一つの世界で起こる、万の人々が紡ぐ数多くの物語。書物に残された文字は、忘れられた歴史の記録を残す。
3 月の夜に吠える狼
助け出した男の子、その顔は人のそれではなかった、フェンリスという犬の様な顔をした男の子だった。
エルはじゃんけんで勝つとその子を自分の物にして育てる事を誓う。
彼の両親、それを調べる為にエルはフェンリスの生まれた村へと向かった。
そこで聞かされた話はフェンリスの話とは印象が違い…………
ベリー・エル(王国、兵士) フルール・フレーレ(王国、兵士)
フェルレース(王国、新兵) フェンリス(犬の様な男の子)
そろそろ皆が寝静まる頃、私は空へと飛び上がった。
空には綺麗な満月が見えている。
今日来てくれると楽なのだけれど、フェンリスの事も気になるし、もし出なかったら一度王国に戻りましょうか。
しかし町を見回していると、何か動く物体を発見してしまった。
ん? あれでしょうか?
何か黒い物体は動いていますね。
あれが敵?
まあ斬り付けて違ったら謝りましょう。
その黒い何かを狙い、私は月を背にして音もなく滑降した。
剣に肉の感触が伝わって来るが、それは直ぐに消えてしまう。
斬り付けた瞬間、敵が前方に跳ね、深手を負うのを避けたみたいです。
斬るには斬ったが、相手のダメージはそれ程ないでしょう。
そして月の明かりで、その姿がはっきりと見えて来た。
人と狼が混じり合った様な、あの子が大人になった様な姿です。
「女……犯す……」
此奴も人から産まれたのでしょうか?
言葉を喋っているが、あまり人という感じはしない。
大人になると人の意識は消えていくのだろうか?
あの子がこうならない様に、やっぱり手を打つ必要がありますね。
そんなことを私が考えている間に、狼が牙をむき出し向かってくる。
速い!
べノム程ではないけど、小回りが利く分ちょっとめんどくさい。
両腕を使った連撃と、足を使った蹴り、格闘が得意なタイプで、フレーレさんと同じですね。
でもフレーレさん程は強くない筈ですよね。
右の爪、その捻りを使った右蹴りが来る。
それを躱したけど、狼の足は止まらない。
足が跳ね上がり、全てを切り裂くような踵落とし。
でもこの大技を躱(かわ)せばチャンスが来る!
攻撃を少し後ろに下がって躱そうとしたが、それは間違いだった。
これは……踵落としじゃないッ!
足の爪が伸び、爪による斬撃。
爪が伸びた分私は避けきれず、左肩を引き裂かれた。
「ッ……!」
自分の炎が傷口を焼き、その出血を抑えていく。
血の臭いに狼が舌なめずりをして、更なる攻撃が私を襲う。
手刀、前蹴り、爪による切り裂き。
その攻撃を躱しながら剣を振るけど中々当たらない。
剣を斬り上げたその瞬間、狼が地面へとしゃがみ込み、私の足を払った。
倒れそうな体を無理やり腕を後に伸ばし、バク転で体制を立て直すと、攻撃を逃れる為に空へと……!
それでも狼は私を逃がさなかった。
私は足首を掴まれ、地面へと叩きつけられてしまう。
「ぐはッ……!」
痛みで思考が飛んだその一瞬、狼が私の体を組み伏せた。
両腕を掴まれ脱出出来ない!
このままじゃ私も子供を産まされてしまいます。
まあ、そんなのはごめんですけどね!
この私の体を掴んだのが運のつきです!
私の体から炎が立ち上り、狼の体が焼ける臭いがしてきた。
「ぎいやあああああああああああああああああああああ!」
狼が私の手を放そうとするけど、でも今度は私の方が放してあげません!
放された狼の右手を掴み、炎が相手の手を焦がしていった。
狼が激しく抵抗を見せて来る。
でもこの距離なら避けられないでしょう?
狼は空いた左の爪で私の首筋を……。
その爪が私に届く前に、私は剣を振り上げ、その腕を空中に斬り飛ばした。
狼は抵抗を止めない。
今度は口を広げて私の命を狙っている。
それなら次はその首を貰うだけです!
相手の首を斬り飛ばせりタイミングを合わせ。
私は剣を振った!
狼は剣に噛みつくと、その勢いを殺され、剣が止まってしまう。
でも、そんな事は私には通じない。
狼の歯で噛まれた剣を離すと、放した剣が消え失せた。
口を閉じた狼は恰好の的です!
私は消えた剣を再び出現させると、狼の首を斬り飛ばした。
あ~肩が痛い。
放って置いても治りますが、今度ロッテさんに治療してもらいましょう。
この騒ぎに村人は誰も出て来なかったのは、どうせ関わるのが嫌なのでしょうね。
それならそれでいいです。
これ以上面倒臭い事はごめんですからね。
私は炎の翼を広げると、空へ飛び上がり、家へと帰宅した。
部屋の中にはフレーレさんとフェルレース、それにフェンリスが眠っている。
さて……この子を如何にかしないと。
流石に今殺すのは私には出来ません。
他の手を打ちましょうか。
私は寝ているフェンリスを起きない様に縛り上げ、それを抱きあげると療養所へと直行しました。
此処には優秀な医者が何人も居ます。
私はェンリスにある事をしてもらう様に医者達をおど…説得し、その手術が開始されました。
その手術の間、フェンリスは全く起きませんでした。
眠り薬でも使っているのかもしれないですね。
私はその手術を近くで見届け、安心して眠りに付いた。
そして朝、今日がフェンリスの女の子としての誕生日です!
……女の子にフェンリスはちょっとおかしいですかね?
う~ん、満月の夜に女の子になったから……ルナ―、これで行きましょうか。
「うあああああああああああん、僕のおちんちんが無いいいいいいい!」
どうやら起きたみたいです。
私は紙に彼女の名前を書いて、それを手渡してあげました。
「まさか、貴方がやったんですか! どうするんです、ぼくのおちんちん……あ~ん、うあ~ん……」
私はルナーの頭を抱き寄せると、その頭を撫でてやった。
ルナーには悪いですが、人間の為にはこうするしかなかったのです。
大人になってまだ暴走するなら、私がちゃんと送ってあげますからね。
もう傷もないはずです。
魔法医療は優秀ですからね。
少し大きくなったルナーを抱きしめ、私は自分の部屋に帰った。
そういえば女の子の服も必要ですよね。
二人を呼んで買い物でも行きましょう。
部屋の中、二人は私を待っていた様だ。
此方を見て少し怒っている。
「おねえちゃ~ん、このおねえちゃんが、僕の、僕のおちんちんを……ううう」
「まさかエルちゃん、自分の物になったからって、口では言えない様な事を!」
「先輩何てことをするんですか! 相手はまだこんな小さいんですよ!」
う、皆勘違いしているみたいです。
私はそんな事してないのに、ただちょっと去勢して女の子にしただけなのに!
誤解を解く為に全力で説明をした。(紙で)
「んー? この子は大人になったら悪さするのねー? 今はこんなに可愛いのに、ちょと残念だわー」
私は何度も頷いた。
信用されないと、幼児趣味の変態にされてしまいます。
そんなのは嫌ですから!
私はルナーのズボンを引きずり下ろすと、そこに有った物がなくなっているのを証明した。
「確かになくなってますね。もう戻す事はできないんですから、諦めて女の子になるしかないんじゃないですか?」
「そうよねー、まあ頑張って生きて行ってね。大丈夫よー、こんなに可愛いんだもの、女の子としても十分やっていけるわよー」
二人共それで納得してくれたみたいです。
「「よろしくね、ルナー」」
そして女になったルナーを歓迎してくれた。
「うあああああああああああああああああん!」
泣き叫ぶルナーを宥め、その服を買う為に町へと出かけた。
エルはじゃんけんで勝つとその子を自分の物にして育てる事を誓う。
彼の両親、それを調べる為にエルはフェンリスの生まれた村へと向かった。
そこで聞かされた話はフェンリスの話とは印象が違い…………
ベリー・エル(王国、兵士) フルール・フレーレ(王国、兵士)
フェルレース(王国、新兵) フェンリス(犬の様な男の子)
そろそろ皆が寝静まる頃、私は空へと飛び上がった。
空には綺麗な満月が見えている。
今日来てくれると楽なのだけれど、フェンリスの事も気になるし、もし出なかったら一度王国に戻りましょうか。
しかし町を見回していると、何か動く物体を発見してしまった。
ん? あれでしょうか?
何か黒い物体は動いていますね。
あれが敵?
まあ斬り付けて違ったら謝りましょう。
その黒い何かを狙い、私は月を背にして音もなく滑降した。
剣に肉の感触が伝わって来るが、それは直ぐに消えてしまう。
斬り付けた瞬間、敵が前方に跳ね、深手を負うのを避けたみたいです。
斬るには斬ったが、相手のダメージはそれ程ないでしょう。
そして月の明かりで、その姿がはっきりと見えて来た。
人と狼が混じり合った様な、あの子が大人になった様な姿です。
「女……犯す……」
此奴も人から産まれたのでしょうか?
言葉を喋っているが、あまり人という感じはしない。
大人になると人の意識は消えていくのだろうか?
あの子がこうならない様に、やっぱり手を打つ必要がありますね。
そんなことを私が考えている間に、狼が牙をむき出し向かってくる。
速い!
べノム程ではないけど、小回りが利く分ちょっとめんどくさい。
両腕を使った連撃と、足を使った蹴り、格闘が得意なタイプで、フレーレさんと同じですね。
でもフレーレさん程は強くない筈ですよね。
右の爪、その捻りを使った右蹴りが来る。
それを躱したけど、狼の足は止まらない。
足が跳ね上がり、全てを切り裂くような踵落とし。
でもこの大技を躱(かわ)せばチャンスが来る!
攻撃を少し後ろに下がって躱そうとしたが、それは間違いだった。
これは……踵落としじゃないッ!
足の爪が伸び、爪による斬撃。
爪が伸びた分私は避けきれず、左肩を引き裂かれた。
「ッ……!」
自分の炎が傷口を焼き、その出血を抑えていく。
血の臭いに狼が舌なめずりをして、更なる攻撃が私を襲う。
手刀、前蹴り、爪による切り裂き。
その攻撃を躱しながら剣を振るけど中々当たらない。
剣を斬り上げたその瞬間、狼が地面へとしゃがみ込み、私の足を払った。
倒れそうな体を無理やり腕を後に伸ばし、バク転で体制を立て直すと、攻撃を逃れる為に空へと……!
それでも狼は私を逃がさなかった。
私は足首を掴まれ、地面へと叩きつけられてしまう。
「ぐはッ……!」
痛みで思考が飛んだその一瞬、狼が私の体を組み伏せた。
両腕を掴まれ脱出出来ない!
このままじゃ私も子供を産まされてしまいます。
まあ、そんなのはごめんですけどね!
この私の体を掴んだのが運のつきです!
私の体から炎が立ち上り、狼の体が焼ける臭いがしてきた。
「ぎいやあああああああああああああああああああああ!」
狼が私の手を放そうとするけど、でも今度は私の方が放してあげません!
放された狼の右手を掴み、炎が相手の手を焦がしていった。
狼が激しく抵抗を見せて来る。
でもこの距離なら避けられないでしょう?
狼は空いた左の爪で私の首筋を……。
その爪が私に届く前に、私は剣を振り上げ、その腕を空中に斬り飛ばした。
狼は抵抗を止めない。
今度は口を広げて私の命を狙っている。
それなら次はその首を貰うだけです!
相手の首を斬り飛ばせりタイミングを合わせ。
私は剣を振った!
狼は剣に噛みつくと、その勢いを殺され、剣が止まってしまう。
でも、そんな事は私には通じない。
狼の歯で噛まれた剣を離すと、放した剣が消え失せた。
口を閉じた狼は恰好の的です!
私は消えた剣を再び出現させると、狼の首を斬り飛ばした。
あ~肩が痛い。
放って置いても治りますが、今度ロッテさんに治療してもらいましょう。
この騒ぎに村人は誰も出て来なかったのは、どうせ関わるのが嫌なのでしょうね。
それならそれでいいです。
これ以上面倒臭い事はごめんですからね。
私は炎の翼を広げると、空へ飛び上がり、家へと帰宅した。
部屋の中にはフレーレさんとフェルレース、それにフェンリスが眠っている。
さて……この子を如何にかしないと。
流石に今殺すのは私には出来ません。
他の手を打ちましょうか。
私は寝ているフェンリスを起きない様に縛り上げ、それを抱きあげると療養所へと直行しました。
此処には優秀な医者が何人も居ます。
私はェンリスにある事をしてもらう様に医者達をおど…説得し、その手術が開始されました。
その手術の間、フェンリスは全く起きませんでした。
眠り薬でも使っているのかもしれないですね。
私はその手術を近くで見届け、安心して眠りに付いた。
そして朝、今日がフェンリスの女の子としての誕生日です!
……女の子にフェンリスはちょっとおかしいですかね?
う~ん、満月の夜に女の子になったから……ルナ―、これで行きましょうか。
「うあああああああああああん、僕のおちんちんが無いいいいいいい!」
どうやら起きたみたいです。
私は紙に彼女の名前を書いて、それを手渡してあげました。
「まさか、貴方がやったんですか! どうするんです、ぼくのおちんちん……あ~ん、うあ~ん……」
私はルナーの頭を抱き寄せると、その頭を撫でてやった。
ルナーには悪いですが、人間の為にはこうするしかなかったのです。
大人になってまだ暴走するなら、私がちゃんと送ってあげますからね。
もう傷もないはずです。
魔法医療は優秀ですからね。
少し大きくなったルナーを抱きしめ、私は自分の部屋に帰った。
そういえば女の子の服も必要ですよね。
二人を呼んで買い物でも行きましょう。
部屋の中、二人は私を待っていた様だ。
此方を見て少し怒っている。
「おねえちゃ~ん、このおねえちゃんが、僕の、僕のおちんちんを……ううう」
「まさかエルちゃん、自分の物になったからって、口では言えない様な事を!」
「先輩何てことをするんですか! 相手はまだこんな小さいんですよ!」
う、皆勘違いしているみたいです。
私はそんな事してないのに、ただちょっと去勢して女の子にしただけなのに!
誤解を解く為に全力で説明をした。(紙で)
「んー? この子は大人になったら悪さするのねー? 今はこんなに可愛いのに、ちょと残念だわー」
私は何度も頷いた。
信用されないと、幼児趣味の変態にされてしまいます。
そんなのは嫌ですから!
私はルナーのズボンを引きずり下ろすと、そこに有った物がなくなっているのを証明した。
「確かになくなってますね。もう戻す事はできないんですから、諦めて女の子になるしかないんじゃないですか?」
「そうよねー、まあ頑張って生きて行ってね。大丈夫よー、こんなに可愛いんだもの、女の子としても十分やっていけるわよー」
二人共それで納得してくれたみたいです。
「「よろしくね、ルナー」」
そして女になったルナーを歓迎してくれた。
「うあああああああああああああああああん!」
泣き叫ぶルナーを宥め、その服を買う為に町へと出かけた。
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