転職先は魔王でした
俺の魔力量
「さて、さっき一時間かけても進まなかった話を再開するか」
「一時間かけたのはお父さんの話でしょ。おかげてステーキも冷めちゃったんだから。ごめんなさい、お父さんは歴史が好きすぎて、話し始めるとなかなか止まらないんです」
「いや、いいよ。結局ほとんど聞き流してた状態だったからな」
   好きなことを語るのに時間がかかるというのはあまり理解できないが、要するに、歴史オタクということなんだろう。
「で、シーノを後継者に出来ない理由はいいとして、どうして俺が選ばれたんだ?」
「魔力量と、シーノの感だな」
   わざと「それでいいのか……」というような顔をしてみる。が、何も反応は無かった。
「まぁ、最初は私の感と言っても間違いないですね。感で話しかけてみて、魔法をかけて、やっと魔力量がわかりますから」
「魔法?かけられた覚えは無いんだが……」
「それは、私のユニークスキルの効果ですね」
   ユニーク……スキル?
   そんな俺の反応を見たシーノとジークは、何かを察したような顔をした。
「これは……また話が長くなるな」
「ですね……あ、でも、隆司さんのせいではないので、決して!」
「あぁ、うん。そのユニークスキルとやらの説明は後でいいから、続きを頼む。これ以上聞いててもショートするだけだし」
   ついでに言うと、説明を長々と聞くのは面倒だから嫌いだ。聞くよりも動いた方が俺は覚えやすい。
「は、はい、わかりました。とにかく、魔法をかけて魔力量を測ったんです。すると、今までに見たことも無いような数値が出まして……その瞬間に決めましたね!貴方だと!」
   どうやらシーノは興奮気味に話すと、倒置法を使う癖があるようだ。
「ちなみに、具体的な数値は?」
「えっとですね、まず、単位はMPと言います。それで、人間の冒険者の平均が約2500MP、私が3622MP、お父さんが1205MP、今までの魔王の平均が約3100MPです。そして、貴方のMPが、16720MPです」
「……は?桁が違ってないか?」
「はい、桁が違います」
   俺はシーノが答えた意味で聞いたつもりはなかったが、今はどうでもいい。さすがに多すぎて戸惑う。
   そしてここで、混乱している俺にシーノが追い討ちをかける。
「更に言っておくと、ドラゴンの平均で約15000MPです」
「ドラゴンよりも上!」
   そう言って、俺は頭を抱えた。
   本当に、どうしてこうなった。普通が一番平和に暮らせるのに……。
「だが、俺もそこまでの数値は初めて聞いたな。何故そんなに数値が高くなったのかは興味がある。後で挨拶ついでにリチムに聞いてみるか」
「リチム?」
「あぁ、この洞窟がある山に住んでいるドラゴンだ。基本寝てるから、ほとんど気配は感じないと思うが」
   ドラゴン……さっき比較に出されて、魔力量が俺より下だと知ってしまったから、なんと言えばいいのかわからない。
   そして、何故俺はドラゴンが存在するということを一瞬で納得したのかもわからない。
「なんだか不安そうな顔をしているが、リチムはお前よりも魔力量が上だ。心配しなくていい。確か、17000以上はあったか」
「心配はそれだけじゃないんだけどな。そのリチムっていうドラゴンは大人しいのか?暴れるなら、一瞬で死ぬ自信があるぞ」
「大丈夫だ。ドラゴンは基本、怒らせない限りは大人しい」
「なら大丈夫か」
「で、話し方から察するに、挨拶にはお前もついてくることはわかっているようだから、行くぞ。今から」
   と言ってジークは俺の腕を掴んで、リチムというドラゴンがいる場所へ連れて行った。
   シーノも一緒についてきていたようだ。
「一時間かけたのはお父さんの話でしょ。おかげてステーキも冷めちゃったんだから。ごめんなさい、お父さんは歴史が好きすぎて、話し始めるとなかなか止まらないんです」
「いや、いいよ。結局ほとんど聞き流してた状態だったからな」
   好きなことを語るのに時間がかかるというのはあまり理解できないが、要するに、歴史オタクということなんだろう。
「で、シーノを後継者に出来ない理由はいいとして、どうして俺が選ばれたんだ?」
「魔力量と、シーノの感だな」
   わざと「それでいいのか……」というような顔をしてみる。が、何も反応は無かった。
「まぁ、最初は私の感と言っても間違いないですね。感で話しかけてみて、魔法をかけて、やっと魔力量がわかりますから」
「魔法?かけられた覚えは無いんだが……」
「それは、私のユニークスキルの効果ですね」
   ユニーク……スキル?
   そんな俺の反応を見たシーノとジークは、何かを察したような顔をした。
「これは……また話が長くなるな」
「ですね……あ、でも、隆司さんのせいではないので、決して!」
「あぁ、うん。そのユニークスキルとやらの説明は後でいいから、続きを頼む。これ以上聞いててもショートするだけだし」
   ついでに言うと、説明を長々と聞くのは面倒だから嫌いだ。聞くよりも動いた方が俺は覚えやすい。
「は、はい、わかりました。とにかく、魔法をかけて魔力量を測ったんです。すると、今までに見たことも無いような数値が出まして……その瞬間に決めましたね!貴方だと!」
   どうやらシーノは興奮気味に話すと、倒置法を使う癖があるようだ。
「ちなみに、具体的な数値は?」
「えっとですね、まず、単位はMPと言います。それで、人間の冒険者の平均が約2500MP、私が3622MP、お父さんが1205MP、今までの魔王の平均が約3100MPです。そして、貴方のMPが、16720MPです」
「……は?桁が違ってないか?」
「はい、桁が違います」
   俺はシーノが答えた意味で聞いたつもりはなかったが、今はどうでもいい。さすがに多すぎて戸惑う。
   そしてここで、混乱している俺にシーノが追い討ちをかける。
「更に言っておくと、ドラゴンの平均で約15000MPです」
「ドラゴンよりも上!」
   そう言って、俺は頭を抱えた。
   本当に、どうしてこうなった。普通が一番平和に暮らせるのに……。
「だが、俺もそこまでの数値は初めて聞いたな。何故そんなに数値が高くなったのかは興味がある。後で挨拶ついでにリチムに聞いてみるか」
「リチム?」
「あぁ、この洞窟がある山に住んでいるドラゴンだ。基本寝てるから、ほとんど気配は感じないと思うが」
   ドラゴン……さっき比較に出されて、魔力量が俺より下だと知ってしまったから、なんと言えばいいのかわからない。
   そして、何故俺はドラゴンが存在するということを一瞬で納得したのかもわからない。
「なんだか不安そうな顔をしているが、リチムはお前よりも魔力量が上だ。心配しなくていい。確か、17000以上はあったか」
「心配はそれだけじゃないんだけどな。そのリチムっていうドラゴンは大人しいのか?暴れるなら、一瞬で死ぬ自信があるぞ」
「大丈夫だ。ドラゴンは基本、怒らせない限りは大人しい」
「なら大丈夫か」
「で、話し方から察するに、挨拶にはお前もついてくることはわかっているようだから、行くぞ。今から」
   と言ってジークは俺の腕を掴んで、リチムというドラゴンがいる場所へ連れて行った。
   シーノも一緒についてきていたようだ。
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