一つの世界で起こる、万の人々が紡ぐ数多くの物語。書物に残された文字は、忘れられた歴史の記録を残す。
11 天使の祝福を貴方に
べノム要求により家賃を稼ぐ事になったグーザフィア…………
グーザフィア(べーゼユールの恋人の天使) べーゼユール(地上を監視する天使)
べノムザッパー(王国、探索班)
天使の私(グーザフィア)は、町の中を徘徊していました。
家に住むにはお金がいると言われてしまい、今ちょっと困っています。
残念ながらベールさんは、何回か殴ったら気を失ってしまいました。
一人で何かを探さないとと、町に何かを探しに来たのですが、う~んどうしましょう。
「お姉ちゃん助けて!」
何かあったのでしょうか、遠くから男の子の声が聞こえてきました。
まあでも私には関係無いですね。
そういえばお金ってどうやって貰えるのかしら?
地上の常識はあまり分らないから、一度調べないとならないでしょう。
「待って持って行かないで!」
お金って地面にでも落ちているのかしら?
「煩い、元はといえば俺達から借金をしたお前達の親が悪いんだ。諦めてさっさと大きく成る事だな、その時は俺達が相手してやるぜ。うへへへ、それじゃあまた来月な」
一度戻って聞いてみた方が良いのでしょうか。
「あっ」
私の後ろから男の人達がぶつかって、少しふら付いてしまいました。
「おいおいねぇちゃん大丈夫かよ、なんなら俺達が介抱してやろうか?」
「ちょっ、ボス不味いですよ。相手はキメラ化しています、喧嘩しても勝てないですって」
「ただ羽根が生えているだけだろうが、ビビる事はねぇぜ!」
「よく見りゃ美人じゃねぇか。こいつを捕まえろ、俺のペットにしてやるぜ」
この人達には天罰が必要です。
来世に行かせる価値も無し。
私はその男の横に転移し、その顔面を殴りつけた。
一発、二発、三発、今度は正面に出現し、男の急所を蹴り上げる。
「ゴアアアアアアアアアアア」
「お前ッ、ボスに何しやがる! お前等やっちまえ!」
何匹いてもヒヨコはヒヨコ、天界に君臨する天使に勝てると思っている事が馬鹿らしい。
私は相手から離れた場で蹴りを放つ。
このままでは届かないが、一人の前に転移をして完璧なタイミングの蹴りが頭にヒットした。
今までの攻撃で理解した者は逃げ出して行く。
そして残った愚か者達、何方が正解だったのでしょうか。
答えは、全員ハズレです。
逃げた者の頭に降り注ぐ蹴りの嵐、動かなかった者達に降り注ぐ流星の拳で一分後には全員を瀕死にさせました。
「ひぃ、助けてくださいぃ。お金を置いて行きますので、どうぞお願いしますぅ」
私は理解しました。
お金っていう物は、こんな人達をぶん殴れば手に入るのでしょう。
それなら楽な仕事ですね。
「あの、そのお金返して貰えないでしょうか。その人に無理やり取られたお金なんです。それが無いと暮らしていけないのです」
十代に前半ぐらいの女の子と男の子、先ほど叫んでいたのはこの子達なんですね。
子供達がお金を稼ぐのは大変なのでしょう、なにせこんな人達を倒さないといけないのですから。 しかも負けたら持っているお金を奪われるシステムの様ですね。
仕方ありません、この子達の為に少しお金を稼ぐとしましょう。
私はこの王国という国の中で、悪人を探し出し、徹底的にぶん殴っていった。
三十人近く倒した所で、手持ちのお金はかなり貯まったのでしょう。
お金がそこそこ貯まった所で、この子供に分け与えました。
「お姉ちゃんありがとう!」
子供達は喜び、私にお礼を言って去って行く。
ふふっ、良い事をすると気持ちがいいですね。
悪人も殴れて一石二鳥です。
お金も十分に溜まったので、一度べノムさんの家に戻りましょうか。
「待て貴様! 今までよくもやってくれたなッ、もうお前の命はここまでだ! 皆の者やっちまえ!」
帰ろうとした時に現れたのは、百人を超えそうな人間達でした。
仕返しにでも来たのでしょうか?
でも無駄ですよ。
「アース・クラックション!」
私の魔法が発動し、集まった男達が地面に沈んでいく。
下半身が半分も沈むと、そのまま地面が固まりほとんどの者が動けなくなった。
「それでは天の裁きを受けなさい」
「せ、先生、早速お願いします!」
「どうやら相当な相手らしいな。礼は弾んでもらうぞ!」
悪人の一人から先生と呼ばれた男が現れた。
右腕だけが巨大な鉄の様になっている。
あれに当たるのは嫌ですね、当たりませんけれど。
私は用心棒の後ろから出現すると、その背中を蹴り付けた。
「そんな軽い攻撃効くかよ!」
何度か攻撃してみたのですが、防御が硬くて相手は倒れてはくれない。
「お前には俺の魔法を見せてやろう、行くぞ! ストロング・ボディー!!」
用心棒の体が鋼鉄の様に固くなる。
「スピードは遅くなるが、あらゆる攻撃を弾く無敵のボディーに変身したのだよ!」
ふう、遅いのならそのまま沈めましょうか。
「アース・クラックション!」
用心棒の体が地面に沈み込んでいく。
でも用心棒は、地面が固まる前に鉄の右腕を地面にぶつけ、その反動で空へと飛び上がった。
そしてそのままこちらへと向かって来る。
翼を持たない者が空に飛び上がると、その結果がどういう事になるのか教えてあげましょう。
高く飛び上がった用心棒の下へと転移し、男の体を更に高く蹴り上げた。
「その程度の攻撃が効くかよ!」
男は強がっている。
空中では動けない用心棒を、もう一度下から上に蹴り上げた。
「だから無駄だと言ってるだろうが!」
痛みはないのかもしれません。
ですがそのまま数十回蹴り上げられて、ようやく今自分が何処にいるのか気付いたみたいです。
そこは遥か上空、私が蹴り上げる事を止めたら死ねる領域に昇っているのです。
「待て、待てよ、いや待ってくれ、待ってくださいぃぃぃぃぃ、助けてえええええええぇぇ」
そして私は脚を止めた。
「天のご加護がありますように」
胸で十字を切り、彼の行く末を見守った。
重力に引っ張られ、その男は遥か遠い地上へと落下する。
「いやあああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「ちょっと待てええええええ! 騒がしいと思ったらやっぱりお前かッ! 何やってるんだよ! もう少しで此奴が死ぬ所だったじゃねぇか!」
あら、ご加護がありました。
べノムさんが助けてあげた様ですね。
「はあ、悪人だから大丈夫ですよね。ほらこんなにもお金が貯まったんですよ」
べノムさんが驚いています。
どうしたのでしょうか?
「悪人でも王国内で殺しなんかしたらお前が捕まるぞ! で、その金は如何したんだよ!」
「下の人達に貰いました、悪人を懲らしめるだけでお金が貰えるなんて、地上のシステムは面白いです。お金を稼ぐのって楽しいですね」
「そんなシステムは無…… 一部しか無い」
「ほら、有るんじゃないですか」
「賞金稼ぎとかはギルドの依頼を受けなきゃ出来ねぇの。あんたそんな事して無いだろうが」
「ではそこへ案内してくださいな、あの人達を運びますので。お手伝いしてくださいね」
べノムさんの助けを借りて、ギルドという場所へ男達を運ぶと、持っていたお金が二倍になりました。
べノムさんは納得していなかったみたいですが、家賃は解決しましたね。
これだけあれば百年住めるのではないですかね?
ベールさんの分もお支払いしまいたら五十年でしょうか。
もう目標は達成出来たので、ベールさんが待っています。
急いで帰りましょう。
帰り道の途中、ベールさんを見かけました。
女の人を口説いているのですか?
お仕置きが必要ですよね。
「貴方の様な美しい人が居るのなら、私は堕天してもかまいません。如何です、今夜私とデートしてみませんふぐおっ! 何しやが……っているのですかグーザフィアさん? 別に浮気していた訳ではありませんよ。ちょっと落ち着きましょうね?」
この人を一人にした私が馬鹿でした。
私は拳を握ると、べーゼさんの顎を打ち上げる。
そのまま何度かぶん殴った後、ベールさんを引きずって帰りました。
「なあお前って実はドMなの? 殴られて喜んでいるの?」
「違います、私はグーザフィアさんを愛しているのです。しかし綺麗な人を見かけると如何しても声を掛けたくなるじゃありませんか」
「お前が納得してるのなら良いけどな。まあ死なない様に頑張れよ」
「努力します……」
聴こえていましたよ、愛していると言ったので我慢します。
今日の夜は少しだけ優しくしてあげましょうね。
次の日、王女様達の護衛として、べノムがマルファーの家に向かう事になった。
グーザフィア(べーゼユールの恋人の天使) べーゼユール(地上を監視する天使)
べノムザッパー(王国、探索班)
天使の私(グーザフィア)は、町の中を徘徊していました。
家に住むにはお金がいると言われてしまい、今ちょっと困っています。
残念ながらベールさんは、何回か殴ったら気を失ってしまいました。
一人で何かを探さないとと、町に何かを探しに来たのですが、う~んどうしましょう。
「お姉ちゃん助けて!」
何かあったのでしょうか、遠くから男の子の声が聞こえてきました。
まあでも私には関係無いですね。
そういえばお金ってどうやって貰えるのかしら?
地上の常識はあまり分らないから、一度調べないとならないでしょう。
「待って持って行かないで!」
お金って地面にでも落ちているのかしら?
「煩い、元はといえば俺達から借金をしたお前達の親が悪いんだ。諦めてさっさと大きく成る事だな、その時は俺達が相手してやるぜ。うへへへ、それじゃあまた来月な」
一度戻って聞いてみた方が良いのでしょうか。
「あっ」
私の後ろから男の人達がぶつかって、少しふら付いてしまいました。
「おいおいねぇちゃん大丈夫かよ、なんなら俺達が介抱してやろうか?」
「ちょっ、ボス不味いですよ。相手はキメラ化しています、喧嘩しても勝てないですって」
「ただ羽根が生えているだけだろうが、ビビる事はねぇぜ!」
「よく見りゃ美人じゃねぇか。こいつを捕まえろ、俺のペットにしてやるぜ」
この人達には天罰が必要です。
来世に行かせる価値も無し。
私はその男の横に転移し、その顔面を殴りつけた。
一発、二発、三発、今度は正面に出現し、男の急所を蹴り上げる。
「ゴアアアアアアアアアアア」
「お前ッ、ボスに何しやがる! お前等やっちまえ!」
何匹いてもヒヨコはヒヨコ、天界に君臨する天使に勝てると思っている事が馬鹿らしい。
私は相手から離れた場で蹴りを放つ。
このままでは届かないが、一人の前に転移をして完璧なタイミングの蹴りが頭にヒットした。
今までの攻撃で理解した者は逃げ出して行く。
そして残った愚か者達、何方が正解だったのでしょうか。
答えは、全員ハズレです。
逃げた者の頭に降り注ぐ蹴りの嵐、動かなかった者達に降り注ぐ流星の拳で一分後には全員を瀕死にさせました。
「ひぃ、助けてくださいぃ。お金を置いて行きますので、どうぞお願いしますぅ」
私は理解しました。
お金っていう物は、こんな人達をぶん殴れば手に入るのでしょう。
それなら楽な仕事ですね。
「あの、そのお金返して貰えないでしょうか。その人に無理やり取られたお金なんです。それが無いと暮らしていけないのです」
十代に前半ぐらいの女の子と男の子、先ほど叫んでいたのはこの子達なんですね。
子供達がお金を稼ぐのは大変なのでしょう、なにせこんな人達を倒さないといけないのですから。 しかも負けたら持っているお金を奪われるシステムの様ですね。
仕方ありません、この子達の為に少しお金を稼ぐとしましょう。
私はこの王国という国の中で、悪人を探し出し、徹底的にぶん殴っていった。
三十人近く倒した所で、手持ちのお金はかなり貯まったのでしょう。
お金がそこそこ貯まった所で、この子供に分け与えました。
「お姉ちゃんありがとう!」
子供達は喜び、私にお礼を言って去って行く。
ふふっ、良い事をすると気持ちがいいですね。
悪人も殴れて一石二鳥です。
お金も十分に溜まったので、一度べノムさんの家に戻りましょうか。
「待て貴様! 今までよくもやってくれたなッ、もうお前の命はここまでだ! 皆の者やっちまえ!」
帰ろうとした時に現れたのは、百人を超えそうな人間達でした。
仕返しにでも来たのでしょうか?
でも無駄ですよ。
「アース・クラックション!」
私の魔法が発動し、集まった男達が地面に沈んでいく。
下半身が半分も沈むと、そのまま地面が固まりほとんどの者が動けなくなった。
「それでは天の裁きを受けなさい」
「せ、先生、早速お願いします!」
「どうやら相当な相手らしいな。礼は弾んでもらうぞ!」
悪人の一人から先生と呼ばれた男が現れた。
右腕だけが巨大な鉄の様になっている。
あれに当たるのは嫌ですね、当たりませんけれど。
私は用心棒の後ろから出現すると、その背中を蹴り付けた。
「そんな軽い攻撃効くかよ!」
何度か攻撃してみたのですが、防御が硬くて相手は倒れてはくれない。
「お前には俺の魔法を見せてやろう、行くぞ! ストロング・ボディー!!」
用心棒の体が鋼鉄の様に固くなる。
「スピードは遅くなるが、あらゆる攻撃を弾く無敵のボディーに変身したのだよ!」
ふう、遅いのならそのまま沈めましょうか。
「アース・クラックション!」
用心棒の体が地面に沈み込んでいく。
でも用心棒は、地面が固まる前に鉄の右腕を地面にぶつけ、その反動で空へと飛び上がった。
そしてそのままこちらへと向かって来る。
翼を持たない者が空に飛び上がると、その結果がどういう事になるのか教えてあげましょう。
高く飛び上がった用心棒の下へと転移し、男の体を更に高く蹴り上げた。
「その程度の攻撃が効くかよ!」
男は強がっている。
空中では動けない用心棒を、もう一度下から上に蹴り上げた。
「だから無駄だと言ってるだろうが!」
痛みはないのかもしれません。
ですがそのまま数十回蹴り上げられて、ようやく今自分が何処にいるのか気付いたみたいです。
そこは遥か上空、私が蹴り上げる事を止めたら死ねる領域に昇っているのです。
「待て、待てよ、いや待ってくれ、待ってくださいぃぃぃぃぃ、助けてえええええええぇぇ」
そして私は脚を止めた。
「天のご加護がありますように」
胸で十字を切り、彼の行く末を見守った。
重力に引っ張られ、その男は遥か遠い地上へと落下する。
「いやあああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「ちょっと待てええええええ! 騒がしいと思ったらやっぱりお前かッ! 何やってるんだよ! もう少しで此奴が死ぬ所だったじゃねぇか!」
あら、ご加護がありました。
べノムさんが助けてあげた様ですね。
「はあ、悪人だから大丈夫ですよね。ほらこんなにもお金が貯まったんですよ」
べノムさんが驚いています。
どうしたのでしょうか?
「悪人でも王国内で殺しなんかしたらお前が捕まるぞ! で、その金は如何したんだよ!」
「下の人達に貰いました、悪人を懲らしめるだけでお金が貰えるなんて、地上のシステムは面白いです。お金を稼ぐのって楽しいですね」
「そんなシステムは無…… 一部しか無い」
「ほら、有るんじゃないですか」
「賞金稼ぎとかはギルドの依頼を受けなきゃ出来ねぇの。あんたそんな事して無いだろうが」
「ではそこへ案内してくださいな、あの人達を運びますので。お手伝いしてくださいね」
べノムさんの助けを借りて、ギルドという場所へ男達を運ぶと、持っていたお金が二倍になりました。
べノムさんは納得していなかったみたいですが、家賃は解決しましたね。
これだけあれば百年住めるのではないですかね?
ベールさんの分もお支払いしまいたら五十年でしょうか。
もう目標は達成出来たので、ベールさんが待っています。
急いで帰りましょう。
帰り道の途中、ベールさんを見かけました。
女の人を口説いているのですか?
お仕置きが必要ですよね。
「貴方の様な美しい人が居るのなら、私は堕天してもかまいません。如何です、今夜私とデートしてみませんふぐおっ! 何しやが……っているのですかグーザフィアさん? 別に浮気していた訳ではありませんよ。ちょっと落ち着きましょうね?」
この人を一人にした私が馬鹿でした。
私は拳を握ると、べーゼさんの顎を打ち上げる。
そのまま何度かぶん殴った後、ベールさんを引きずって帰りました。
「なあお前って実はドMなの? 殴られて喜んでいるの?」
「違います、私はグーザフィアさんを愛しているのです。しかし綺麗な人を見かけると如何しても声を掛けたくなるじゃありませんか」
「お前が納得してるのなら良いけどな。まあ死なない様に頑張れよ」
「努力します……」
聴こえていましたよ、愛していると言ったので我慢します。
今日の夜は少しだけ優しくしてあげましょうね。
次の日、王女様達の護衛として、べノムがマルファーの家に向かう事になった。
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