最強暗殺者、冒険者になる
暗殺者は学校へ行く(ために入試を受ける) 後編
    「はい。『絶対』に受かってみせます」
    俺はイーサン様に決意を告げる。
    「うむ。まあ堅苦しい話はこれくらいにして朝食を食べてしまおう」
     「それじゃあ、いただきます!」
      夫人の声をきっかけに皆が食べ出す。
いつもの光景だ。
  でも今日はそれがなんだか嬉しく思えた。
  
   
   「アリス、まだか?」
   「今行くぞ!」
  俺とアリス、ミリスさん、夫人とイーサン様が揃った。
    「アリスとレイン君が居なくなると寂しいわ。長期休暇は必ず帰って来てね?」
   「ああ。必ず、帰ってくるぞ!」
    「レイン。くれぐれも、我が娘をたのんだぞ」
しかし小声で耳打ちしてくれた。
(好きな女ができた時は、娘を二の次にしていい。お前の人生を縛りたくないからな。このことはアリスにも言ってある)
    「了解致しましたイーサン様。全身全霊をかけてお守りします」
   「大丈夫?アリス...荷物、全部持った?レイン君も防具と短剣、持った?」
   「おいおい。ミリス。もう行かせてやれ。長期休暇には、また会えるんだから」
   「ううっ...じゃあね。アリスとレイン君」
   「頼んだぞ」
    「アリスちゃんとレイン君。頑張ってね」
     「ああ...行ってくるぞ。姉上、母上、父上」
    俺は声は出さなかった。オリュンベール家にむかって深くお辞儀をした。
   こうして俺達はオリュンベール家一族に見送られながら学校へ向かった。
   オリュンベール公爵領から学校がある『王都』までは遠いため、魔法陣をつかうことにした。
    「それじゃあ...行くぞ」
     「了解だ」
   「『転移』」
   景色が一瞬で切り替わる。
何度使っても慣れないな。
俺達は、『王都』の広場に転移した。
目の前には、もう学校がある。
「じゃあレイン。入試の手続きをしよう」
「わかった」
「じゃあーー」
「学校で会おう」
そう言って俺達は別れた。
「入試希望の方ですか?」
「はい。そうです」
「あなたの番号は256番です。覚えておいてください。もうまもなく筆記試験が始まります。今お渡しした地図を見ながら第一ホールに向かって、ホールの256番席に座って待ってください」
  
「わかりました」
俺は第一ホールに歩いていった。
筆記試験の様子は割愛する。
    想像の通りボロボロだ。
「はあ...やっぱり筆記はダメだったか...実技でなんとかできるのか...?」
とりあえす目の前のことに集中することにしよう。
  「実技試験の会場は...っと。反対か...少し走るか」
   
    やはりこの学校は広い。走っても1分近くかかった。
「241番から250番の方は前へお願いします!」
俺の番は次か...緊張はしないが。
この程度で緊張していたら暗殺はできない。
「では251から260の方は前へお願いします」
  もうすぐだ。
 どうやら試験は教官と模擬戦をするだけのようだ。
「256番」
「はい。よろしくお願いします」
「ああ、よろしく!!」
そう言って教官は笑った。
「それでは...開始!!」
と、聞こえた瞬間、俺は地を駆け、教官の首に『トワイライト・ダガー』を当てた。
「しょ、勝者!!レイン!!」
(受験生が教官に勝つとか...)
(一体何年ぶりなのかしら...)
(あいつ、やばい。まったくみえなかったぞ)
などと聞こえてきた。
「お、お前、名前は?」
「レインだ」
ぶっきらぼうに答える。
「レイン...レインか...校長の俺に勝つとは...強いな」
(え、校長!?) 
(校長って、S級冒険者だった...)
(校長に勝つなんて...) 
嫌な予感。
「後で校長室へ来い。合格は確定にしといてやるぞ!!」
    合格は決まったようだが、またもや面倒事が来たようだ。
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コメント
kou(こう)
クソ眠い中書いたので、誤字脱字、支離滅裂なところあるかもです。