テンプレ幼なじみに俺は憧れを抱かない
第14話 お見舞い
亜梨須side
そして、放課後になり……、
「亜梨須ちゃん、それじゃ、進くんのお見舞いに行こー」
「うん、行こっか」
妃愛蕾さんと私は、進の所へ向かった。
私と妃愛蕾さんは、進の部屋の前まで来て、お見舞いに必要なものが何一つないことに気づいた。
ここあたりのお店をよく知っている私が、
買い出しに行くことになり、妃愛蕾さんには先に進の部屋の中に入ってもらうことにした。
その際に、妃愛蕾さんがインターホンを押そうとしていたので、私が押す必要はないよーと、彼のポストから鍵を取り出して、見せた時に少し顔がこわばっていたのは何故だろう……。
私は急いで近くのスーパーに向かった。
進、私たちがお見舞いに来たって知ったら驚くだろうなあ……。
***
進side
目が覚めると、
少しだけ、風邪の症状が軽くなっていた。
うーむ、やはり寝るって大切な事なんだなあとしみじみ思っていると……、
なぜか、玄関の方で音がする。
 
そして、玄関の扉の鍵が開いた。
え、これうちに泥棒入った?
俺は普段から、鍵をポストに入れっぱなしにしていることを深く後悔した。
今の俺は風邪のため弱りきっている。
こんな状態では、警察に通報してもその間に俺がこの泥棒に捕まえられ、俺の部屋に立てこもられるのがオチだろう。
即座に俺はまだ頭痛の残る頭でそう判断し、
とりあえず、見つからないようにベッドの下へと身を隠した。
ベッドの下から見ていて分かったことがある。
入ってきた泥棒は女性だ。
黒いストッキングを履いていて、スラリと伸びた足だったのですぐに分かった。
そして、その女性がベッドのほうを見て……、
まずい、見つかった!
と思い、俺はいつでも逃げれるように準備をした。
だが、次に女性が言った言葉に、俺は驚いた。
「あれ!? 進くんがどこにもいない!?
進くん、風邪ひいてるのにどこ行っちゃったんだろう……」
そう言って、俺の部屋のトイレや風呂のほうを見に行った。
なんと、俺の名前、さらには、風邪をひいているという、情報まで漏れているらしかった。
ここまで調べているということは、この女性は泥棒で間違いないだろう。
くそ! どうするべきか……。
俺はふと、
相手が女性の泥棒なら今の俺のパワーでも押し切って逃げることが出来るんじゃないか?
と、普段の俺なら考えつかないようなことを今の俺は思いついた。
今の俺は最高に冴えている。
風邪をひいているとは思えないほどに、いつの間にか、頭の痛みはどこにもなく、俺はただ、今ここから逃げることだけを考えた。
「ほんと、進くんどこ行っちゃったの……? 
家の中のどこにもいない……」
ちょうど、泥棒女が戻ってきたようだ。
泥棒女はベッドの方に近づいてくる。
よし、行くなら今じゃないか?
そう思い、俺は自分自身の中にあった小さな勇気を振り絞って、その泥棒の足に掴みかかった!
「きゃっ!」
驚いた女泥棒を、俺はすかさず、素早くベッドからでて、床の上に押し倒した!
よし、これで女泥棒はなにもできない……ってあれ……?
よく見ると、俺が押し倒した相手は謎の女泥棒などではなく、妃愛蕾さんだった。
・・・・・・え、どういうこと?
妃愛蕾さんは妃愛蕾さんで、混乱しているらしく……、
「進くんがベッドの下から!?
でも、今は私の上に……!?
私、進くんに押し倒されたの……? 」
と、言っている。
「妃愛蕾さんがどうして俺の部屋に!?」
「あ、うん……。
亜梨須ちゃんと、進くんのことが心配でお見舞いに来たんだけど……、
まさか、進くんにこんなことされちゃうなんて……」
妃愛蕾さんは、少し頬を赤くしてそう言う。
「いや、妃愛蕾さん、誤解だからな!?
俺はてっきり泥棒が入ってきたのかと思っただけで……、
ちょっと待った……、妃愛蕾さん?
今、誰と一緒に、お見舞いに来たって言った?」
「へ?亜梨須ちゃんだよ?
進くんのお見舞いに必要なものを買いに行ったから、そろそろ戻ってくるんじゃないかなあ?」
俺は改めて、今の自分の現状を振り返る。
妃愛蕾さんのことを押し倒し、彼女の手足を自分の手で抑えている俺。
そして、そんな俺が押し倒している妃愛蕾さんは、少し頬を赤くして、こちらを見ている。
・・・・・・これ、アウトなやつ。
どうやっても言い逃れできる気がしない。
こんなことしてる場合じゃない!
とりあえず、妃愛蕾さんの上から降りないと……、
その時、玄関の扉が開き、
「妃愛蕾さーん、進の具合は大丈…………」
買い物袋を持った亜梨須が入って来て、こちらを見て固まった。
「あ、亜梨須さん?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ふーーーーーーん、へぇーーーーーーー」
亜梨須が無表情になり、冷たく、抑揚のない声で、そう言った。
「いや、亜梨須違うんだ。これは、誤解なんだ」
自分でも、なぜ、焦っているかわからないが、勢いで返してから、浮気を見られた男のような反応をしているなと思う。
その俺の弁明に亜梨須は、
「何が誤解なのかしら?す・す・む?
それじゃあ、あとはお二人でお楽しみくださいー。
邪魔者の私は帰るから……」
そう、棒読みで言い、亜梨須は玄関に買い物袋を置いて、強めに玄関の扉を閉め、部屋を出ていった。
なにこの修羅場……。
そこで、俺の体は自分が風邪だったことをいきなり思い出したかのように、だるくなり、
俺の意識を持っていった……。
最後に聞いたのは……、
「」
という、妃愛蕾さんの声だった。
そして、放課後になり……、
「亜梨須ちゃん、それじゃ、進くんのお見舞いに行こー」
「うん、行こっか」
妃愛蕾さんと私は、進の所へ向かった。
私と妃愛蕾さんは、進の部屋の前まで来て、お見舞いに必要なものが何一つないことに気づいた。
ここあたりのお店をよく知っている私が、
買い出しに行くことになり、妃愛蕾さんには先に進の部屋の中に入ってもらうことにした。
その際に、妃愛蕾さんがインターホンを押そうとしていたので、私が押す必要はないよーと、彼のポストから鍵を取り出して、見せた時に少し顔がこわばっていたのは何故だろう……。
私は急いで近くのスーパーに向かった。
進、私たちがお見舞いに来たって知ったら驚くだろうなあ……。
***
進side
目が覚めると、
少しだけ、風邪の症状が軽くなっていた。
うーむ、やはり寝るって大切な事なんだなあとしみじみ思っていると……、
なぜか、玄関の方で音がする。
 
そして、玄関の扉の鍵が開いた。
え、これうちに泥棒入った?
俺は普段から、鍵をポストに入れっぱなしにしていることを深く後悔した。
今の俺は風邪のため弱りきっている。
こんな状態では、警察に通報してもその間に俺がこの泥棒に捕まえられ、俺の部屋に立てこもられるのがオチだろう。
即座に俺はまだ頭痛の残る頭でそう判断し、
とりあえず、見つからないようにベッドの下へと身を隠した。
ベッドの下から見ていて分かったことがある。
入ってきた泥棒は女性だ。
黒いストッキングを履いていて、スラリと伸びた足だったのですぐに分かった。
そして、その女性がベッドのほうを見て……、
まずい、見つかった!
と思い、俺はいつでも逃げれるように準備をした。
だが、次に女性が言った言葉に、俺は驚いた。
「あれ!? 進くんがどこにもいない!?
進くん、風邪ひいてるのにどこ行っちゃったんだろう……」
そう言って、俺の部屋のトイレや風呂のほうを見に行った。
なんと、俺の名前、さらには、風邪をひいているという、情報まで漏れているらしかった。
ここまで調べているということは、この女性は泥棒で間違いないだろう。
くそ! どうするべきか……。
俺はふと、
相手が女性の泥棒なら今の俺のパワーでも押し切って逃げることが出来るんじゃないか?
と、普段の俺なら考えつかないようなことを今の俺は思いついた。
今の俺は最高に冴えている。
風邪をひいているとは思えないほどに、いつの間にか、頭の痛みはどこにもなく、俺はただ、今ここから逃げることだけを考えた。
「ほんと、進くんどこ行っちゃったの……? 
家の中のどこにもいない……」
ちょうど、泥棒女が戻ってきたようだ。
泥棒女はベッドの方に近づいてくる。
よし、行くなら今じゃないか?
そう思い、俺は自分自身の中にあった小さな勇気を振り絞って、その泥棒の足に掴みかかった!
「きゃっ!」
驚いた女泥棒を、俺はすかさず、素早くベッドからでて、床の上に押し倒した!
よし、これで女泥棒はなにもできない……ってあれ……?
よく見ると、俺が押し倒した相手は謎の女泥棒などではなく、妃愛蕾さんだった。
・・・・・・え、どういうこと?
妃愛蕾さんは妃愛蕾さんで、混乱しているらしく……、
「進くんがベッドの下から!?
でも、今は私の上に……!?
私、進くんに押し倒されたの……? 」
と、言っている。
「妃愛蕾さんがどうして俺の部屋に!?」
「あ、うん……。
亜梨須ちゃんと、進くんのことが心配でお見舞いに来たんだけど……、
まさか、進くんにこんなことされちゃうなんて……」
妃愛蕾さんは、少し頬を赤くしてそう言う。
「いや、妃愛蕾さん、誤解だからな!?
俺はてっきり泥棒が入ってきたのかと思っただけで……、
ちょっと待った……、妃愛蕾さん?
今、誰と一緒に、お見舞いに来たって言った?」
「へ?亜梨須ちゃんだよ?
進くんのお見舞いに必要なものを買いに行ったから、そろそろ戻ってくるんじゃないかなあ?」
俺は改めて、今の自分の現状を振り返る。
妃愛蕾さんのことを押し倒し、彼女の手足を自分の手で抑えている俺。
そして、そんな俺が押し倒している妃愛蕾さんは、少し頬を赤くして、こちらを見ている。
・・・・・・これ、アウトなやつ。
どうやっても言い逃れできる気がしない。
こんなことしてる場合じゃない!
とりあえず、妃愛蕾さんの上から降りないと……、
その時、玄関の扉が開き、
「妃愛蕾さーん、進の具合は大丈…………」
買い物袋を持った亜梨須が入って来て、こちらを見て固まった。
「あ、亜梨須さん?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ふーーーーーーん、へぇーーーーーーー」
亜梨須が無表情になり、冷たく、抑揚のない声で、そう言った。
「いや、亜梨須違うんだ。これは、誤解なんだ」
自分でも、なぜ、焦っているかわからないが、勢いで返してから、浮気を見られた男のような反応をしているなと思う。
その俺の弁明に亜梨須は、
「何が誤解なのかしら?す・す・む?
それじゃあ、あとはお二人でお楽しみくださいー。
邪魔者の私は帰るから……」
そう、棒読みで言い、亜梨須は玄関に買い物袋を置いて、強めに玄関の扉を閉め、部屋を出ていった。
なにこの修羅場……。
そこで、俺の体は自分が風邪だったことをいきなり思い出したかのように、だるくなり、
俺の意識を持っていった……。
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「」
という、妃愛蕾さんの声だった。
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