一つの世界で起こる、万の人々が紡ぐ数多くの物語。書物に残された文字は、忘れられた歴史の記録を残す。
27 作戦遂行率0%
二度目三度目と続く襲撃に、俺はホトホトうんざりしていた。 あの四人は、どれ程痛めつけても、五分もしない内に復活して来ている。 まるでゾンビを見ている様だ。
あの四人とは意思の疎通も難しそうだが、アーモンの知り合いだと言う事は何となく分かる。 もうこの男をあの四人に渡しても良い所だが、それで状況が良くなるのかも不明だった。 悪化する可能性もある気がする。
しかし、しかしだ、この馬鹿と永久に仲良しごっこ等したくない。 この繋がれた手も、何方かというと今直ぐ握り潰したいぐらいだ。 二度と会わない為にと頑張っていたんだが、もうこれ以上は無理、俺の我慢の限界だ! あの四人にやられた振りをして逃げてしまおう。
いや待て、もっといい方法がある。 ライリスはこの四人に攫われた事にしてしまおう。 それならシナリオ的にも大丈夫な気がする。 そうしよう、そうしてしまおう!
「良し、それで行こう!」
「え? 何ですか?」
「何でもないです、ほほほ。 ・・・・・あ、ちょっと便所に。」
「え、ああはい行ってらっしゃい。」
俺はアーモンと別れて紙とペンを買うと、アーモンに渡す為の手紙を書いていくことにした。 これはライリスが攫われたと知らせる手紙だ、なるべく丁重に書かなければ。
さて、内容はと、あの四人の仲間に攫われて、私は連れ攫われてしまいました。 アーモンさん、私の為に助けに来てくださいっと。
これだと何処に助けに行くのか分からないか? じゃあ海を越えた国へと売られるみたいです。 で良いか。
連れ去った男の特徴は、左目に赤い丸の入れ墨で、左腕にはハートのマークがついた筋肉質で女装した男だったと。 良し書けた! これを持ってあの男に渡さなければ。
俺は空を飛ぶと、アーモンの頭上へと手紙を落とした。 それは見事に命中し、アーモンの髪の毛にサクッと突き刺さっている。 俺はそのまま数秒待った。
「・・・・・。」
「ライリスさん遅いなぁ。 もしかして大きい方かな? もう少し待ってみるか。」
「気付けよ!」
「ん? 上から何か声が? ・・・・・気のせいかな?」
危ない危ない、あまりの鈍感さに、俺は思わす突っ込んでしまった。 此方を向く前に隠れられたけど、もう少しで見つかる所だった。 俺は地上に降りて、アツシという男の姿へと変身した。 鈍感馬鹿男の所為で、ドンドン俺の手間が増えてる気がする。 本当に面倒臭いが、俺はアーモンに気づかせてやる事にした。
「おいそこのお前、頭に何か刺さってるぞ。 それ手紙じゃいのか?」
「? それ俺の事ですか? 何の冗談か知りませんけど、そんな物頭に刺さってる訳が無いでしょう。 そういうイタズラは止めてくれませんか。」
「いや、イタズラじゃなくてだなぁ。 たぶん上から振って来たんだろ、良いから頭を触ってみろよ。」
「そんな物が頭に当たったら、俺が気付かないはずがないじゃないですか。 それ以上言うなら怒りますからね。」
実際気づいて居ないだろうが! クソッ、本気で面倒臭いなコイツ! だがこのまま粘っても、この男は俺の言う事を聞かないだろう。
「後で後悔しても知らないからな!」
俺はそんな捨て台詞を残し、この場から立ち去った。 何だか小悪党にでもなった気分だ。 しかし手紙の事を気付かさせなければならないので、俺はもう一度別人になって接触していくのだが、この男は一切聞く耳を持ってくれない。
もう最後の手段を使うしかない。 俺はレインの姿に変化して、あの男へと接触を図った。
「こんにちはアーモンさん。」
「あ、レインさん。 レインさん? あれ、何か違うような? なんだか頭がモヤモヤして・・・・・う~ん何だったか?」
ク゚ッ、此奴の記憶が戻ったら途轍もなく不味い。 とっとと要件を済まさないと。
「レインですよアーモンさん。 それより頭に何か落ちていますよ。 取ってみたらどうでしょうか?」
「え? 頭にですか? さっきからずっとそんな事を言われてたんですけど、本当に? あ、本当だ。 ありがとうございますレインさん、今まで気づきませんでした。」
遅いんじゃコラ! 叫び出しそうだった俺だが、無駄に関わるのは止めて、とっとと立ち去る事にした。
「そう、じゃあ私は用事があるのでこれで。 さよなら。」
俺は平静を装い、ゆっくり歩きだした。
「待ってくださいレインさん、少しお礼を・・・・・。 行ってしまった。 残念だなぁ。 しかしこの手紙一体誰の物だろう? 宛先が書いていない。 人の手紙を勝手に読むのは良くないな。 う~ん、見張りの兵隊にでも渡しておくかな。」
その言葉を聞き、俺はアーモンの元から立ち去るのを止めた。 どうせ見るだろうと思って、宛先なんて書いていない。 俺はアーモンの元に行き、手紙を読むのを促した。
「待ってくださいアーモンさん! その手紙はライリスさんが投げてたのを私見ました! だからその手紙はきっと貴方宛てだと思います。 今直ぐ読むべきですよ、きっと重要な事が書かれている筈です、絶対に!」
「ライリスさんが? 彼女は今トイレに・・・・・。 違うのですか? もしかしたら便秘で苦しんでるんだと思っていましたよ。 とりあえず手紙を開いてみますね。」
「はい、じゃあ私は急ぎますから。 絶対読んでくださいね!」
「あ、はい、また今度。」
ダッシュでその場を離れると、再び上空からアーモンを監視した。 どうやらやっと手紙を読んだらしい。
「えええええええ、ライリスさんの身がピンチだ! 待っててくださいライリスさん、絶対助けだしてみせますからね!」
血相を変えて辺りを見回している。 アーモンは走り出して、近くのトイレへと駆けこんだ。
・・・・・まあ便所へ行くと言ったから、見に行くのは分からんでもない。 しかしなんだ。 女子便所に迷いなく突っ込むのはどうかと思うぞ・・・・・。
「キャアアアアア、変態よおおおおおおおおおお!」
「ギャアアアアアア、クズは死ね!」
「いや違います、違うんです! ライリスさんを、ライリスさんを見ませんでしたかあああああああ!」
そしてアーモンは兵士に連行されて行った。 まあ記憶に障害があるんじゃ、その内直ぐ出て来そうだなぁ・・・・・。
あの四人とは意思の疎通も難しそうだが、アーモンの知り合いだと言う事は何となく分かる。 もうこの男をあの四人に渡しても良い所だが、それで状況が良くなるのかも不明だった。 悪化する可能性もある気がする。
しかし、しかしだ、この馬鹿と永久に仲良しごっこ等したくない。 この繋がれた手も、何方かというと今直ぐ握り潰したいぐらいだ。 二度と会わない為にと頑張っていたんだが、もうこれ以上は無理、俺の我慢の限界だ! あの四人にやられた振りをして逃げてしまおう。
いや待て、もっといい方法がある。 ライリスはこの四人に攫われた事にしてしまおう。 それならシナリオ的にも大丈夫な気がする。 そうしよう、そうしてしまおう!
「良し、それで行こう!」
「え? 何ですか?」
「何でもないです、ほほほ。 ・・・・・あ、ちょっと便所に。」
「え、ああはい行ってらっしゃい。」
俺はアーモンと別れて紙とペンを買うと、アーモンに渡す為の手紙を書いていくことにした。 これはライリスが攫われたと知らせる手紙だ、なるべく丁重に書かなければ。
さて、内容はと、あの四人の仲間に攫われて、私は連れ攫われてしまいました。 アーモンさん、私の為に助けに来てくださいっと。
これだと何処に助けに行くのか分からないか? じゃあ海を越えた国へと売られるみたいです。 で良いか。
連れ去った男の特徴は、左目に赤い丸の入れ墨で、左腕にはハートのマークがついた筋肉質で女装した男だったと。 良し書けた! これを持ってあの男に渡さなければ。
俺は空を飛ぶと、アーモンの頭上へと手紙を落とした。 それは見事に命中し、アーモンの髪の毛にサクッと突き刺さっている。 俺はそのまま数秒待った。
「・・・・・。」
「ライリスさん遅いなぁ。 もしかして大きい方かな? もう少し待ってみるか。」
「気付けよ!」
「ん? 上から何か声が? ・・・・・気のせいかな?」
危ない危ない、あまりの鈍感さに、俺は思わす突っ込んでしまった。 此方を向く前に隠れられたけど、もう少しで見つかる所だった。 俺は地上に降りて、アツシという男の姿へと変身した。 鈍感馬鹿男の所為で、ドンドン俺の手間が増えてる気がする。 本当に面倒臭いが、俺はアーモンに気づかせてやる事にした。
「おいそこのお前、頭に何か刺さってるぞ。 それ手紙じゃいのか?」
「? それ俺の事ですか? 何の冗談か知りませんけど、そんな物頭に刺さってる訳が無いでしょう。 そういうイタズラは止めてくれませんか。」
「いや、イタズラじゃなくてだなぁ。 たぶん上から振って来たんだろ、良いから頭を触ってみろよ。」
「そんな物が頭に当たったら、俺が気付かないはずがないじゃないですか。 それ以上言うなら怒りますからね。」
実際気づいて居ないだろうが! クソッ、本気で面倒臭いなコイツ! だがこのまま粘っても、この男は俺の言う事を聞かないだろう。
「後で後悔しても知らないからな!」
俺はそんな捨て台詞を残し、この場から立ち去った。 何だか小悪党にでもなった気分だ。 しかし手紙の事を気付かさせなければならないので、俺はもう一度別人になって接触していくのだが、この男は一切聞く耳を持ってくれない。
もう最後の手段を使うしかない。 俺はレインの姿に変化して、あの男へと接触を図った。
「こんにちはアーモンさん。」
「あ、レインさん。 レインさん? あれ、何か違うような? なんだか頭がモヤモヤして・・・・・う~ん何だったか?」
ク゚ッ、此奴の記憶が戻ったら途轍もなく不味い。 とっとと要件を済まさないと。
「レインですよアーモンさん。 それより頭に何か落ちていますよ。 取ってみたらどうでしょうか?」
「え? 頭にですか? さっきからずっとそんな事を言われてたんですけど、本当に? あ、本当だ。 ありがとうございますレインさん、今まで気づきませんでした。」
遅いんじゃコラ! 叫び出しそうだった俺だが、無駄に関わるのは止めて、とっとと立ち去る事にした。
「そう、じゃあ私は用事があるのでこれで。 さよなら。」
俺は平静を装い、ゆっくり歩きだした。
「待ってくださいレインさん、少しお礼を・・・・・。 行ってしまった。 残念だなぁ。 しかしこの手紙一体誰の物だろう? 宛先が書いていない。 人の手紙を勝手に読むのは良くないな。 う~ん、見張りの兵隊にでも渡しておくかな。」
その言葉を聞き、俺はアーモンの元から立ち去るのを止めた。 どうせ見るだろうと思って、宛先なんて書いていない。 俺はアーモンの元に行き、手紙を読むのを促した。
「待ってくださいアーモンさん! その手紙はライリスさんが投げてたのを私見ました! だからその手紙はきっと貴方宛てだと思います。 今直ぐ読むべきですよ、きっと重要な事が書かれている筈です、絶対に!」
「ライリスさんが? 彼女は今トイレに・・・・・。 違うのですか? もしかしたら便秘で苦しんでるんだと思っていましたよ。 とりあえず手紙を開いてみますね。」
「はい、じゃあ私は急ぎますから。 絶対読んでくださいね!」
「あ、はい、また今度。」
ダッシュでその場を離れると、再び上空からアーモンを監視した。 どうやらやっと手紙を読んだらしい。
「えええええええ、ライリスさんの身がピンチだ! 待っててくださいライリスさん、絶対助けだしてみせますからね!」
血相を変えて辺りを見回している。 アーモンは走り出して、近くのトイレへと駆けこんだ。
・・・・・まあ便所へ行くと言ったから、見に行くのは分からんでもない。 しかしなんだ。 女子便所に迷いなく突っ込むのはどうかと思うぞ・・・・・。
「キャアアアアア、変態よおおおおおおおおおお!」
「ギャアアアアアア、クズは死ね!」
「いや違います、違うんです! ライリスさんを、ライリスさんを見ませんでしたかあああああああ!」
そしてアーモンは兵士に連行されて行った。 まあ記憶に障害があるんじゃ、その内直ぐ出て来そうだなぁ・・・・・。
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