一つの世界で起こる、万の人々が紡ぐ数多くの物語。書物に残された文字は、忘れられた歴史の記録を残す。

秀典

8 悍ましき何かの会議 プロローグ2

 プロローグ2、短いです。

時間軸は違いますがプロローグ1と同じ場所。
この場所、いわゆる天界と呼ばれる場所です。
このお話に登場する子達は、この世界では何処にでもいる子供の一人です。
この子達以外の子であっても、悪意は一切ありません。
悪魔を殺す、これが正義だと信じています。
ですが悪魔自体も悪魔なので悪い事はしています。
悪魔が悪いから殺すのか、天使が殺したから悪魔が悪い事をするのかも分からない状態です。
それは遥か神話の時代の話で、結局は誰一人覚えていないと言うのが真実なのでしょう。

子供達            女の先生



 プロローグ2

 背中に羽根の生えた子供達が、何かを話している。
 まず赤い服の男の子が話を始めた。

「この間の悪魔さあ、どうなったかなぁ」

 メガネをかけた男の子が悩んでいる。

「わかんな~い。なんか人間の振りをして虐めてたら、怒って何処かに逃げちゃったよね。やっぱり殺しとくべきだったかな~」

 髪を二つに縛った女の子が話しかけている。

「あ~知ってるよその悪魔。なんか人間達を戦争させたんだって」

 白い服を着た男の子が言う。

「人間のこと怒っちゃったのかなぁ。でも悪魔は殺さないといけないから仕方ないよね」

 赤い服の男の子が、ちょっとアワアワしている。

「でも人間は少し可哀想だよね。いっぱい死んじゃったんでしょう?」

 髪を二つに縛った女の子がそれに答えた。

「そうでもないわよ。なんか人間が悪魔になっちゃったんだって」

 白い服を着た男の子。

「うそだ~、人間が悪魔になるわけないし」

 メガネをかけた男の子。

「でも、もし悪魔なんかになっちゃったら、ちゃんと殺さないとね」

 皆が騒いでいる。

「そうだね~、全員殺さなきゃいけないね」

 カッカッカッっと、足音が鳴り響き、誰かが言う。

「あ、先生が来た。もうすぐチャイムが鳴るよ、ちゃんと椅子に座らなきゃ」

 女の先生はバンと机を鳴らす。

「はーい皆さん、授業を始めますよー」

 子供達全員で返事を上げる。

「は~い」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 終業の鐘が鳴り、赤い服の男の子が帰り際に話を始めた。

「人間界が悪魔で一杯になったんでしょ? でもどうするの、人間界には簡単には行けないよ?」

 白い服を着た男の子。

「う~んどうしようか。う~ん、あっ、そうだ、誰かに神託降ろしちゃおうよ」

 メガネをかけた男の子。

「神託なんて降ろして、どうするの?」

 白い服を着た男の子。

「う~ん、そうだなぁ。誰かを勇者にしちゃうのはどうかな?」

 髪を二つに縛った女の子。

「勇者って何? 御伽噺でよくあるあれかしら?」

 白い服を着た男の子。

「そうそう、その子に倒してもらうのさ」

 メガネをかけた男の子。

「へ~それは面白いね~。じゃあ誰を勇者にしようか」

 赤い服を着た男の子。

「あっ、この子なんて良いんじゃない? ほらほらここに映っているこの子」

 皆で頷く。

「うん、いいねぇ」

 女の先生が。

「ほら君達、そろそろ帰りなさい」

 子供達全員で返事をする。

「は~い」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 メガネをかけた男の子。

「そろそろ家についちゃうよ、そろそろ誰に神託を降ろすか決めないと」

 白い服を着た男の子。

「この人にしようよ、占い師みたいだしさ」

 赤い服を着た男の子。

「もう時間が無いからそれで良いよ」

 髪を二つに縛った女の子。

「じゃあ決まりね」

 メガネをかけた男の子。

「家についちゃった、それじゃあバイバイ」

「またね~」

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