テンプレ幼なじみに俺は憧れを抱かない
特別編 ちょっとした昔の話〜七夕〜
進side
これは俺が高校1年生の時の話である。
その日は、7月7日。
つまりは七夕の日だった。
とはいえ、七夕だからなんだというのだろうか。
小学生の頃に織姫と彦星の話を聞いてから、俺の中では、遠距離恋愛をした男女が1年に1回の逢瀬の日ぐらいにしか思っていない。
(無論、今では小学生の頃とは違い、七夕の起源に関する知識を浅くなら知ってはいるが、子供の頃のイメージを払拭することは出来なかった)
そして、それは俺にはほんと、なんの関係もない。
勝手にしてくれ、と思う。
だからこそ、どうでもいい。
七夕に興味が無い俺がどうしてこんなに七夕のことについて考えているかというとだ、それは……、
「はーい、皆さん、短冊が行き渡りましたかー? 
皆さんの、今年1年のお願いごとをその短冊に書いてくださいねー」
関わることになったからにほかならない。
うちの学校では、七夕の日には、毎年短冊に願い事を書いて、笹の葉につけるという伝統的な行事があるそうだ。
その短冊に書く内容を俺は今考えているわけなのだが……。
「願いねえ……」
生憎、俺は特に願いがある訳でもない。
ましてや、いるかも分からない神様的な存在に何を願えばいいのか?
いや、願うのって星に対してだっけか?
まあ、どっちでもいいんだが。
うーむ。
もう素直に自分の気持ちを書くのがいい気がしてきた。
であれば、
『世の中から面倒臭いことが消えますように』
よし、出来た。
うむ、これは完璧なお願いだろう。
叶えてくれるなら、さっさと叶えて欲しい願いだ。
自分のが出来たら出来たで残りの余った時間が暇だなあ……。
そうだ、亜梨須のやつは何書いたんだろ。
「―――亜梨須」
亜梨須side
「―――亜梨須」
隣の席の進が急に話しかけてきた。
「何よ? 」
「お前、短冊になんて書いた? 」
「秘密」
と、進には言ったものの、まだ何も書いていなかった。
「あんたこそなんて書いたのよ? 」
「ん、秘密だ」
イラッ。
こいつ……。
「あっそ、じゃあ、話しかけないでくれる? 」
また、きつい言い方しちゃった……。
でも、これは進も悪いと思うのよね。
「へいへい……」
そう言って進は自分の席に戻って行った。
うぅ……。
進とは昔はもう少し仲がよかった気がするんだけどなあ……。
なんで、こうなっちゃったんだろ……。
!そうだ。願い事!
『進とこれからもずっと一緒いられます
ように』
って、私は何書いてるのよ!?
正直な気持ちだけど、これ、確か、飾るのよね……?
うぅ……。
でも、進とはずっと一緒にいたいし……。
あぁ、もう絶対に誰も見つからない所に飾ればいいわ!
私は半ば、やけくそになってそう決めた。
この亜梨須の願いが効いたのかは知らないが、その後、2年生になっても2人は同じクラスで席が隣になることとなった。
·····進の方は、ノーコメントである。
進&亜梨須&妃愛蕾side
その夜のこと……。
それは偶然のことだったのか、はたまた必然だったのか、そこは誰にも分からないが、3人の男女、一人はコンビニから寮に帰る途中、一人は生徒会の仕事が遅れて学校から出た時に、一人はそれを見るために自宅から外に出て。
そして、その3人が見上げた夜空には綺麗な天の川が輝いていた。
「「あ、流れ星·····」」
―――同じ夜空を見上げたこの3人が出会うことになるのはあと少しの話である。
これは俺が高校1年生の時の話である。
その日は、7月7日。
つまりは七夕の日だった。
とはいえ、七夕だからなんだというのだろうか。
小学生の頃に織姫と彦星の話を聞いてから、俺の中では、遠距離恋愛をした男女が1年に1回の逢瀬の日ぐらいにしか思っていない。
(無論、今では小学生の頃とは違い、七夕の起源に関する知識を浅くなら知ってはいるが、子供の頃のイメージを払拭することは出来なかった)
そして、それは俺にはほんと、なんの関係もない。
勝手にしてくれ、と思う。
だからこそ、どうでもいい。
七夕に興味が無い俺がどうしてこんなに七夕のことについて考えているかというとだ、それは……、
「はーい、皆さん、短冊が行き渡りましたかー? 
皆さんの、今年1年のお願いごとをその短冊に書いてくださいねー」
関わることになったからにほかならない。
うちの学校では、七夕の日には、毎年短冊に願い事を書いて、笹の葉につけるという伝統的な行事があるそうだ。
その短冊に書く内容を俺は今考えているわけなのだが……。
「願いねえ……」
生憎、俺は特に願いがある訳でもない。
ましてや、いるかも分からない神様的な存在に何を願えばいいのか?
いや、願うのって星に対してだっけか?
まあ、どっちでもいいんだが。
うーむ。
もう素直に自分の気持ちを書くのがいい気がしてきた。
であれば、
『世の中から面倒臭いことが消えますように』
よし、出来た。
うむ、これは完璧なお願いだろう。
叶えてくれるなら、さっさと叶えて欲しい願いだ。
自分のが出来たら出来たで残りの余った時間が暇だなあ……。
そうだ、亜梨須のやつは何書いたんだろ。
「―――亜梨須」
亜梨須side
「―――亜梨須」
隣の席の進が急に話しかけてきた。
「何よ? 」
「お前、短冊になんて書いた? 」
「秘密」
と、進には言ったものの、まだ何も書いていなかった。
「あんたこそなんて書いたのよ? 」
「ん、秘密だ」
イラッ。
こいつ……。
「あっそ、じゃあ、話しかけないでくれる? 」
また、きつい言い方しちゃった……。
でも、これは進も悪いと思うのよね。
「へいへい……」
そう言って進は自分の席に戻って行った。
うぅ……。
進とは昔はもう少し仲がよかった気がするんだけどなあ……。
なんで、こうなっちゃったんだろ……。
!そうだ。願い事!
『進とこれからもずっと一緒いられます
ように』
って、私は何書いてるのよ!?
正直な気持ちだけど、これ、確か、飾るのよね……?
うぅ……。
でも、進とはずっと一緒にいたいし……。
あぁ、もう絶対に誰も見つからない所に飾ればいいわ!
私は半ば、やけくそになってそう決めた。
この亜梨須の願いが効いたのかは知らないが、その後、2年生になっても2人は同じクラスで席が隣になることとなった。
·····進の方は、ノーコメントである。
進&亜梨須&妃愛蕾side
その夜のこと……。
それは偶然のことだったのか、はたまた必然だったのか、そこは誰にも分からないが、3人の男女、一人はコンビニから寮に帰る途中、一人は生徒会の仕事が遅れて学校から出た時に、一人はそれを見るために自宅から外に出て。
そして、その3人が見上げた夜空には綺麗な天の川が輝いていた。
「「あ、流れ星·····」」
―――同じ夜空を見上げたこの3人が出会うことになるのはあと少しの話である。
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