
 そんな時、突然異物感を覚える。


 これはダンジョンコアとなった俺の機能だろうか。
 危険とは違う違和感だ。
 人数は1人。


 急いでルナの部屋へ向かう。
 ノックをする。


「ルナ、お客さんだ」




「……うん、わかってる」


 部屋から出てきたルナは魔力を迸らせている。
 準備万端って感じだ。


 研ぎ澄まされた感覚がここまで伝わってくる。


 すれ違いざま、コボルは言う。
「おい、主。危なくなったら魔王を連れて戻ってこい」


 言われなくてもわかってるさ。
 今度こそ守るよ、確実に。






「わかってるさ」
















――――じゃあ、行こう。















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