王国の騎士

吟遊詩人

ヒーローよ。それは何を指す

…私は、勇者に憧れた 
ヒーローに憧れた
騎士に憧れた 
英雄のような、そんな存在になりたいと心から思っていた

だが、大きくなるにつれて才能を持つものが評価をされると知った。
だから努力をし、勉強に精をだし、できる限りのことをやった。

騎士となるために誰かにとって救いとなる。格好のいいヒーローになるために

だが、私は分かってしまった。
努力で上に上がれる人間なんてほんの一握りなんだとそして、騎士というものが政府のコネによって選ばれた者が大半だと

だが、実力を評価され選ばれる事例も存在する。
それを知った時、私はまだ自分は騎士になれると、心から安堵した。
そして、それ以上に実力の証明のために行った試練があまりにも御粗末すぎてこの国のレベルを知った

私は、騎士になった。主席に満点、天才と呼ばれ、
…それだけだった。
退屈だった。

…魔物が現れた、それに喜んでいる自分がいた。
実力が認められる。注目される。評価される。
ずっとそれを求めていた自分に、今初めて気づいた。
だが、

     絶対的な、力の差を、
今、
      初めて、
                   知った。

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