一つの世界で起こる、万の人々が紡ぐ数多くの物語。書物に残された文字は、忘れられた歴史の記録を残す。
1 尾行されている?
ブリガンテの国の南東にある宿屋、宿自体は良い宿だが、食事が出ないのがちょっと難点だ。 その宿に泊まっているのが俺、アツシとその従者達。 此処に駐在してそろそろ三ヶ月はたったと思う。 そしてストリーと言う可愛らしい妻と、今お茶を楽しんでいる。
「アツシ、お茶を入れて来てくれ。 後はお茶菓子と、食事の用意も頼む。」
「お、おう、まあそれは良いんだが・・・・・その、ちょっと言いづらいんだが、言っとかないとならない事があるんだよ・・・・・」
「何だ? 言いたい事が有るのならハッキリ言ったらどうだ。 それとも何か? まさか浮気でもしたと言わないだろうな?」
「い、いや、違う違う、そうじゃなくてだなぁ、え~っと、もしかして気づいてないのかもしれないが、此処に来て随分太ったなぁ・・・・・と・・・・」
この国に来てやってる事といったら、食材の買い出し、情報収集、後はひたすら待機、しかも仲間の人数も結構いるから、一週間に五日は待機という殆どやる事が無い状態だ。
一応訓練もやっているが、今までより運動量が落ちた為だろう。 今までのハードっぷりが嘘の様だ。 こんな状態じゃあストリーのお腹に肉が付くのも不思議じゃない。
「う、うるさいな!! 私だってちょっとは気にしているんだ、そういう事は言わないでくれ!! そ、それともアツシはこの体は嫌か?」
「い、嫌じゃないよ、俺としては全然ありだよ!! プニプニしてて可愛いじゃないか!! ほら、このモチっとした感覚は癒されるじゃないか!!」
「お、おい、こんな所で触るな、誰かに見られたら如何するんだ!! し、しかしそうだな、もう少し運動しておかないと、緊急時に動けなくなるな。 よし、此処は他の者に任せて、私達は外に見回りに行こうか。 ついでにデート・・・・・をな・・・・・」
「じゃあ手でも繋いで行くか?」
「うん・・・・・」
恥じらいを見せたストリーは可愛いのだが、その雰囲気は直ぐにぶち壊される。
「・・・・・」
「・・・・・気づいて居るなアツシ? 私達はつけられている様だぞ。」
「まあ気付くなって方が無理なんじゃないか? あんなんじゃ誰でも分かるだろ。」
角を何度曲がろうが、それは付いて来て、確実に俺達を追って来ている。 追って来てる奴の顔は分からないが、背負った長柄の斧が物凄く目立って見つけてくれと言わんばかりだ。
「どうすんだあれ? どうせブリガンテの兵隊なんだろ、倒したら不味いよな?」
「いや、不審者だと言ってぶん殴ってやれば良いだろう。 後から付いて来ているんだ、例え相手が誰だろうと、変出者が相手なら特に問題は無い。」
「んじゃ押さえつけてぶん殴るで良いのか?」
「そうだな、じゃあ三秒後に仕掛けるぞ。 三、二、一 零!!」
「うおおおおおおおおおおおおおお!!」
反転して斧が見える位置に向かって行く、角に隠れたそいつを殴る為拳を握り、突っ込んだ。 握った拳が相手の顔面へ突き刺さる前に、俺はその子がスンゴイ美少女だと気づいてしまった。
赤毛の髪をクルリと巻いたその女性、何というか、ストリーさえ居なければデートにお誘いしたいぐらいだ。 いや、こんな事を考えたら不味い、もし考えがバレたら、ストリーに殺されてしまう。
なんとなく殴り辛く、変わりに手を開いて、可愛らしいその胸を揉んでみた。
モニュとした感覚、鎧でも着ていると思っていたが、どうやら普通に服だけの様だ。 勢いは止まらず押し倒し、もう一度モニュッと揉んでみた。
「い、いやあああああああ!! 変態いいいいいいいいいいいいいい!!」
「ぶふぉおおおおおおお!!」
その女性に強烈なビンタを貰い、俺は後へ吹き飛ばされた。 そして吹き飛ばされた俺の頭に、ストリーの踵が落ちた。
「確かに押さえつけろと言ったが、お前はなにをしているんだ? 言ってみろ? この私の前で何をしているのか言ってみろ?」
「い、いや、ちょっと殴るのは可愛そうかなぁと思って・・・・・」
「そうか、ならそこで死んでいろ。」
ストリーの踵が少しだけ上がる、きっとそれを思いっきり打ち降ろす気なのだろう。 下は硬い石畳み、打ち付けられれば死んでしまう。
「や、止めろ、それは本当に死ぬ。 止めて、ねぇ、愛してるよストリー・・・・・ぎいやあああああああああああ!! グフッ!!」
頭に来る衝撃に備えていたが、優しく踏みつけられ、不意に腹に衝撃が走った。 ストリーが俺の頭を足場に、腹に拳が突き刺さっている。
「さて、お前は誰だ? 何故私達の跡を付けて来る? 何が目的なのか言ってみろ。」
「何を言ってるのか分かんないなぁ。 私は偶々此処を歩いてただけよ。 本当に偶然で偶々なの!! し、信じてよ、お願い!!」
「そうか、偶々偶然か、そうかそうか。 変質者は大体そう言うんだ、お前もあの男の様になってもらおうか。」
そこにあるのは白目をむいて倒れる振りをした俺。 あのまま起きてたらもっとやられてただろう(ストリーに)
「ひッ・・・・・や、止めて、言います、言いますから!! いいやあああああああああああ!!」
「では話せ、嘘つきがどうなるかは分かっているだろうな?」
勿論俺の事だ。
「正直に話します!! あんなのにはなりたくありませんから!!」
あんなのとは勿論俺の事だ。
「良し、まずは名前からだ、お前の名前を言ってみろ。」
「私の名前はメーリです、実は先輩に言われて貴方達の調査を任されたんですよー。」
「先輩だと? そいつは誰だ? どんな顔をしている?」
「先輩ですか、先輩ならあそこに・・・・・」
「なッ、言うな馬鹿!! 作戦が台無しだろうが!!」
メーリに指さされ、思わず叫んだもう一人の男。 きっとこの女を囮に使って、自分は悠々と見張ってたのだろう。 だがこの女を選んだ事が失敗だった訳だ。 逃げた所で女から情報が洩れると思い、その男は観念して荷物の影から出て来た。
もう一人は、民衆に隠れれられる様に、目立たない普通の服を着ていた。
「おいアツシ、何時まで死んだ振りをしている。 早く起きろ。」
「あ、バレてた? んじゃ何してたのか聞こうかね。」
「はい、実は皆さんの事を監視するように上の者に言われまして・・・・・」
「もうお前は喋るな!! 此処からは俺が話す!!」
「いや、もう良い、大体の事は分かった。 これ以上の事は知っても得はない、このまま帰って貰って結構だ。 それとも私達と一緒に付いて来るか?」
やっぱりこいつ等はブリガンテの見張りだろうな、それ以外は見張られる覚えもないし、それが知れただけで良しとしようか。
「はい、行きます!! 先輩付いて行って良いんですって、やりましたね!! これで任務が続けられますよ!!」
「お前はッ!! ・・・・・もう良い、勝手について行くから、お前等は行きたい所へ行け!!」
「じゃあ先輩、行こうか。」
「付いて来いよ先輩。」
「先輩先輩と軽々しく呼ぶな!! 俺の名はリュークだ、そう呼べ!!」
デートは続けられなくなったが、メーリとリュークを連れ、町の中を周って歩いた。
「アツシ、お茶を入れて来てくれ。 後はお茶菓子と、食事の用意も頼む。」
「お、おう、まあそれは良いんだが・・・・・その、ちょっと言いづらいんだが、言っとかないとならない事があるんだよ・・・・・」
「何だ? 言いたい事が有るのならハッキリ言ったらどうだ。 それとも何か? まさか浮気でもしたと言わないだろうな?」
「い、いや、違う違う、そうじゃなくてだなぁ、え~っと、もしかして気づいてないのかもしれないが、此処に来て随分太ったなぁ・・・・・と・・・・」
この国に来てやってる事といったら、食材の買い出し、情報収集、後はひたすら待機、しかも仲間の人数も結構いるから、一週間に五日は待機という殆どやる事が無い状態だ。
一応訓練もやっているが、今までより運動量が落ちた為だろう。 今までのハードっぷりが嘘の様だ。 こんな状態じゃあストリーのお腹に肉が付くのも不思議じゃない。
「う、うるさいな!! 私だってちょっとは気にしているんだ、そういう事は言わないでくれ!! そ、それともアツシはこの体は嫌か?」
「い、嫌じゃないよ、俺としては全然ありだよ!! プニプニしてて可愛いじゃないか!! ほら、このモチっとした感覚は癒されるじゃないか!!」
「お、おい、こんな所で触るな、誰かに見られたら如何するんだ!! し、しかしそうだな、もう少し運動しておかないと、緊急時に動けなくなるな。 よし、此処は他の者に任せて、私達は外に見回りに行こうか。 ついでにデート・・・・・をな・・・・・」
「じゃあ手でも繋いで行くか?」
「うん・・・・・」
恥じらいを見せたストリーは可愛いのだが、その雰囲気は直ぐにぶち壊される。
「・・・・・」
「・・・・・気づいて居るなアツシ? 私達はつけられている様だぞ。」
「まあ気付くなって方が無理なんじゃないか? あんなんじゃ誰でも分かるだろ。」
角を何度曲がろうが、それは付いて来て、確実に俺達を追って来ている。 追って来てる奴の顔は分からないが、背負った長柄の斧が物凄く目立って見つけてくれと言わんばかりだ。
「どうすんだあれ? どうせブリガンテの兵隊なんだろ、倒したら不味いよな?」
「いや、不審者だと言ってぶん殴ってやれば良いだろう。 後から付いて来ているんだ、例え相手が誰だろうと、変出者が相手なら特に問題は無い。」
「んじゃ押さえつけてぶん殴るで良いのか?」
「そうだな、じゃあ三秒後に仕掛けるぞ。 三、二、一 零!!」
「うおおおおおおおおおおおおおお!!」
反転して斧が見える位置に向かって行く、角に隠れたそいつを殴る為拳を握り、突っ込んだ。 握った拳が相手の顔面へ突き刺さる前に、俺はその子がスンゴイ美少女だと気づいてしまった。
赤毛の髪をクルリと巻いたその女性、何というか、ストリーさえ居なければデートにお誘いしたいぐらいだ。 いや、こんな事を考えたら不味い、もし考えがバレたら、ストリーに殺されてしまう。
なんとなく殴り辛く、変わりに手を開いて、可愛らしいその胸を揉んでみた。
モニュとした感覚、鎧でも着ていると思っていたが、どうやら普通に服だけの様だ。 勢いは止まらず押し倒し、もう一度モニュッと揉んでみた。
「い、いやあああああああ!! 変態いいいいいいいいいいいいいい!!」
「ぶふぉおおおおおおお!!」
その女性に強烈なビンタを貰い、俺は後へ吹き飛ばされた。 そして吹き飛ばされた俺の頭に、ストリーの踵が落ちた。
「確かに押さえつけろと言ったが、お前はなにをしているんだ? 言ってみろ? この私の前で何をしているのか言ってみろ?」
「い、いや、ちょっと殴るのは可愛そうかなぁと思って・・・・・」
「そうか、ならそこで死んでいろ。」
ストリーの踵が少しだけ上がる、きっとそれを思いっきり打ち降ろす気なのだろう。 下は硬い石畳み、打ち付けられれば死んでしまう。
「や、止めろ、それは本当に死ぬ。 止めて、ねぇ、愛してるよストリー・・・・・ぎいやあああああああああああ!! グフッ!!」
頭に来る衝撃に備えていたが、優しく踏みつけられ、不意に腹に衝撃が走った。 ストリーが俺の頭を足場に、腹に拳が突き刺さっている。
「さて、お前は誰だ? 何故私達の跡を付けて来る? 何が目的なのか言ってみろ。」
「何を言ってるのか分かんないなぁ。 私は偶々此処を歩いてただけよ。 本当に偶然で偶々なの!! し、信じてよ、お願い!!」
「そうか、偶々偶然か、そうかそうか。 変質者は大体そう言うんだ、お前もあの男の様になってもらおうか。」
そこにあるのは白目をむいて倒れる振りをした俺。 あのまま起きてたらもっとやられてただろう(ストリーに)
「ひッ・・・・・や、止めて、言います、言いますから!! いいやあああああああああああ!!」
「では話せ、嘘つきがどうなるかは分かっているだろうな?」
勿論俺の事だ。
「正直に話します!! あんなのにはなりたくありませんから!!」
あんなのとは勿論俺の事だ。
「良し、まずは名前からだ、お前の名前を言ってみろ。」
「私の名前はメーリです、実は先輩に言われて貴方達の調査を任されたんですよー。」
「先輩だと? そいつは誰だ? どんな顔をしている?」
「先輩ですか、先輩ならあそこに・・・・・」
「なッ、言うな馬鹿!! 作戦が台無しだろうが!!」
メーリに指さされ、思わず叫んだもう一人の男。 きっとこの女を囮に使って、自分は悠々と見張ってたのだろう。 だがこの女を選んだ事が失敗だった訳だ。 逃げた所で女から情報が洩れると思い、その男は観念して荷物の影から出て来た。
もう一人は、民衆に隠れれられる様に、目立たない普通の服を着ていた。
「おいアツシ、何時まで死んだ振りをしている。 早く起きろ。」
「あ、バレてた? んじゃ何してたのか聞こうかね。」
「はい、実は皆さんの事を監視するように上の者に言われまして・・・・・」
「もうお前は喋るな!! 此処からは俺が話す!!」
「いや、もう良い、大体の事は分かった。 これ以上の事は知っても得はない、このまま帰って貰って結構だ。 それとも私達と一緒に付いて来るか?」
やっぱりこいつ等はブリガンテの見張りだろうな、それ以外は見張られる覚えもないし、それが知れただけで良しとしようか。
「はい、行きます!! 先輩付いて行って良いんですって、やりましたね!! これで任務が続けられますよ!!」
「お前はッ!! ・・・・・もう良い、勝手について行くから、お前等は行きたい所へ行け!!」
「じゃあ先輩、行こうか。」
「付いて来いよ先輩。」
「先輩先輩と軽々しく呼ぶな!! 俺の名はリュークだ、そう呼べ!!」
デートは続けられなくなったが、メーリとリュークを連れ、町の中を周って歩いた。
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