一つの世界で起こる、万の人々が紡ぐ数多くの物語。書物に残された文字は、忘れられた歴史の記録を残す。
18 ブリガンテの武
「あそこが大臣が居そうな部屋だ、もしかしたら王様も居るんじゃないかな?」
「あそこで良いんだな? じゃあお前はもう一人の方を探して来てくれ。 今のお前ならウロウロしていても怪しまれないだろ。」
「・・・・・行って来る。」
大分不満が溜っているな、いきなりこんな所に連れて来られちゃそうだわな。 まあ後で良い物でも食わせてやるか。
まあそれはそれとして、此方の方は如何するか。 大臣と会うとなるとそれなりの用事がいるだろうが・・・・・さっきの騒ぎでも報告してみるか?
そういえば大臣の名前は何だったか? 確かダ・・・・デ?・・・・・ド? 忘れちまったよ、まあ大臣って呼べば分かるか? 取り合えず扉をノックしてみるか。
コンコンコン。
「え~っと居ますか大臣、またあの隊長が騒ぎを起こしています、大臣のお力で何とかしてもらえないでしょうか?」
「何だと!! あ~クソッ、またあの男か!! ワシは今関わりたくないんだ、お前達でなんとかせんか!!」
「いえしかし、全員が仕事そっちのけで集まってしまい、もう如何にもならないのです。 どうか大臣のお力をお貸しください。」
「ぐぬぬぬぬぬぬッ!! 大事な王位戦が控えておるのだ、今後は他の者に頼むのだぞ!! 用意するから少し待っておれ!!」
扉から出てきた大臣、恰幅の良い男だ。 動きやすそうな軽い防具を付けている。 そして手には長い柄の片刃の大剣を持っている。 一度この国に来た時に見た事があるかもしれないが、俺は覚えていない。
正直強そうには見えないが、こんな大きな剣を片手で持つ所を見ると、相当な怪力の様だな。 武装した姿は余り似合っていないが、動き自体は様になっている。 王位戦というもので戦うと言っていたが、実力はありそうだ。
「それじゃあご案内いたします。」
「うむ!!」
騒がしかった先ほどの場所は、未だ騒がしく騒動が起こっている。 さっき見た時には隊長が蹴られていたが、今は武器を持って攻勢に出ている。 人望は無いが、実力はあるってのは本当らしい。 挑む男達を一太刀の元に叩きのめし、女には尻を撫で、胸を揉みしだいている。 さらには防具までも引っぺがし、やりたい放題やっていやがる。
「グリーディア君、さっきはよくもやってくれたねぇ? 此処までやったんだ、覚悟は出来ているだろう? もうグッチョングッチョンになるまで帰してやらないからね、さあ今直ぐにその足を開きたまえ!!」
「ひいいいいい、堪忍してください、私には愛する夫と子供がいるんです!!」
「大丈夫だ、俺はそんな事はちっとも気にしないぞ。 さあ股を開くんだ、さあ、さあ!!」
「だ、誰か、誰か助けてええええええええええ!!」
助けを求めているが、殆どの兵士は倒され。、静観している者達は、隊長の強さに恐れをなしたのか、あの女の襲われる姿を楽しんでいるのか、全く動こうとしない。 俺も見ていて気持ちの良い物じゃないが、俺が此処で飛び出しては大臣を連れて来た意味が無い。
「ッ・・・・・!!」
ドゴーン!!
大臣が力強く剣の柄を地面に叩きつけ、一瞬の静寂が訪れる。 これは大分お怒りの様だ。
「貴様ぁ、王城で何たる事をしているのだ!! くッ、グリーディア嬢に何てことを。 さあ私の後ろへ来なさい。 早く!!」
「は、はい・・・・・ありがとうございます、ダラクライ様・・・・・」
グリーディアと呼ばれた女の顔が赤く染まる。 ヒーローの様に助けられて、好意がうまれたのか? 夫が居るとか言ってたのに不味いと思うんだが?
「ああ、ダラクライ大臣じゃないですか、そんな怖い顔をしてどうかなさったのですかぁ? それとも何か俺に用でもあるのでしょうか。 まさかその武器で俺と戦うつもりなんじゃないでしょうね? もうすぐ王位戦なんですよ? 対戦相手に攻撃を仕掛けるのはルール違反なんじゃないですか? もし手を出したら王位戦の参加資格が無くなっちゃいますよ?」
「ぐぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬッ!! 何故貴様の様な奴が隊長をしているのか不思議でならんわ!! お前の所為でブリガンテの評判が落ちるばかりではないか!!」
「大臣なら俺の武勲ぐらいしってるでしょう? 新兵の時順位付けのランク戦で三位になり!! その後の兵士戦で優勝し!! ブリガンテを襲ってきた魔物の群れを討伐し!! マリーヌ王の命まで救ったこの俺の武勲を!!」
「知っておるわ!! 幾ら武勲を上げても、お前の素行が悪すぎて、渋々隊長にさせざるを得なかったのだからなぁ!! 王位戦が控える今、少しは大人しくなるかと思ったが、女性にまでこれ程の事をするとは、もはや放っておくことは出来ん!! 残念だが今回の王位戦は諦めるとしよう。 ・・・・・だが!! 貴様を道連れに出来ると思えばそれも本望!! さあ、覚悟せいよ!!」
大臣から物凄い殺気が放たれた。 流石は武の国と言われるだけはある、その殺気だけでも常人なら動けなくなる程だ。
だが相手も常人ではないようだ。 隊長と言われた男はその殺気を軽く受け流し、隙の無い立ち居振る舞いで見据えている。
「まあまあ、そんなに怒らないでくださいよ、ほんのちょっとふざけていただけなんですから。 ほら仲良くしましょうよ、なんならこの女達の一人を分けてあげても良いですよ?」
「ぬうううん!!」
大きな体を起点にして、巨大な剣が横に薙がれる。
「邪魔だ、片付けよ!! 早くせい!!」
その迫力に、観戦していた兵士達が倒れて居た兵士達を避難させ、二人の間には何の障害物もなくなった。 野次馬達も少し後ろに下がり、戦うには十分な広さが出来ている。 俺も後へと下がり、戦いの様子を探る。
「・・・・・行くぞ。」
その言葉の後、大臣が動き始めた。 あまり早いとは言えないが、あんな重量の武器を持って、あの速さなら十分だろう。
「おおっと危ない、まさか本気でやり合うつもりですか? でも駄目ですよ大臣、そんな重量の剣じゃ、魔物相手には有効かもしれませんが、俺には全く通用しませんよ?」
大臣の武器はその重量ゆえ、攻撃のスピードが遅い。 あのぐらいのスピードなら、歴戦の兵なら見切るのも容易い。 斬り戻そうにも、遠心力により一瞬の為が生まれる。 それを見逃す程あの隊長は甘くないらしい。 二撃目を放つ前に距離を詰められ、その首筋に剣を・・・・・
「甘いですよ大臣、じゃあ恨まないでくださいよ。」
隊長が首元に剣を突き進める。
「甘いのはッ、貴様だあああああああああ!!」
超重量の武器を手放し、首をずらして攻撃を躱すと。 重く、速いその拳が隊長の腹へと突き刺さった。 あれほどの重量を持てるその怪力ならば、その一撃だけでも必殺の威力があるだろう。 体の中では内臓が爆散してるかもしれない。 息も出来ず、白目をむいている隊長が倒れた。
「もし生きていたら牢獄に繋いでやる、一年や二年で出られると思うな、覚悟しておけ!!」
権威に弱いと聞いていたが、これ程の正義感を持つのなら卑怯な真似はしないと思うが? もう一人の方は如何だろうな?
「あそこで良いんだな? じゃあお前はもう一人の方を探して来てくれ。 今のお前ならウロウロしていても怪しまれないだろ。」
「・・・・・行って来る。」
大分不満が溜っているな、いきなりこんな所に連れて来られちゃそうだわな。 まあ後で良い物でも食わせてやるか。
まあそれはそれとして、此方の方は如何するか。 大臣と会うとなるとそれなりの用事がいるだろうが・・・・・さっきの騒ぎでも報告してみるか?
そういえば大臣の名前は何だったか? 確かダ・・・・デ?・・・・・ド? 忘れちまったよ、まあ大臣って呼べば分かるか? 取り合えず扉をノックしてみるか。
コンコンコン。
「え~っと居ますか大臣、またあの隊長が騒ぎを起こしています、大臣のお力で何とかしてもらえないでしょうか?」
「何だと!! あ~クソッ、またあの男か!! ワシは今関わりたくないんだ、お前達でなんとかせんか!!」
「いえしかし、全員が仕事そっちのけで集まってしまい、もう如何にもならないのです。 どうか大臣のお力をお貸しください。」
「ぐぬぬぬぬぬぬッ!! 大事な王位戦が控えておるのだ、今後は他の者に頼むのだぞ!! 用意するから少し待っておれ!!」
扉から出てきた大臣、恰幅の良い男だ。 動きやすそうな軽い防具を付けている。 そして手には長い柄の片刃の大剣を持っている。 一度この国に来た時に見た事があるかもしれないが、俺は覚えていない。
正直強そうには見えないが、こんな大きな剣を片手で持つ所を見ると、相当な怪力の様だな。 武装した姿は余り似合っていないが、動き自体は様になっている。 王位戦というもので戦うと言っていたが、実力はありそうだ。
「それじゃあご案内いたします。」
「うむ!!」
騒がしかった先ほどの場所は、未だ騒がしく騒動が起こっている。 さっき見た時には隊長が蹴られていたが、今は武器を持って攻勢に出ている。 人望は無いが、実力はあるってのは本当らしい。 挑む男達を一太刀の元に叩きのめし、女には尻を撫で、胸を揉みしだいている。 さらには防具までも引っぺがし、やりたい放題やっていやがる。
「グリーディア君、さっきはよくもやってくれたねぇ? 此処までやったんだ、覚悟は出来ているだろう? もうグッチョングッチョンになるまで帰してやらないからね、さあ今直ぐにその足を開きたまえ!!」
「ひいいいいい、堪忍してください、私には愛する夫と子供がいるんです!!」
「大丈夫だ、俺はそんな事はちっとも気にしないぞ。 さあ股を開くんだ、さあ、さあ!!」
「だ、誰か、誰か助けてええええええええええ!!」
助けを求めているが、殆どの兵士は倒され。、静観している者達は、隊長の強さに恐れをなしたのか、あの女の襲われる姿を楽しんでいるのか、全く動こうとしない。 俺も見ていて気持ちの良い物じゃないが、俺が此処で飛び出しては大臣を連れて来た意味が無い。
「ッ・・・・・!!」
ドゴーン!!
大臣が力強く剣の柄を地面に叩きつけ、一瞬の静寂が訪れる。 これは大分お怒りの様だ。
「貴様ぁ、王城で何たる事をしているのだ!! くッ、グリーディア嬢に何てことを。 さあ私の後ろへ来なさい。 早く!!」
「は、はい・・・・・ありがとうございます、ダラクライ様・・・・・」
グリーディアと呼ばれた女の顔が赤く染まる。 ヒーローの様に助けられて、好意がうまれたのか? 夫が居るとか言ってたのに不味いと思うんだが?
「ああ、ダラクライ大臣じゃないですか、そんな怖い顔をしてどうかなさったのですかぁ? それとも何か俺に用でもあるのでしょうか。 まさかその武器で俺と戦うつもりなんじゃないでしょうね? もうすぐ王位戦なんですよ? 対戦相手に攻撃を仕掛けるのはルール違反なんじゃないですか? もし手を出したら王位戦の参加資格が無くなっちゃいますよ?」
「ぐぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬッ!! 何故貴様の様な奴が隊長をしているのか不思議でならんわ!! お前の所為でブリガンテの評判が落ちるばかりではないか!!」
「大臣なら俺の武勲ぐらいしってるでしょう? 新兵の時順位付けのランク戦で三位になり!! その後の兵士戦で優勝し!! ブリガンテを襲ってきた魔物の群れを討伐し!! マリーヌ王の命まで救ったこの俺の武勲を!!」
「知っておるわ!! 幾ら武勲を上げても、お前の素行が悪すぎて、渋々隊長にさせざるを得なかったのだからなぁ!! 王位戦が控える今、少しは大人しくなるかと思ったが、女性にまでこれ程の事をするとは、もはや放っておくことは出来ん!! 残念だが今回の王位戦は諦めるとしよう。 ・・・・・だが!! 貴様を道連れに出来ると思えばそれも本望!! さあ、覚悟せいよ!!」
大臣から物凄い殺気が放たれた。 流石は武の国と言われるだけはある、その殺気だけでも常人なら動けなくなる程だ。
だが相手も常人ではないようだ。 隊長と言われた男はその殺気を軽く受け流し、隙の無い立ち居振る舞いで見据えている。
「まあまあ、そんなに怒らないでくださいよ、ほんのちょっとふざけていただけなんですから。 ほら仲良くしましょうよ、なんならこの女達の一人を分けてあげても良いですよ?」
「ぬうううん!!」
大きな体を起点にして、巨大な剣が横に薙がれる。
「邪魔だ、片付けよ!! 早くせい!!」
その迫力に、観戦していた兵士達が倒れて居た兵士達を避難させ、二人の間には何の障害物もなくなった。 野次馬達も少し後ろに下がり、戦うには十分な広さが出来ている。 俺も後へと下がり、戦いの様子を探る。
「・・・・・行くぞ。」
その言葉の後、大臣が動き始めた。 あまり早いとは言えないが、あんな重量の武器を持って、あの速さなら十分だろう。
「おおっと危ない、まさか本気でやり合うつもりですか? でも駄目ですよ大臣、そんな重量の剣じゃ、魔物相手には有効かもしれませんが、俺には全く通用しませんよ?」
大臣の武器はその重量ゆえ、攻撃のスピードが遅い。 あのぐらいのスピードなら、歴戦の兵なら見切るのも容易い。 斬り戻そうにも、遠心力により一瞬の為が生まれる。 それを見逃す程あの隊長は甘くないらしい。 二撃目を放つ前に距離を詰められ、その首筋に剣を・・・・・
「甘いですよ大臣、じゃあ恨まないでくださいよ。」
隊長が首元に剣を突き進める。
「甘いのはッ、貴様だあああああああああ!!」
超重量の武器を手放し、首をずらして攻撃を躱すと。 重く、速いその拳が隊長の腹へと突き刺さった。 あれほどの重量を持てるその怪力ならば、その一撃だけでも必殺の威力があるだろう。 体の中では内臓が爆散してるかもしれない。 息も出来ず、白目をむいている隊長が倒れた。
「もし生きていたら牢獄に繋いでやる、一年や二年で出られると思うな、覚悟しておけ!!」
権威に弱いと聞いていたが、これ程の正義感を持つのなら卑怯な真似はしないと思うが? もう一人の方は如何だろうな?
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