一つの世界で起こる、万の人々が紡ぐ数多くの物語。書物に残された文字は、忘れられた歴史の記録を残す。
28 のんびりとした昼
女王イモータルを見送り、七人はブリガンテに残った。 今までとは別の、こぢんまりとした宿へ移り、その宿で三部屋を借りた。 一つ目の部屋はアツシとストリー、二つ目はイバスとクロッケル、三つ目は残った女性三人が泊っている。
今まではブリガンテに支援して貰っていたが、これからはそうもいかない。 支給金があるとはいえ、国の金をそう無暗に使う事も出来ない。
「んじゃ俺達は買い出しに行って来るから、べノムは留守番頼む。」
「ああ行って来い、俺はちょっと寝てるぜ。 流石に二往復はキツイ・・・・・」
べノムはエリメスとアスメライを王国から一人ずつ運び、今はぐったりと宿の長椅子で横になっている。 これからも連絡を取る為に、この国へ定期的に来るらしい。
「寝過ごして向うの仕事が出来なくなっても知らないからな。 また怒られたら今度こそ俺の部下にしてやるよ!!」
「うるせぇ、早く行って来いよ。 眠れねぇじゃねぇか。 外に皆を待たせてるんだろ? もたもたしてると置いてかれるぞ。」
「使えない部下は置いといて、行くぞストリー。 ついでにブリガンテの町を周ってこようぜ!!」
「ああ、まずは食材と、この国の地理を把握しなければしなければな。」
「ちょっと待て!! まだお前の部下になったわけじゃねぇからな!!」
俺とストリー、他全員が外で待っている。
「べノムはやっぱり留守番するってさ。 イバス、それじゃあこれからどうする? まず食材でも買って来るか?」
「ん~、そうだな、手分けしてって言いたい所だけど、全員で行こうか。 僕達が居るのはマリーヌ様にも知られてるし、一応万が一って事もあるからね。 べノムさんの方は・・・・・流石に拠点の宿にまでは来ないとは思う。 何かあったとしても、あの人なら大丈夫でしょう。」
「それでは行きましょうイバス様、ちょっと邪魔者が多いですが、デートには良い天気ですよ。」
「待ちなさいレーレちゃん、なんでイバスさんと腕を組んでいるのかしら? そこは私の席でしょう?」
「イバス、まさか潜入捜査だとか言って、レーレに手を出したんじゃないでしょうね? もしそうなら・・・・・」
「さ、三人共仲良くしてください、レーレさんも手を放してください。 こんな所で争ってたらちっとも進めないじゃないですか!!」
「あ、やべぇ、俺だけ一人だわ、なんか寂しいぞおい。 おいレーレ、どうせなら俺と付き合ってもいいんだぞ?」
「クロッケル様。 今何か、何かお言いになられましたか? 少し静かにしていらっしゃらないと、その喉笛切り裂きますわよ?」
「ああ、いえ、何でもないです・・・・・」
「アツシ、少し待っていろ。 ちょっと後を黙らせてくる。」
「おい待てストリー、剣を抜いて何する気だよ!! お、おい!!」
ストリーは騒ぐイバス達の一人に剣を振り下ろす。 その兜がザシュっと割れ落ちる。
「うおおおおおおおおおおおお危ねぇ!! 何で俺なんだ、あんまり騒いでねぇだろうが!!」
「それはお前に剣を振り易かったからだ、お前達もあまり騒ぐなら・・・・・」
三人がイバスから距離を取り、サッと口を閉じた。 彼女達もストリーの恐ろしさは知ってるのだろう。 それを見ていたイバスが俺の元へとやって来る。
「アツシ、ストリーさんを僕にください、彼女がいれば僕が安心出来そうなんです。 勿論性的な意味じゃないですよ?」
「はぁ、嫌だよ!! 何言ってんのお前、あんなハーレム持っててまだ足りないって言うのかよ!!」
「チガウヨ、あれはそんなものじゃない、何か胃が痛くなるような何かだよ!!」
「今度はお前達か、お前達も騒ぐのなら・・・・・」
「「直ぐに黙ります!!」」
俺達は町中を見て回る。 重要施設や、変わった建物の位置を確認する。 そして食材を買い、宿へと戻った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
べノムは受付前の長椅子で休んでいる、宿にしたら迷惑な話だが、通常よりも高い金額を払い、部屋を取っている。 多少の事は目を瞑るだろう。 その宿の中へ、一人の男が足を踏み入れた。
「おい起きろ!! 貴様に聞きたい事がある、アツシという男は何処だ!!」
「何だようるせぇなぁ、少しぐらい休ませてくれよ、俺ぁ疲れてるんだよ。 話なら起きてからにしてくれ。」
「そこまで時間はとらせない、兎に角アツシという男の居場所を教えてくれ!!」
「ああん、アツシィ?」
振り向くと見た事がある男が立って居た。 こいつはジュリアン、先日俺が姿を借りた男だ。 アツシに何の用があるんだ?
「アツシに何の用だよ? いやそもそもお前なんで此処を知っているんだ?」
「ああ、いや・・・・・少しばかりコネがあってな。 前達は知らないかもしれないが、俺は大臣の子息ジュリアンと言う。 言いずらいのだが、アツシという男に興味があってな。 少しばかりその強さを教えて貰いたいのだ。」
「へ~・・・・・」
アツシの強さ? ああなる程、確かに俺は、あの大会でアツシと名乗っていたな。 此奴が言ってるのは俺の事だろう。 としても俺は眠いし、此奴に関わってる暇は無い。 此奴の事はアツシに丸投げしてしまおう。
「アツシは今出掛けているぜ、二、三時間もすれば帰ってくるんじゃねぇか? 待ちたいならその辺で待ってろよ。 俺ぁ眠いんだ、邪魔しないでくれ。」
「ならば待たせてもらおう。」
俺とは離れた位置でジッと待っている。 少し気になるが、疲れた体を休める為に目を瞑った。 少しだけ仮眠を取り、目を覚ましたにもジュリアンは待ち続けている。
「あ~、まだ戻って来てないみたいだな。 悪ぃが俺はもう行くぜ、まだ仕事が残ってるからな。」
ジュリアンは俺の言葉に答えない。
「気が向いたらアツシに帰ったって言っといてくれ。 じゃあな。」
俺は宿から出ると、そのまま王国へと飛び立った。
今まではブリガンテに支援して貰っていたが、これからはそうもいかない。 支給金があるとはいえ、国の金をそう無暗に使う事も出来ない。
「んじゃ俺達は買い出しに行って来るから、べノムは留守番頼む。」
「ああ行って来い、俺はちょっと寝てるぜ。 流石に二往復はキツイ・・・・・」
べノムはエリメスとアスメライを王国から一人ずつ運び、今はぐったりと宿の長椅子で横になっている。 これからも連絡を取る為に、この国へ定期的に来るらしい。
「寝過ごして向うの仕事が出来なくなっても知らないからな。 また怒られたら今度こそ俺の部下にしてやるよ!!」
「うるせぇ、早く行って来いよ。 眠れねぇじゃねぇか。 外に皆を待たせてるんだろ? もたもたしてると置いてかれるぞ。」
「使えない部下は置いといて、行くぞストリー。 ついでにブリガンテの町を周ってこようぜ!!」
「ああ、まずは食材と、この国の地理を把握しなければしなければな。」
「ちょっと待て!! まだお前の部下になったわけじゃねぇからな!!」
俺とストリー、他全員が外で待っている。
「べノムはやっぱり留守番するってさ。 イバス、それじゃあこれからどうする? まず食材でも買って来るか?」
「ん~、そうだな、手分けしてって言いたい所だけど、全員で行こうか。 僕達が居るのはマリーヌ様にも知られてるし、一応万が一って事もあるからね。 べノムさんの方は・・・・・流石に拠点の宿にまでは来ないとは思う。 何かあったとしても、あの人なら大丈夫でしょう。」
「それでは行きましょうイバス様、ちょっと邪魔者が多いですが、デートには良い天気ですよ。」
「待ちなさいレーレちゃん、なんでイバスさんと腕を組んでいるのかしら? そこは私の席でしょう?」
「イバス、まさか潜入捜査だとか言って、レーレに手を出したんじゃないでしょうね? もしそうなら・・・・・」
「さ、三人共仲良くしてください、レーレさんも手を放してください。 こんな所で争ってたらちっとも進めないじゃないですか!!」
「あ、やべぇ、俺だけ一人だわ、なんか寂しいぞおい。 おいレーレ、どうせなら俺と付き合ってもいいんだぞ?」
「クロッケル様。 今何か、何かお言いになられましたか? 少し静かにしていらっしゃらないと、その喉笛切り裂きますわよ?」
「ああ、いえ、何でもないです・・・・・」
「アツシ、少し待っていろ。 ちょっと後を黙らせてくる。」
「おい待てストリー、剣を抜いて何する気だよ!! お、おい!!」
ストリーは騒ぐイバス達の一人に剣を振り下ろす。 その兜がザシュっと割れ落ちる。
「うおおおおおおおおおおおお危ねぇ!! 何で俺なんだ、あんまり騒いでねぇだろうが!!」
「それはお前に剣を振り易かったからだ、お前達もあまり騒ぐなら・・・・・」
三人がイバスから距離を取り、サッと口を閉じた。 彼女達もストリーの恐ろしさは知ってるのだろう。 それを見ていたイバスが俺の元へとやって来る。
「アツシ、ストリーさんを僕にください、彼女がいれば僕が安心出来そうなんです。 勿論性的な意味じゃないですよ?」
「はぁ、嫌だよ!! 何言ってんのお前、あんなハーレム持っててまだ足りないって言うのかよ!!」
「チガウヨ、あれはそんなものじゃない、何か胃が痛くなるような何かだよ!!」
「今度はお前達か、お前達も騒ぐのなら・・・・・」
「「直ぐに黙ります!!」」
俺達は町中を見て回る。 重要施設や、変わった建物の位置を確認する。 そして食材を買い、宿へと戻った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
べノムは受付前の長椅子で休んでいる、宿にしたら迷惑な話だが、通常よりも高い金額を払い、部屋を取っている。 多少の事は目を瞑るだろう。 その宿の中へ、一人の男が足を踏み入れた。
「おい起きろ!! 貴様に聞きたい事がある、アツシという男は何処だ!!」
「何だようるせぇなぁ、少しぐらい休ませてくれよ、俺ぁ疲れてるんだよ。 話なら起きてからにしてくれ。」
「そこまで時間はとらせない、兎に角アツシという男の居場所を教えてくれ!!」
「ああん、アツシィ?」
振り向くと見た事がある男が立って居た。 こいつはジュリアン、先日俺が姿を借りた男だ。 アツシに何の用があるんだ?
「アツシに何の用だよ? いやそもそもお前なんで此処を知っているんだ?」
「ああ、いや・・・・・少しばかりコネがあってな。 前達は知らないかもしれないが、俺は大臣の子息ジュリアンと言う。 言いずらいのだが、アツシという男に興味があってな。 少しばかりその強さを教えて貰いたいのだ。」
「へ~・・・・・」
アツシの強さ? ああなる程、確かに俺は、あの大会でアツシと名乗っていたな。 此奴が言ってるのは俺の事だろう。 としても俺は眠いし、此奴に関わってる暇は無い。 此奴の事はアツシに丸投げしてしまおう。
「アツシは今出掛けているぜ、二、三時間もすれば帰ってくるんじゃねぇか? 待ちたいならその辺で待ってろよ。 俺ぁ眠いんだ、邪魔しないでくれ。」
「ならば待たせてもらおう。」
俺とは離れた位置でジッと待っている。 少し気になるが、疲れた体を休める為に目を瞑った。 少しだけ仮眠を取り、目を覚ましたにもジュリアンは待ち続けている。
「あ~、まだ戻って来てないみたいだな。 悪ぃが俺はもう行くぜ、まだ仕事が残ってるからな。」
ジュリアンは俺の言葉に答えない。
「気が向いたらアツシに帰ったって言っといてくれ。 じゃあな。」
俺は宿から出ると、そのまま王国へと飛び立った。
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